アサガオは、夏の季節を代表する花のひとつとして昔から日本人に親しまれている花です。小学校低学年の頃に育てることが多いので、知らない人はあまりいない花なのではないでしょうか。最近では、夏の陽ざしを遮るためのグリーンカーテンとしても人気があります。日本人にとって身近な花ですが、アサガオの花言葉を知らないという人は意外と多いですよね。
この記事では、
- アサガオとはどんな植物なのか
- アサガオにはどんな種類の花言葉があるのか
- アサガオの色別にある花言葉
- アサガオの花言葉の由来
- アサガオの花言葉にあった贈り物のシーン
について解説いたします。
この記事を最後まで読み進めていただくと、アサガオの花言葉や特徴を詳しく知ることができ、贈り物にふさわしいアサガオの選び方を身につけられるので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも花言葉とは?

アサガオの花言葉をご紹介する前に、花言葉とはどのようなものなのかを簡単に解説いたします。花言葉を知っておくと、お花屋さんで花を選ぶときの楽しみがきっと増えますよ。
花言葉とは植物のイメージから付けられることが多い
花言葉は、その植物の形や色、花が咲く様子や季節などの特徴からイメージされた言葉がつけられることが多いものです。また、歴史や神話に基づいた花言葉もあるので、同じ植物でも海外では違う意味を持つものもあります。
花言葉は贈り物の参考にされる
花言葉は、贈り物を選ぶときの参考にもなります。贈り物を渡すシーンや、伝えたい気持ちに合った花言葉を選ぶこと以外に、ふさわしくない花言葉を避けるという意味でも重要です。
アサガオ(朝顔)ってどんな植物なの?

身近な存在のアサガオですが、昔の日本では美しい花という意味の「容花」と呼ばれ大変人気がありました。朝に咲く花はすべて「朝顔」と呼ばれていたので、ひとつの花としてアサガオという名前がついたのは日本に伝わってしばらく経ってからだといわれています。
東南アジアが原産地であるヒルガオ科の植物
アサガオ(朝顔)は、ヒルガオ科・サツマイモ属の植物ですが、サツマイモのような実はつけません。原産地はネパールを含めた東南アジアといわれていますが、中国南部ともいう説もあります。ツル性の植物なので、支柱やネットにツルを伸ばして花を咲かせるのが特徴です。同じヒルガオ科の昼顔もツル性の植物ですが、地面を這うように咲かせます。
日本には奈良時代に大陸から伝わってきた
古くから日本で愛されているアサガオは、奈良時代に大陸を渡り中国から伝わってきました。もともとは観賞用ではなく薬としてやってきたのが始まりで、観賞用として親しまれるようになったのは江戸時代といわれています。
7〜9月の夏の時期に青や紫、ピンク、白の花を咲かす
アサガオの花は、7~9月の夏の時期に花を咲かせます。花の色は一色ではなく、青や紫、ピンク、白がありますが、品種によっては赤い色のアサガオもあり、カラーバリエーションが豊富です。
「ケンゴシ(牽牛子)」の別名もある
アサガオには、「牽牛子」という別名があります。昔の中国では、アサガオの種子は下剤や利尿剤として重宝され、その価格はとても高く牛と取引されるほどでした。アサガオが咲く季節には七夕があり、彦星の別名も【牽牛】です。
アサガオにはどんな種類の花言葉があるの?

アサガオの花言葉には、名前の通り早朝に開花する姿や支柱に絡み付いて大きくなる様子からイメージされた花言葉や、色別の花言葉があります。どんな種類の花言葉があるのか、アサガオ全体の花言葉と、海外での花言葉をご覧ください。
アサガオには恋愛に関する花言葉がある
アサガオの花言葉は、見た目の特徴からイメージされたものだけではありません。七夕の時期に開花するため、早朝だけ開花する様子が織姫と彦星のはかない恋をイメージさせ、恋愛に関する多くの花言葉がつけられました。まずは、アサガオ全体の花言葉の一覧をご紹介いたします。
【愛情の絆】
一日の中で早朝しか開花しないアサガオは、一年に一度しか会うことができない織姫と彦星のはかない恋をイメージさせます。短い時間でも美しく咲く姿からついた、2人の愛情の絆を表したような花言葉です。
【結束】
アサガオのツルは支柱に結束させるとどんどんと絡まり、高いところまで伸びていきます。しっかりと結束し絡み合い大きくなっていく様子は、離れ離れで暮らす夫婦の固い絆を感じさせます。
【あなたに絡みつく】
アサガオはツルを長く伸ばして支柱に絡み付く植物です。絡み付けるものがないとツルを伸ばせないため、生長できずに枯れてしまうという特徴が由来となっています。少しネガティブに聞こえてしまう言葉ですが、神話などが由来になっている花言葉ではありません。
【明日もさわやかに】
アサガオは早朝に咲いて昼にはしぼんでしまいますが、翌朝も美しい花を咲かせます。ひと時の別れは悲しいけれど、明日もさわやかに過ごしてまた会える日を楽しみにしようという織姫と彦星の気持ちのようです。
海外での花言葉一覧
アサガオの花言葉はギリシャ神話が由来となっているという説もあるため、日本だけでなく海外でも親しまれてきました。中国語や韓国語の花言葉もありますが、ここでは日本語と同じ意味をもつ英語の花言葉を一覧でご紹介いたします。
【love in vain (はかない恋)】
ギリシャ神話にも、七夕の伝説と同様にはかない恋のお話があります。恋人と一緒にいることを許されなかった娘が青いアサガオに姿を変えられたという話は、花言葉の由来となりました。
【affection (愛情)】
何度引き裂かれても離れようとしなかった恋人たちの固い絆からは、強い愛情を感じられます。神話の内容は違いますが、日本語のように愛情の絆をイメージさせる花言葉です。
アサガオは色別にも花言葉がある

朝の容花と呼ばれ愛されてきたアサガオは、同じ種類でも色によって違う印象を与えるため、色別の花言葉をもっています。ここからは、白・青・紫・ピンク・赤と、それぞれの花言葉をご覧ください。
白いアサガオ
白いアサガオには、喜びや幸せを連想させる花言葉があります。ポジティブな意味の花言葉は、アサガオが咲く姿から生まれました。真っ白な花にアサガオは、お祝い事の贈り物にもおすすめですよ。
【溢れる喜び】
白いアサガオの花からは、純粋さや清楚さなどの印象を受けます。結婚などの明るいイメージもあるので、溢れる喜びという花言葉は白いアサガオにピッタリです。
【固い絆】
アサガオのツルは、しっかりと固く巻き付いて生長します。力強く巻き付くツルは、結婚や恋愛での固い絆を連想させます。仲の良いお友達への贈り物にも良いですね。
青いアサガオ
青いアサガオは、夏の暑さを和らげる涼し気な色ですね。そんな青いアサガオには、早朝に咲いて昼にはしぼんでしまうはかない姿からついた花言葉があります。
【はかない恋】
アサガオの花を見れるのは早朝だけという特徴が、七夕の伝説やギリシャ神話のはかない恋の様子とよく似ています。どちらも短い間にしか見られない、美しくもはかないものです。
【短い愛】
アサガオは早朝の短い時間だけ美しい花を咲かせます。限られた時間の中で精一杯に美しい花を咲かせるその姿からは、はかなくも美しい、短い愛を連想させますね。
紫色のアサガオ
青いアサガオと並んで馴染みのある色といえば、紫色のアサガオです。しかし残念ながら、紫色のアサガオには花言葉についての詳しい由来がありません。
【冷静】
紫色は乱れた心を落ち着けてくれる神秘的な色です。アサガオの紫は涼し気で落ち着いた色なので、冷静さを与え心を静めてくれます。
【平常】
紫色は、落ち着いた深い色をしています。その色の特徴から、心を穏やかにして平常心や冷静さを保つという意味が込められているようです。
ピンクのアサガオ【安らぎ身満ち足りた気分】
ピンクのアサガオには柔らかく淡い色が多く、心が穏やかになり人々を安らぎに満ちた気持ちにするということが由来となっています。淡いピンク色は、優しい気持ちにもなりますね。
赤いアサガオ【はかない情熱的な愛】
赤いアサガオも早朝にだけ花を咲かせますが、鮮やかな赤い花は短い時間の中で夏の眩しい太陽の光を浴びて咲き誇ります。一時でも情熱的に咲く姿が、はかない情熱的な愛という花言葉の由来となりました。
怖い意味はある?アサガオの花言葉の由来を知ろう

アサガオには、【あなたに絡み付く】という少し怖い花言葉があります。言葉だけを聞くと誰かに依存するような印象を受けますが、怖い意味も含まれているのでしょうか?
アサガオの花言葉には怖い意味はない
アサガオには、怖い意味を持つ花言葉がありません。【あなたに絡み付く】という花言葉は人間の依存や怨念を表すものではなく、アサガオの特徴に由来しています。何かに頼り依存しないと生長できずに枯れてしまう様子を、人間が依存する姿に重ねた花言葉です。
ツルが棒に絡み付いて生長する姿に由来
アサガオは支柱などの棒に絡み付かないと生長できない植物です。しかし、ネガティブな意味はなく、固い絆や愛情の絆・結束力を意味する花言葉はツルが絡み付く姿が由来となっています。
早朝に花が咲く様子に由来
【明日もさわやかに】などの花言葉は、アサガオの名前の通り早朝に花が咲く様子に由来しています。明日の朝もアサガオの花を見たいと楽しみにしていた人々の気持ちがイメージできますね。
7月6日・8月1日・8月6日・8月9日などの誕生花
アサガオは7月6日・8月1日・8月6日・8月9日など、夏の季節の誕生花です。単色の花以外にも花弁に筋状の模様が入った品種もあるので、プレゼントで贈る際はその人のイメージに合ったものを選ぶと良いですね。
アサガオの花言葉にあった贈り物のシーン

ここからは、アサガオの花言葉にあった贈り物のシーンをご紹介いたします。アサガオをプレゼントしようと考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
仲の良い友人との記念日に
仲の良い友人との記念日や、友人の結婚祝いには白いアサガオがおすすめです。白いアサガオの花言葉は【溢れる喜び】【固い絆】なので、大切な友人との記念日やお祝いを喜ぶ気持ちや固い絆で結ばれた友情の証としてピッタリですね。
子供への愛情を伝える贈り物に
アサガオは小さな子供でも簡単に育てることができるので、子供と一緒に育てて生長を楽しむのもおすすめです。咲き終わった後の花で色水や押し花を作ったりできるので、きっと喜んでくれますよ。
誕生日プレゼントに
アサガオは育てやすく涼しげなだけでなく、強い日差しを遮り熱さを軽減させるグリーンカーテンにもなります。夏に誕生日を迎える人へのプレゼントにおすすめです。
ツルが絡まり迷惑になる場合があるので注意!
アサガオは昼顔のように地面を這って伸びる植物ではありませんが、棒状のものがあるとグングンとツルを伸ばして絡み付きます。マンションやアパートなどの集合住宅ではベランダの柵に絡みついて隣の家に迷惑をかけてしまう恐れがあるので、プレゼントする際は注意しましょう。
花言葉の意味を込めたアサガオの贈り物の体験談

最後に、恋人との記念日に花言葉の意味を込めてアサガオを贈った人の体験談と、孫の誕生日に花言葉の意味を込めてアサガオを贈った人の体験談をご紹介いたします。贈る相手の顔を思い浮かべながらご覧ください。
恋人との記念日に小ぶりのアサガオを贈った
まずはじめに、恋人との記念日にアサガオを贈った人の体験談をご紹介いたします。
馴染みのあるアサガオですが、花言葉に恋愛や愛情をイメージさせる花言葉があることはあまり知られていませんよね。身近な花だからこそ、素敵な花言葉があると知り喜んでもらえるのかもしれません。
白いアサガオは結婚をイメージさせる花言葉も持ち合わせているので、結婚を意識した恋人へのプレゼントにもおすすめです。花の時期が終わったら種を取り、来年も再来年も同じ花を咲かせることができるなんて素敵ですね。
孫への誕生日プレゼントに
次に、孫への誕生日プレゼントにアサガオを贈った人の体験談をご紹介いたします。
お孫さんの誕生を喜ぶ様子は、溢れる喜びという花言葉がピッタリですね。お孫さんの成長とともに、アサガオも新しい表情を見せてくれることでしょう。
アサガオの淡いピンク色は柔らかい色合いで、純粋な子供のようですね。可愛らしい色のアサガオはお孫さんもきっと気に入ってくれますよ。
【まとめ】アサガオの花言葉とは?色別の花言葉や由来、体験談を徹底紹介!
ここまでアサガオの花言葉について解説してきましたが、いかがでしょうか?
この記事のポイントは
- アサガオはツル性の植物で、種子は昔の中国で薬として重宝されていた
- アサガオの花言葉には【愛情の絆】など恋愛に関するものがあり、海外にも花言葉がある
- アサガオには色別の花言葉がある
- アサガオの花言葉に怖い意味はない
です。
夏を代表するアサガオには、たくさんの素敵な花言葉がありましたね。日本人に馴染みのある花なので、海外ではあまり知られていないと思っていた人も多いのではないでしょうか。暑い夏にはお好きな色のアサガオを育てて、花言葉に思いを馳せてみるのも良いですね。育てやすく風情のあるアサガオは贈り物にも喜ばれますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには、他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

この記事の執筆者長岡 孝樹
NFDフラワーデザイナー
社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)デザイナー。「お花や観葉植物で日常を彩る」を実現するためにWebメディアTOKYO KOTOBUKIENを運営中。メディア運営だけでなく、Amazonや楽天にも自社商品を出店。フラワーデザイナーの知識を活かし自社商品の提案など幅広く行う。