赤やオレンジなど、カラフルな花を咲かせるアネモネ。花束やアレンジメントなど、プレゼント用として人気がある植物の1つです。植物を贈る際に気になるのが花言葉ですよね。「アネモネってどんな花言葉があるの?」「プレゼントにして大丈夫?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、
- 花言葉について
- アネモネの特徴
- アネモネの花言葉と由来
- アネモネの花言葉に合った贈り物シーン
などについて詳しく解説します。記事後半では、実際にアネモネを贈った方の体験談も紹介しているため、これからアネモネを贈ろうと考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
そもそも花言葉とは?

花言葉とは、植物につけられた象徴的な意味合いを持つ言葉です。草花だけでなく、観葉植物などにも花言葉はつけられています。花言葉の起源ははっきりしていませんが、17世紀ごろのトルコの風習「セラム」を花言葉の始まりとする説が最も有力です。セラムとは、「花に思いを託して恋人に贈る」風習のことを指します。日本へは明治時代の初期に伝わりました。
花言葉とはその植物の特性からつけられた言葉
花言葉は植物それぞれの特性からつけられます。たとえば、アジサイの花言葉「浮気」は、花色が移り変わるアジサイの性質からつけられました。他にも、花言葉の由来には、その植物に関する神話・伝説・風習などもあるため、花言葉は由来とセットで覚えると楽しいですよ。
贈り物の際に参考にする人が多い
多くの方は、植物をプレゼントする際に花言葉を参考にしています。たとえば、大切な方へ「ありがとう」の気持ちを伝えたいときには、「感謝」「幸福」の花言葉を持つカスミソウがぴったりです。このように、贈り物シーンや自分が伝えたい気持ちに合った花言葉の植物を選ぶと、より思いのこもった贈り物になりますよ。
アネモネってどんな植物なの?

色とりどりの美しい花を咲かせるアネモネ。ここでは、アネモネの特徴をより詳しく見ていきましょう。
地中海沿岸が原産地であるキンポウゲ科の植物
アネモネは地中海沿岸を原産地とするキンポウゲ科イチリンソウ属の球根植物です。繰り返し花を咲かせる多年草に分類されます。100を超えるほど種類豊富なのがアネモネの特徴の1つです。 学名は「Anemone coronaria」で、アネモネという名前はギリシャ語で「風」を意味する「anemos」が由来といわれています。
2〜5月の時期に色の豊富な花を咲かす
アネモネは2月~5月の時期に4~8cmほどの花を咲かせます。春の穏やかな風が吹く時期に開花することから、「Wind flower(風の花)」との別名も。花色は赤色・オレンジ色・黄色・ピンク色・青色・紫色・黒色・白色など、品種によってさまざまです。パキッとした色合いと雄しべの円模様が特徴的ですよね。
一重咲きや八重咲きなどさまざまな花形がある
前述の通り、アネモネは種類が豊富です。そのため、品種によって一重咲き・半八重咲き・八重咲きなど花びらのつき方が異なります。どれも魅力的なため、アネモネを購入しようと考えている方は、花形を比べて好みのものを選ぶと良いでしょう。
「ボタンイチゲ」や「ハナイチゲ」の別名が
アネモネは「ボタンイチゲ(牡丹一華)」「ハナイチゲ(花一華)」の和名も持ちます。2つの名前に共通する「イチゲ(一華)」は、1つの茎に1輪の花が咲くアネモネの性質を表しています。また、「ボタンイチゲ」は、アネモネがボタンのような花を咲かせることからつけられました。
アネモネの花言葉とは?怖い意味がある?

ハツラツとした印象の花を咲かせるアネモネには、どんな花言葉がつけられているのでしょうか。ここでは、アネモネ全般の花言葉を紹介します。
人によっては怖い意味だと捉える人もいる
花言葉は、必ずしも良い意味のものばかりではなく、植物によってはややネガティブな意味合いの花言葉がつけられています。実は、アネモネの花言葉も怖い意味と捉えられることがあるんです。アネモネをプレゼントにする際には、ネガティブな意味に捉えられないよう注意しましょう。
アネモネ全体の花言葉は悲しい言葉が多い
アネモネには、「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」「見捨てられた」といった、悲しい印象を受ける花言葉がつけられています。
【はかない恋】
アネモネの花言葉の1つ目は「はかない恋」です。切ない気持ちになる花言葉ですよね。「はかない恋」はギリシャ神話が由来の花言葉です。
【恋の苦しみ】
アネモネの2つ目の花言葉は「恋の苦しみ」です。「はかない恋」同様、恋の切なさや苦しさが伝わりますね。
【見放された】
アネモネの花言葉3つ目は「見放された」です。悲しい印象とともに、恨みのような怖い印象も受けます。風に揺れる可愛らしい花姿からは想像できませんよね。
【見捨てられた】
アネモネの花言葉の4つ目は「見捨てられた」です。「見放された」と似た花言葉ですね。悲しみ・切なさ・つらさなどマイナスな気持ちが伝わってきます。
アネモネの英語の花言葉
アネモネには、「anticipation(期待)」「forsaken(見捨てられる)」といった英語の花言葉もあります。
【anticipation(期待)】
英語の花言葉の1つ目は「anticipation(期待)」です。前項で紹介した花言葉とは異なり、前向きな印象を受けます。アネモネがあるだけで、「良いことが起きるかも」といったポジティブな気持ちになれそうですよね。プレゼントにもぴったりでしょう。
【forsaken(見捨てられる)】
英語の花言葉2つ目は「forsaken(見捨てられる)」です。アネモネ全般につけられた花言葉と同じく、ネガティブなイメージがあります。この花言葉も、悲しいギリシャ神話が由来になっているのでしょう。
アネモネは色別にも花言葉がある

カラフルな色合いが特徴のアネモネには、色別の花言葉もつけられています。色別の花言葉は、ポジティブなイメージのものばかりです。贈り物の際には、色ごとにつけられた花言葉を参考にすると良いですよ。
赤いアネモネ【君を愛す】
赤いアネモネには「君を愛す」です。情熱や愛を象徴する赤色から連想してつけられました。告白やプロポーズの際に赤いバラではなく、あえて赤いアネモネを選ぶのもおすすめです。
白いアネモネ【期待】【真実】【希望】
白いアネモネには「期待」「真実」「希望」の花言葉があります。色合いから潔白のイメージにつながり、前向きな印象の花言葉がつけられました。白いアネモネは結婚式でもよく使われています。
青いアネモネ【固い誓い】
青いアネモネの花言葉は「固い誓い」です。由来は明らかではありませんが、青色の忠実や信頼などのイメージからつけられたのかもしれませんね。
ピンクのアネモネ【待ち望む】
ピンクのアネモネの花言葉は「待ち望む」です。ピンクの色合いも相まって、恋焦がれる気持ちや何かに期待を寄せる様子が伝わりますよね。
紫や黒色のアネモネ【あなたを信じて待つ】
紫や黒のアネモネには「あなたを信じて待つ」の花言葉がつけられています。アネモネ全体の「はかない恋」や「恋の苦しみ」とは異なり、相手に対する前向きな思いが伝わりますよね。
アネモネの本数ごとにも花言葉の意味がある

アネモネは、植物の中でも珍しい花の本数によって花言葉が変わる植物なのです。本数によって意味が変わる植物といえばバラがありますが、アネモネは本数ごとにどんな花言葉がつけられているのでしょうか。ここでは、1~10本・11~20本・21~50本・51~99本・100本以上それぞれの花言葉を見ていきましょう。
1〜10本【明るい未来へ】
1~10本のアネモネは「明るい未来へ」を意味します。アネモネ全体としては、暗い印象の花言葉が多かったですが、こうして本数を増やすと素敵な意味合いの花言葉に。卒業や送別会など、新たなステージに向かう方へのプレゼントに良いですね。
11〜20本【ずっと変わらない想い】
11~20本の花言葉は「ずっと変わらない想い」です。一途な思いが伝わる言葉ですね。恋人・夫婦の記念日での贈り物におすすめです。直接は言いづらい気持ちも、11~20本のアネモネを贈ることで伝えられますね。
21〜50本【永遠に共に】
21~50本のアネモネは「永久に共に」の花言葉を持ちます。まさに、プロポーズにぴったりの花言葉ですね。「君を愛す」の赤いアネモネ、「固い誓い」の青いアネモネ、「真実」白いアネモネを選ぶと、より思いが届くでしょう。
51〜99本【希望】【忘れられない思い出】
51~99本は「希望」「忘れられない思い出」を意味します。目標に向かって頑張る方には「希望」の花言葉を贈るのが良いでしょう。また、毎年お祝いする大切な記念日などには「忘れられない思い出」の花言葉が最適です。
100本以上【忘れられない記憶】
100本以上の花言葉は「忘れられない記憶」です。小さなアネモネも100本集まると、華やかさや迫力が増します。まさに忘れられない贈り物になりますね。「今日は絶対喜んでもらいたい!」「特別な日にしたい!」というときには、100本以上のアネモネを贈ってみてはいかがでしょうか。
アネモネの花言葉の由来を知ろう

アネモネの花言葉からは少し怖い印象を受けますよね。ここでは、なぜアネモネにネガティブな印象の花言葉がついたのか解説します。
愛と美の女神アフロディーテが登場するギリシャ神話に由来
アネモネの花言葉の由来の1つは、愛と美の女神アフロディーテが登場するギリシャ神話です。キューピッドの矢が誤って刺さってしまったことから、女神アフロディーテは美少年アドニスに恋をしてしまいます。しかし、彼女の恋人であるアレスが嫉妬と怒りで、自らをイノシシの姿に変え、狩り中のアドニスを殺してしまうのです。アドニスの死を悼んだアフロディーテの涙やアドニスが流した血からアネモネが咲いたといわれています。「はかない恋」や「恋の苦しみ」はアフロディーテの切ない恋の物語からつけられたのですね。
西風の神ゼピュロスが登場するギリシャ神話にも由来
西風の神ゼピュロスが登場するギリシャ神話も、アネモネの花言葉の由来だといわれています。女神フローラを妻に持つ西風の神ゼピュロスは、フローラに仕える精霊アネモネを愛していました。フローラは嫉妬心から2人を遠ざけるためにアネモネを追放。追放の処罰を受けたアネモネは精霊の力がなくなり、弱り果ててしまいます。アネモネを哀れんだゼピュロスは、アネモネをそっと可愛らしい花の姿に変えました。ゼピュロスとアネモネの叶わなかった恋に由来して、「はかない恋」「見捨てられた」の花言葉がつけられたといわれています。
1月22日・3月12日・3月13日の誕生花
アネモネは1月22日・3月12日・3月13日の誕生花です。ちなみに、アネモネの他に、1月22日はアンスリウム・オウバイ・グズマニアなど、3月12日はシダレヤナギ・エニシダ・ツクシなど、3月13日はタンポポ・イカリソウ・アルストロメリアなどが誕生花になっています。
アネモネは色別にも誕生花がある
色とりどりの花を咲かせるアネモネは、色別にも誕生花になっています。
- 白いアネモネ…4月2日
- 赤いアネモネ…3月1日・4月4日
- 青いアネモネ…2月15日・4月2日
- 紫のアネモネ…4月2日
誕生日プレゼントにする際には、ぜひ色別の誕生花もチェックしてみてくださいね。
アネモネの花言葉にあった贈り物のシーン

少しネガティブ花言葉が多いアネモネですが、色別の花言葉は前向きなものばかりです。そんなアネモネの花言葉に合った贈り物シーンを紹介します。
ピンクのアネモネは出産祝いにぴったり
「待ち望む」の花言葉を持つピンク色のアネモネは、出産祝いにぴったりです。「待っていたよ」「楽しみにしていたよ」といった気持ちが届けられますよ。ただし、生後間もない赤ちゃんは、植物によるアレルギーに気をつけなければなりません。様子を見ながら、適切なタイミングで贈りましょう。
白色のアネモネは結婚式での人気が高い
白色のアネモネは結婚式でよく選ばれる植物の1つです。アネモネの純白の色味はもちろん、「真実」や「期待」の花言葉も、結婚式にふさわしいですよね。多くの方が花束・アクセサリー・ヘッドドレスなどにアネモネを取り入れています。これから結婚式を迎える方へ贈るのも良いでしょう。
誕生花がアネモネである人へも贈り物にも
誕生花がアネモネの方への贈り物にするのもおすすめです。自分の誕生花を知っている方は少ないため、「誕生花なんだよ」と伝えてアネモネを贈れば、喜びも大きいでしょう。誕生日プレゼントに悩んでいる方は、誕生花を贈ることを検討してみてください。
誤解されないように手紙を添えると良い
アネモネをプレゼントする際には、手紙を添えることをおすすめします。なぜなら、アネモネの花言葉はやや暗い印象のものが多いためです。何の説明もなしにアネモネを贈ると、誤解されてしまうかもしれません。そのため、「この花言葉を伝えたかったんだ」と一言添えて、アネモネをプレゼントしましょう。
花言葉の意味を込めたアネモネの贈り物の体験談

前項の内容を踏まえて、ここからは実際にアネモネを贈った方の体験談をシーン別に紹介します。アネモネを贈る際の参考にしてみてください。
幼馴染の出産祝いにアネモネを使ったアレンジメントを
幼馴染の出産祝いにアネモネを使ったアレンジメントを贈った方の体験談を2つ紹介します。
アネモネ単体でも十分可愛らしいですが、アレンジメントならより華やかになりますよね。また、お花だけでなくバルーンがついているアレンジメントなどもあるため、出産祝いにぴったりですよ。
出産という人生の節目でもらったお花のプレゼントは、きっと何年も心に残る特別なものになります。受け取った方は、アネモネを見るたびに出産時のことを思い出すのではないでしょうか。
友人の誕生日プレゼントに贈った
友人の誕生日にアネモネを贈った方のエピソードを2つ紹介します。
近年では、アネモネをモチーフにした小物やアクセサリーがたくさん出回っており、アネモネの人気度はますます高まっています。アネモネのブーケやアレンジメントは、アネモネ好きな友人にもってこいのプレゼントですね。
植物好きの方へのお花のプレゼントは、喜んでもらえること間違いありません。さらに、誕生花となれば、特別感が増しますよ。
アネモネの花言葉とは?花言葉の由来から贈られるシーン、体験談を紹介のまとめ
アネモネの花言葉について解説してきました。本記事の内容を、改めて以下にまとめています。
- 花言葉は植物の特性からつけられることが多い
- 学名「Anemone coronaria」のアネモネは地中海沿岸を原産地とするキンポウゲ科イチリンソウ属の球根植物
- アネモネの開花時期は2月~5月で、品種によって一重咲き・半八重咲き・八重咲きなど花びらのつき方が異なる
- アネモネには「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」「見捨てられた」といったネガティブな印象の花言葉がつけられている
- アネモネは英語の花言葉や色別・本数別の花言葉もある
- アネモネの悲しい印象の花言葉は2つのギリシャ神話が由来になっている
- アネモネは出産祝いや結婚式にぴったりの植物
アネモネ全般にはやや暗いイメージの花言葉がつけられていますが、色別・本数別の花言葉は前向きなものが多く、プレゼントにももってこいです。ぜひ花言葉に思いを託して、大切な方にアネモネを贈ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

この記事の執筆者長岡 孝樹
NFDフラワーデザイナー
社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)デザイナー。「お花や観葉植物で日常を彩る」を実現するためにWebメディアTOKYO KOTOBUKIENを運営中。メディア運営だけでなく、Amazonや楽天にも自社商品を出店。フラワーデザイナーの知識を活かし自社商品の提案など幅広く行う。