春の暖かい時期に咲くチューリップはさまざまな色があり、童謡にも使われるほど古くから親しまれてきたお花です。チューリップには優しいイメージの花言葉があり、花束やフラワーアレンジメントとして贈り物にも人気があります。
そこで今回は
- チューリップの花言葉について
- チューリップの色別の花言葉
- チューリップの本数別の意味
- チューリップの花言葉の由来
- チューリップの花言葉にあった贈り物のシーン
を詳しく解説。
優しい花言葉を持つチューリップは、色や贈る本数によってまったく異なる意味を表すこともあります。色別の花言葉を知っておくと贈り物をするときも、誤解なく気持ちを伝えられるでしょう。チューリップを贈ったときのさまざまな体験談もご紹介しているため、プレゼントを贈るときの参考にしてみてくださいね。
そもそも花言葉とは?

花言葉はお花だけでなく観葉植物や野菜にも付けられています。植物をお部屋に飾るときやプレゼントをする際に気になる花言葉は、そもそもどういった経緯でつけられているのでしょうか。まずは花言葉について解説します。
花言葉とはその植物の特性に基づいた言葉
花言葉はその植物のシルエットや特性に基づいた言葉で、育ち方や生息する環境などが由来になっています。たとえばヒマワリの花言葉には「私はあなただけを見つめる」「憧れ」があり、太陽に向かって花を咲かせる姿が由来です。他にも梅の花には「上品」や「忍耐」などの花言葉があり2月の寒さの中、美しく開花する姿が由来となっています。またギリシャ神話や歴史にまつわる逸話が由来となっている場合もあり、知れば知るほど奥が深いのも花言葉の魅力です。花言葉を知ることで育ち方や特性を知れるのも、植物の楽しみ方の一つですね。
昔から贈り物の時に、気にされている
花言葉の発祥は17世紀のトルコといわれており、古くから植物に想いを込めて贈る習慣があったとされています。日本にも明治以降に花言葉が伝わり、お花や植物を贈るときの参考にされてきました。そのため現在でも誕生日やプロポーズなどの記念日にも花言葉は重要な役割をしています。お花などの植物に詳しくない方でも花言葉を参考にすると、気持ちを込めた素敵なプレゼントができるでしょう。
チューリップってどんな植物なの?

春の暖かい時期に赤や黄色のカラフルな花を咲かせるチューリップ。眺めているだけでも元気になれるチューリップは、意外にも古くから世界で親しまれてきたお花の一つです。そんなだれもが知っているチューリップについてご紹介します。
中央アナトリアが原産地であるユリ科の植物
チューリップはトルコの中央アナトリアが原産地であるユリ科の植物です。チューリップは球根植物のため種ではなく、球根を植えて育てます。しかし実は種から育てることも可能。ただし開花するまでに数年かかるとされているため、5ヶ月程度で芽生えて花が咲く球根の方が一般的な育て方となっています。またチューリップは12世紀頃から品種改良されてきたといわれており、当初は現在のイメージとは異なる姿で草丈も低いものだったようです。
3〜5月の時期に可愛らしい花を咲かす
チューリップは3~5月の時期に赤やピンク、オレンジなどのカラフルで、可愛らしい花を咲かせます。先ほどもお伝えしたように古くから品種改良されてきたため、世界でも5,000種類以上もの品種があるのも特徴です。チューリップは開花する時期ごとに4つの品種に分類されています。分類は3月頃から開花する「早生」や4月下旬から咲かせる「中生」と4~5月上旬に咲く「晩生」そして、野生のチューリップに近い品種の「原種」の4つ。
また花の咲き方を特徴とした分類もされているのも特徴です。たとえばチューリップと聞いて想像する一般的な花姿の「一重咲き」をはじめ、カーネーションのような見た目の「八重咲き」など15系統もあります。
花の形がターバンに似ていることが名前の由来
チューリップの名前の由来は、花の形がターバンに似ていることから付けれました。原産地トルコではターバンのことを「チュルバン」と言い、通訳がオーストリア大使に伝える際にターバンに似ていると伝えたことで広まったとされています。ちなみに原産地のトルコでチューリップは「ラーレ」と呼ぶそうです。
「牡丹百合」や「うっこんこう」の別名もある
チューリップには別名「牡丹百合」や「うっこんこう(鬱金香)」という和名があります。牡丹百合はユリ科であることから古くから親しまれてきた和名で、うっこんこうはチューリップがスパイスや漢方に使われるウコンのような香りを放つことが由来です。
チューリップの花言葉はなに?怖い意味があるの?

童謡にも出てくるチューリップは、だれもが知っているお花の一つでもあります。親しみのあるチューリップの花言葉にはどんなものがあるのでしょうか。ここからはプレゼントの参考にもなるチューリップの花言葉についてご紹介します。
チューリップの花言葉には、怖い意味はない
花言葉はときに怖い意味を持つものもあります。しかしチューリップには怖い意味の花言葉はなく、気軽にプレゼントできるお花です。ただしチューリップには色別の花言葉があり、黄色いチューリップにはネガティブな言葉があります。そのためチューリップをプレゼント際はできるだけ、複数のカラーを組み合わせた花束などで贈ると安心です。黄色いチューリップの花言葉については、このあと詳しく解説します。
チューリップには優しい花言葉がある
チューリップには「博愛」「思いやり」などの優しい花言葉があります。どちらもオランダの少女に関する逸話が由来です。
【博愛】
チューリップにはどんな人にも愛情をそそぐ意味合いの「博愛」という、花言葉が付けられています。日頃から親しくしている相手や、これから仲良くなりたい人にもプレゼントすると喜ばれるでしょう。
【思いやり】
チューリップには「思いやり」という花言葉も付けられています。優しい性格の相手やこれからも一緒にいたいと思う大切な人への贈り物に、ぴったりな花言葉ですね。
チューリップは色別の花言葉がある

チューリップには色別の花言葉があり、色によって意味もまったく異なります。とくに白や黄色には望みを失うようなネガティブな花言葉があるため、注意が必要です。そのため一色とカラフルな花色でプレゼントする場合では、意味が異なるため贈る相手も変わってくるでしょう。
赤いチューリップ【愛の告白】
赤いチューリップの花言葉は「愛の告白」で、情熱的な愛をイメージさせる色です。赤いチューリップは好きな人への告白やプロポーズにもぴったりで、定番のバラとは違った爽やかなプレゼントができるでしょう。
ピンクのチューリップ【誠実な愛】
ピンクのチューリップの花言葉は「誠実な愛」で、汚れのないストレートな愛を伝えたいときにぴったりです。優しい印象のピンクのチューリップは、見る人の心を癒してくれるでしょう。
白いチューリップ【新しい愛】【失われた愛】【失恋】
白いチューリップの花言葉には「新しい愛」「失われた愛」「失恋」の3つがあります。新しい恋をスタートさせたいときにぴったりな一方で「失われた愛」や「失恋」というネガティブなイメージもある白いチューリップの花言葉。恋人との新しいスタートという意味とも受け取れる一方で、これから失恋するのではないかなど不安をあおる可能性もあります。そのためプレゼントするときには慎重に相手を選び、メッセージを添えるなど贈り方にも工夫が必要です。
黄色いチューリップ【正直】【名声】【報われぬ恋】
黄色いチューリップには「正直」「名声」「報われぬ恋」の3つの花言葉があります。太陽のように明るい色が前向きで、素直でな心をイメージしているようです。自分に正直に一生懸命生きる姿で、自然と名声も上がる様子が想像できますね。一方で「報われぬ恋」という望みを失うネガティブなイメージの花言葉もあります。そのため白いチューリップ同様、プレゼントするときには、メッセージカードを添えるなど相手への配慮をしておきましょう。
オレンジのチューリップ【照れ屋】
オレンジのチューリップの花言葉は「照れ屋」で、恥ずかしがり屋の頬が染まる姿をイメージしているようです。愛の告白や記念日のお祝いの花束のアクセントとして、オレンジを入れるのも素敵ですね。
紫のチューリップ【不滅の愛】【気高さ】
紫のチューリップの花言葉は「不滅の愛」「気高さ」の2つがあります。紫は古くから高貴な人が身に着ける色とされてきました。そのため信頼のある色とされていたため、不滅や気品ある花言葉が付けられた可能性があります。落ち着いた雰囲気のある相手や夫婦での贈り物にも素敵ですね。
緑のチューリップ【美しい目】
緑色のチューリップの花言葉は「美しい目」で、グリーンの優しいカラーが心を癒してくれることから付けられているのでしょうか。芯のある心を持つ美しい目をした相手への贈り物に最適ですね。緑のチューリップはどんなカラーとも合うため、花束やアレンジメントに取り入れるのもおすすめです。
黒色のチューリップ【私を忘れて】
チューリップにはお花では珍しい黒色もあります。黒色のチューリップの花言葉は「私を忘れて」で、なんとも切ない印象です。黒は喪服や死をイメージするカラーとされているため、別れを意味する花言葉がつけられたのかもしれません。シックでカッコいいイメージの黒いチューリップは、贈り物ではなく個人の観賞用として選ぶのをおすすめします。
青色のチューリップ【友情】【初恋】
爽やかな印象の青色のチューリップには「友情」「初恋」という花言葉が付けられています。眺めているだけで清々しい気持ちになる青色のチューリップは、純粋なイメージもある花色です。友人の恋を応援したいときや、好きな人ができたときに飾ってみるのも縁起がよさそうですね。ちなみに青色のチューリップは自然のものではなく、人工的につくられています。
チューリップの花束は本数で意味が変わる

チューリップの花束は本数によっても意味が変わります。チューリップの色と本数の花言葉を合わせて、最高のプレゼントに仕上げてみるのもおすすめです。
1本【あなたが運命の人です】
チューリップを1本贈るときの花言葉は「あなたが運命の人です」。好きな人への告白にもぴったりですね。1本のお花は花束と違って、純粋な気持ちが伝わってきますね。
3本【あなたを愛しています】
チューリップを3本贈るときの花言葉は「あなたを愛しています」。3本のチューリップも愛の告白に最適です。「照れ屋」の花言葉があるオレンジや「不滅の愛」という意味の紫のチューリップを組み合わせてみると、より強い気持ちが伝わるかもしれません。
12本【恋人になってください】
12本のチューリップを贈るときの花言葉は「恋人になってください」です。芽生えた恋を実らせたいときだけでなく、プロポーズにも喜ばれるでしょう。12本の花束のボリュームが物足りないときは、カスミソウなどの他のお花と組み合わせても柔らかい印象になって素敵ですよ。
15本【ごめんなさい】
15本のチューリップは「ごめんなさい」という意味の花言葉になるため、贈り物には不向きです。数に関係なく花束を注文するときは、15本にならないようにあらかじめ伝えておくといいでしょう。
40本【永遠の愛を誓う】
ボリュームたっぷりの40本のチューリップの花言葉は「永遠の愛を誓う」。結婚を意識する相手への告白や、プロポーズにもおすすめな本数です。赤やピンク一色の花束にすると迫力があって、花言葉も伝わりやすくなるでしょう。
99本【永遠の愛】
99本のチューリップは「永遠の愛」という花言葉で、プロポーズや結婚記念日におすすめの本数です。新婚さんであれば結婚1年記念日のお祝いに贈っても、思い出深い1日になりますよ。
108本【私と結婚してください】
108本のチューリップの花束は「私と結婚してください」という花言葉になります。ストレートな意味であるため、プロポーズのためだけの花言葉ともいえますね。
チューリップの花言葉の由来を知ろう

チューリップの花言葉の由来についてご紹介します。花言葉の由来を知っておくと、チューリップの歴史や逸話など違った楽しみ方もできますよ。
オランダで古くから伝わる少女の話に由来
チューリップの花言葉「博愛」「思いやり」は、オランダで古くから伝わる少女の話が由来となっています。オランダの村に住む美しい少女に恋をした3人の騎士が、それぞれ大切な王冠や剣などを差し出しプロポーズしました。しかし少女は誠実な3人の騎士の中から1人だけ選ぶということができず、花の女神フローラに「自分を花に変えてほしい」と願い出ます。そして少女はチューリップに生まれ変わったという話。この逸話からチューリップの花は騎士の王冠、葉っぱは剣を表しているとされています。誠実な3人の気持ちを比べることができなかった少女の思いやりの気持ちが、花言葉になり受け継がれているなんて素敵ですね。
1月21日・3月22日・4月26日などの誕生花
チューリップは1月21日・3月22日・4月26日などの誕生花となっています。チューリップが誕生花の人の誕生日やお祝い事のプレゼントにおすすめです。他にも1月や3月、4月にあるお祝いや記念日のプレゼントとして贈るのも喜ばれるでしょう。
色別にも誕生花がある
チューリップは色別にも誕生花があります。白は1月1日・1月7日・3月22日・4月8日で、赤は1月31日と3月6日です。黄色は3月13日・3月20日・5月17日が誕生花で、まだら模様は3月14日、白い斑入りは4月16日となっています。
チューリップの花言葉にあった贈り物のシーン

チューリップの花言葉にあった贈り物のシーンをご紹介します。チューリップには「博愛」や「思いやり」という優しい花言葉が付いているため、普段からお世話になっている大切な人への贈り物に最適です。
母の日や父の日の贈り物に
チューリップには「思いやり」という花言葉があるため、感謝の気持ちを伝えたい母の日や父の日の贈り物にも人気です。チューリップの開花時期とも重なるため、新鮮なお花も届けられるでしょう。家族であればは色別の花言葉も気にせずに贈れるため、お父さんやお母さんの好きな色のチューリップを選べますよ。
友人の誕生日プレゼントにも
チューリップは友人の誕生日プレゼントにもおすすめです。気遣いのできる友人や1月・3月・4月生まれの相手へのお誕生日の花束にしても喜ばれるでしょう。カラフルなチューリップは1本でも見ごたえがあるため、プレゼントの添え花として贈っても素敵です。
花束だけでなく、鉢と球根でのギフトも
チューリップは育てやすいお花のため、花束以外のプレゼントにもおすすめです。たとえば園芸好きな方やお庭が広い家庭にはおしゃれな鉢と球根をセットにして贈ると、育てる楽しみができて新鮮なギフトになります。親しみのあるチューリップだからこそ、さまざまな贈り方ができるのも魅力ですね。
花言葉の意味を込めたチューリップの贈り物の体験談

花言葉の意味を込めたチューリップの贈り物の体験談をご紹介します。
母の日に花束の1種類として入れて贈った
「思いやり」の花言葉を持つチューリップは、これまで休まず育ててくれたお母さんへの感謝を伝えたいときにぴったりです。母の日の定番の花束でもチューリップを1種類組み合わせるだけで、より感謝の気持ちを込められます。
カラフルな花束は見ているだけで元気が出ますよね。バランスよく組み合わせてくれるお花屋さんにも感謝ですね。
家族とはいえ花言葉を気にしてメッセージカードとハンカチもプレゼントするなんて、お母さんへの思いやりを感じるあったかいエピソードですね。
誕生花がチューリップである友人へのプレゼントに
チューリップは数多くの誕生日の誕生花でもあります。そのため誕生花がチューリップである友人へのプレゼントにも喜ばれるでしょう。
鉢植えとしてプレゼントすると花が終わったあとも、新しく植物を育てられるのが嬉しいですね。
青いチューリップは友情を意味する花言葉があるため、友人への贈り物に最適です。見た目にもインパクトがあるため、話題づくりにもなりますね。
趣味が園芸である親友への贈り物に
チューリップは趣味が園芸の親友への贈り物にも最適です。鉢植えやプランターをおしゃれなものにすれば、個性も出せて印象的なプレゼントになりますよ。
お手入れされたお庭であれば直接花壇などに植えて、チューリップ畑のようにするのも素敵ですね。
プランターも一緒だとチューリップの色に合わせて、おしゃれに飾れるのがいいですね。
【まとめ】チューリップの花言葉とは?色別の花言葉や由来、体験談を徹底紹介
今回はチューリップの花言葉について詳しく解説しました。
今回のポイントは
- チューリップの全体の花言葉は「博愛」「思いやり」
- チューリップは色別に花言葉があり、白と黄色にはネガティブな意味があるためプレゼントするときには注意が必要
- チューリップは本数によっても意味が異なり、15本は「ごめんなさい」の花言葉になるためプレゼントには不向きである
- チューリップの花言葉は3人の騎士に求愛された少女の逸話が由来となっている
- チューリップは母の日や父の日の感謝を伝えたいときや、1月・3月・4月が誕生日の友人への贈り物に最適
でした。
チューリップをプレゼントするときには色や本数に注意して贈る必要があります。今回ご紹介したポイントを抑えておけば、誤解なく素敵な贈り物ができるでしょう。大切な人とこれからも支え合っていけるよう、プレゼントにも思いやりを込めたいものですね。
東京寿園ではチューリップ以外の植物の記事もたくさん掲載しております。植物にお困りの際はぜひご活用ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の執筆者長岡 孝樹
NFDフラワーデザイナー
社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)デザイナー。「お花や観葉植物で日常を彩る」を実現するためにWebメディアTOKYO KOTOBUKIENを運営中。メディア運営だけでなく、Amazonや楽天にも自社商品を出店。フラワーデザイナーの知識を活かし自社商品の提案など幅広く行う。