触れると落ちてしまいそうな細い花びらが特徴のシランは、古くから親しまれてきた歴史ある植物です。シランは地植えや生け花としても人気で、愛する人への贈り物としてもぴったりの花言葉を持ちます。
そこで今回は
- シランの花言葉の種類
- シランの花言葉の由来
- シランの花言葉にあった贈り物のシーン
- シランの贈り物の体験談
について詳しく解説。
シランには複数の花言葉があり、中にはプレゼントするときに注意するべきものもあります。贈り物としてシランをプレゼントしたときのさまざまなエピソードもご紹介しているため、最後までチェックしてギフト選びの参考にしてみてくださいね。
シラン(紫蘭)ってどんな植物なの?

シランは日本でも山や草原などに自生する植物で、先が尖った楕円形の細長い葉っぱと白やピンクの美しい花を咲かせるのが特徴です。日本や中国、台湾に分布し、別名「ベニラン(紅蘭)」や「シュラン(朱蘭)」とも呼ばれます。シランの歴史は古くギリシャ神話や万葉集にも登場するほど、長く親しまれてきた植物です。
東アジアが原産地であるラン科の植物
シラン(紫蘭)は中国や台湾などの東アジアが原産のラン科の植物で、奈良時代に日本に伝えられたとされています。ラン科の花は世界に15000種類以上あるとされており、星のように見える個性的な形と気品ある美しい色合いが多いの特徴。一方でシランの花は星型ではなく、細く垂れ下がり華奢な印象です。
シランは日当たりのよい適度な湿度がある場所を好み、年月を重ねるごとに繁殖していきます。鉢植えにすると40cm程度の高さになり、地植えでは1mになることもありぐんぐん伸びる姿を楽しめる植物です。またシランの種は園芸店などでは販売されていません。そのため開花後の実から種を取り、11月頃に種まきをします。種は市販されていない一方で、苗は園芸店で手軽に入手が可能です。
5〜6月の時期に白やピンクの花を咲かす
シランの開花は5~6月で、白やピンクの花を咲かせる植物です。シランは漢字で「紫蘭」と書き、紫色の花を咲かせることが由来で名付けられました。そのためシラン(紫蘭)は主に紫色の花のみを指すと言われています。紫色以外のシランは白い花が「シロバナシラン」で花びらの先端が紫がかっているのが「口紅シラン」。他にも葉っぱに白い線が入っている「フクリンシラン」などもあります。
花のびらは細長い楕円形で、触るとポロポロと落ちてしまいそうな繊細なシラン。見た目が弱々しいシランは秋になると枯れる一方で、翌年には再び花を咲かせる強さも持っています。
生命力が強く育てやすい
シランは華奢な見た目と違って暑さや寒さに強い丈夫な植物。地植えでは水やりも不要で育てやすいのも特徴です。秋になり花と葉が枯れ落ちたあとは休眠期に入り成長が止まる一方で、春がくると再び成長し始めます。また多少の日陰でも枯れることなく細かいケアをしなくてもぐんぐん育つため、生命力が強く毎年花を増やしていくでしょう。生命力と繁殖力の強いシランはラン科の中でも丈夫で初心者でも育てやすい種類のため、贈り物にも人気です。
漢方薬として用いられ、毒性はない
シランは漢方薬としても用いられる植物で、生薬名は「ビャクキュウ(白及)」と呼ばれています。ケガをしたときの止血や炎症を抑えたり、胃潰瘍などの内蔵疾患の吐血にも使用されてきました。生薬のビャクキュウとなるのは、シランの根元にある、球根のような球茎部分。秋に球茎を取り出して熱湯に浸して乾燥させたものが、生薬のビャクキュウとなります。
準絶滅危惧種に指定されている
ギフトにも人気のシランは日本でも自生している一方で、野生のものはほとんどありません。そのため準絶滅危惧種に指定されている貴重な植物です。なぜシランが準絶滅危惧種になったのかというと、乱獲や気候の変化が原因と言われています。野生のシランは絶滅の危機でも繁殖力は強く簡単に増やせるため、園芸店では手軽に入手できるでしょう。
シランの花言葉とは?花言葉の詳細も解説!

シランには恋愛に関する3つの花言葉があります。恋人への愛をつたえるときにもぴったりのため、プレゼント選びの参考にもなるでしょう。
そもそも花言葉とは?
花言葉とは、植物の花の特徴や葉の形、香りなどから付けられているその植物の象徴的な意味を持つ言葉です。花言葉の発祥は17世紀のトルコだと言われており、文字や言葉では伝えきれない思いを花に持たせて、送っていたそうですよ。
シランには恋愛に関する花言葉がある
シランの花言葉は「あなたを忘れない」「変わらぬ愛」「美しい姿」の3つがあり、どれも恋人へのメッセージに最適です。
【あなたを忘れない】
シランの花言葉「あなたを忘れない」はギリシャ神話が由来。由来となったギリシャ神話はヒヤシンスの花言葉のもととなっており、シランの英語名が「ヒヤシンス・オーキッド」であることにちなんでいます。太陽神アポロンと愛し合っていたヒアキュントスがある日、2人の仲を妬んでいたゼピュロスにより亡くなってしまう悲しいギリシャ神話です。会えなくなってもあなたを忘れないという強い思いが感じられます。
【変わらぬ愛】
シランの花言葉「変わらぬ愛」もヒヤシンスの花言葉の由来となっている同じギリシャ神話から付けられています。何があっても想い合える絆を深めたいときにもぴったりな花言葉です。恋人同士の記念日や告白するときにもシランを贈ると、気持ちを込められるでしょう。
【美しい姿】
シランの花言葉「美しい姿」は花が咲く姿が、大切な人を想いうつむく女性と重ね合わせて付けられました。花言葉に「美しい姿」という容姿を褒める言葉があると、受け取った側も自然と笑顔になるでしょう。記念日だけでなく女性へのちょっとしたプレゼントにも喜ばれそうな花言葉ですね。
ネガティブな花言葉もある
シランには恋愛に関係する花言葉だけでなく、ネガティブなイメージの意味合いもあります。シランのネガティブな花言葉は「不吉な予感」「薄れゆく愛」の2つ。一つの植物でまったく正反対の花言葉があるのは少し不思議な感じがしますね。贈り物をするときには誤解されないように、メッセージを添えるなど工夫することをおすすめします。
【不吉な予感】
シランの怖い花言葉の一つ「不吉な予感」もヒヤシンスの名前の由来となった、ギリシャ神話がもとになっています。ギリシャ神話ではゼピュロスの嫉妬により亡くなってしまったヒアキュントスの血は、のちに赤いヒヤシンスを咲かせたと伝えられています。このことからシランの花は悲しい花としても有名で、ネガティブなイメージの花言葉も付けられました。「不吉な予感」という花言葉だけ聞くと、贈り物をする相手やタイミングは慎重に選んだほうがよさそうです。
【薄れゆく愛】
シランのネガティブな花言葉「薄れゆく愛」は、華奢な花の姿が弱々しい印象と重ね合わせて付けられたのか切ないイメージがあります。そのため恋人へ贈るときにはメッセージも添えてプレゼントしておかないと、誤解される可能性もあるため注意が必要です。シランはネガティブな花言葉がある一方で、日頃の想いを言葉にするいい機会にもなるでしょう。
色別の花言葉はない
シランは種類ごとに白やピンク、紫などの花を咲かせる一方で、色別の花言葉はなくすべて同じ意味を持ちます。つまり紫色以外のシロバナシランや口紅シランなどもシランと同じ花言葉を持つため、ネガティブな意味も持つということ。紫だけでなくすべてのシランを贈るときには、相手やタイミングを慎重に選び気持ちが伝わるような工夫が必要です。
怖い意味はあるの?シランの花言葉の由来を知ろう

シランの花言葉についてご紹介しましたが、由来についても詳しく解説します。花言葉の由来を知ることでシランの深い歴史もわかるため、植物の見方も変わりますよ。
怖い意味はない
シランにはネガティブなイメージの花言葉がある一方で、怖い意味はありません。しかし「不吉な予感」というネガティブな花言葉があるのは事実。贈り方によっては人を不安にさせる可能性もあるため、プレゼントするときには十分注意しましょう。相手に気持ちが伝わりやすいように他のギフトと一緒に贈ったり、メッセージを添えるのもおすすめです。
シルエットが線のように細く見えるに由来
シランの花言葉「美しい姿」と「薄れゆく愛」は花のシルエットが線のように細く、華奢な姿が由来となっています。一つのシルエットからまったく異なる花言葉がつけられているのは不思議な感じがする一方で、人によって見え方が変わることがよくわかる花言葉です。恋人を想うような美しい姿にも、弱々しいシルエットにも見えるシランは独特の雰囲気も感じられるでしょう。
悲しいギリシャ神話にも由来している
シランの花言葉「あなたを忘れない」「変わらぬ愛」そして、ネガティブな意味の「不吉な予感」は悲しいギリシャ神話が由来。シランは海外では別名「ヒヤシンス・オーキッド」とも呼ばれており、ヒヤシンスの花言葉のもととなったギリシャ神話とも関係しています。シランの花言葉のもととなったのは、先ほどもご紹介した太陽神アポロンとヒアキュントスのギリシャ神話。
太陽神アポロンと愛されていた美少年ヒアキュントスが円盤投げをしていました。その際アポロンが投げた円盤がヒアキュントスの頭部を直撃し、亡くなってしまいます。実はこの円盤を操作していたのが、2人の仲を妬んでいたゼピュロスだったというギリシャ神話。悲運によりヒアキュントスが亡くなったあとも、アポロンの強い愛が感じられる花言葉です。
5月6日・5月14日・5月17日の誕生花
シランは5月6日・5月14日・5月17日の誕生花のため、誕生日プレゼントにもぴったりの植物。開花したばかりのシランを花言葉と合わせて、5月生まれの恋人や友人の誕生日に贈るのもおすすめです。もちろん贈るときには素敵なメッセージも添えて、気持ちが伝わるようにすると喜ばれるでしょう。
シランの花言葉にあった贈り物のシーン

シランの花言葉にあった贈り物のシーンをご紹介します。愛を伝える花言葉がある一方でネガティブな意味もあるため、贈る相手への配慮もしておくと誤解なく喜ばれるでしょう。
【変わらぬ愛】記念日のプレゼントに
シランの花言葉「変わらぬ愛」はギリシャ神話の太陽神アポロンのヒアキュントスへの愛が由来となっているため、恋人との記念日のプレゼントにも最適です。交際記念日や夫婦の結婚記念日に贈っても喜ばれるでしょう。
シランと誕生日が同じ人の誕生日プレゼントに
シランは5月6日・5月14日・5月17日の誕生花。そのため同じ日が誕生日の人のプレゼントにしても素敵です。5~6月は開花時期でもあるため鮮やかに色づくシランを見ごろに合わせて贈ると、より思い出深い誕生日プレゼントになるでしょう。地植えできるよう苗で贈ったり花瓶に挿せるように切り花にするなど、相手の環境に合わせた贈り方ができれば素敵な誕生日プレゼントになりますよ。
育てやすいため初めて育てるような人にも
シランは華奢な見た目の一方で暑さや寒さに強く、ある程度の水やりを忘れても成長しつづける植物です。そのため植物を育てるのに慣れない人でもケアがしやすく、気軽に育てられるでしょう。初心者向けの植物でもあるため、安心してプレゼントできますね。
ネガティブな花言葉があることは忘れないようにする
シランは育てやすくプレゼントにも最適な植物の一方で、ネガティブな花言葉もあることを忘れないようにしましょう。「不吉な予感」や「薄れゆく愛」は人を不安にさせる花言葉のためシランをプレゼントするときには、メッセージを添えるなど気持ちが伝わる工夫をしておくと安心です。可能であれば贈る際に花言葉の説明もしておくと、受け取った側もシランをより深く知れるためより愛着が湧くかもしれませんね。
花言葉の意味を込めたシランの贈り物の体験談

花言葉の意味を込めたシランの贈り物の体験談をご紹介します。
恋人との記念日のお祝いに
シランには愛を伝えるのにぴったりな花言葉「変わらぬ愛」があるため、恋人との記念日にもおすすめです。
友人の誕生日プレゼントに
シランは5月生まれの友人への誕生日プレゼントにも最適な植物です。さまざまな色が楽しめるシランはアレンジすれば、おしゃれなインテリアにもなりますよ。
母の日や父の日に感謝を込めて
シランの花言葉「変わらぬ愛」は恋人だけでなく、大切な家族への感謝を込めたプレゼントにもおすすめです。母の日や父の日とも開花時期が重なるため、落ち着いた雰囲気のシランは育ててくれた家族にも喜ばれるでしょう。
【まとめ】シランの花言葉とは?由来や贈り物のシーン、体験談を徹底紹介!
今回はシランの花言葉について詳しく解説しました。
今回のポイントは
- シランには「あなたを忘れない」「変わらぬ愛」「美しい姿」とネガティブな「不吉な予感」「薄れゆく愛」という花言葉がある
- シランの花言葉の由来は悲しいギリシャ神話と花のシルエットがもとになっている
- シランの花言葉にあった贈り物のシーンは、恋人や夫婦の記念日や5月生まれの誕生日プレゼントが最適
でした。
複数の花言葉を持つシランは贈り方によっては、ネガティブなイメージで誤解を招く可能性もあります。ご紹介したシランをプレゼントするときの最適なシーンとひと工夫を参考にすると、素直な気持ちはより伝わりやすくなるでしょう。
東京寿園ではシラン以外の記事もたくさん掲載しております。植物にお困りの際はぜひご活用ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。