ノリウツギの育て方を解説!成長したらやることやトラブルの対処法まで

ノリウツギの育て方を解説!成長したらやることやトラブルの対処法まで
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目次

梅雨に差し掛かるとアジサイをまず思い浮かべますが、ノリウツギもまた梅雨の時期に咲く花木です。ガーデンや庭、庭園にも馴染むため非常に人気があるんですよ。ライムライトやミナヅキ、ライムグリーンなどと園芸品種も豊富です。 そこでこの記事では
  • ノリウツギの植生
  • 花言葉と風水
  • 基本の育て方である水やりや置き場所について
  • 好む土と肥料について
  • 植え替えと剪定について
  • 病害虫の対処法
  • おすすめの品種10選
についてまとめました。 よくあるトラベルや対処法についてもまとめましたので、最後まで読んでノリウツギについて理解を深め、心地よい暮らしを楽しみましょう。

ノリウツギってどんな観葉植物なの?

まずノリウツギの基本情報についてご紹介します。白く小さな花を咲かせるノリウツギは、アジサイ科の低木で別名ピラミッドアジサイと呼ばれています。これは丸いぼんぼりのように咲くアジサイと比べて、円錐形のピラミッドのように咲くからなんですよ。品種も数多く、日本でよく流通する品種にスポットを当てて説明していきます。

ノリウツギの特徴

アジサイ科の落葉低木であるノリウツギは、枝先に円錐状の形に小さな花を密集して咲かせます。東アジア原産ですから、私達は知らず知らずのうちによく見かけているなんてことも。開花時期はアジサイが咲き終わる6月下旬~7月中旬頃。私たちが見かけるノリウツギは「ミナヅキ」や「ライムライト」などの華やかなものでしょう。

東アジアなどが原産のアジサイ科アジサイ属の落葉低木

東アジア原産ですから、ノリウツギの原種を全国の山地で見ることができますよ。アジサイ科アジサイ属の落葉低木ですが、樹高2~3mまで成長することもありますので定期的に剪定するといいでしょう。耐寒性、耐暑性どちらも強く育てやすいので、庭木としても適しています。

ピラミッドのような形が特徴的

ノリウツギの特徴として、ピラミッドのような形で小花が鈴なりに咲くことです。コンパクトな枝から飛び出すように白い小花が咲く様子は、初夏の暑い時期に涼をもたらしてくれます。けれど、私達が花と思っている部分は実は装飾花のガク片。原種のノリウツギがガクアジサイのように素朴な雰囲気で咲くのに対し、園芸品種のノリウツギは華やかな雰囲気で咲きますよ。

ノリウツギの花言葉

植生を再確認したところで、次に気になるのは花言葉ではないでしょうか。ノリウツギの花言葉は【高慢】、【臨機応変】、【しとやかな恋人】の3つです。それぞれ印象の違う花言葉ですが、どんな意味が込められているのでしょう。ひとつひとつ確認していきますので、参考にしてくださいね。

高慢

1つ目の花言葉である【高慢】は、花の咲く姿から連想されました。先ほどお話したように、アジサイをはじめノリウツギの花に見えるガク片は装飾花であり、実際の花は中央に密集した花芯のようなものがそうです。花に見えるのに花ではない、だまし絵見たいな姿が高慢、ちょっとお高くとまっているように見えたのかもしれませんね。

臨機応変

2つ目の花言葉【臨機応変】は、「ライムライト」などの花の色が変わるところからつけられました。ライムライトは開花すぐの色は黄緑色、だんだんとクリーム色、ピンクや赤色へと変化していくのが特徴です。その様子が臨機応変に対応するようだと連想されました。見ていて驚きがあるノリウツギの素敵な変化です。

しとやかな恋人

3つ目の花言葉【しとやかな恋人】は細身の樹形からつけられました。ノリウツギの幹や枝は他の低木に比べて細く、どこか頼りなく伸びていきます。触ったら折れてしまいそうな幹や枝ぶりが静かな女性らしさを連想させるところから、しとやかな恋人と名付けられたのかもしれません。

ノリウツギの風水

花言葉について理解を深めましたが、次は風水の面ではノリウツギはどんな効果があるのでしょうか。一般に上へ伸びる植物は陽の気、横へ広がる植物は陰の気をもつとされていますよ。庭木や枝物として楽しむ前に、風水についても確認していきましょう。

アジサイの仲間であるためあまり風水的にはよくない

アジサイの仲間であるノリウツギも、風水的に同じ効果があるとされて敬遠されてきました。問題はアジサイ科は生育に水分を多く必要とするため、水の気を吸い尽くす、水の気を持つ人間関係、主に恋愛運を吸い取ると信じられてきました。半面、アジサイは密集して寄り添うように咲くことから人やお金が集まると言われており、玄関先や庭に植えると商売繁盛、金運アップの効果があるとされていますよ。 あまり気にならず、純粋にインテリアとして楽しみたい方は、大きく香りのいい植物ですので、庭植えや鉢植えで、玄関先や廊下の観葉植物として飾られることをおすすめします。

結婚運や女性の水気を吸い取るといわれることも

ノリウツギは結婚運や女性の水気を吸い取ると言われてきました。水のように流動的な恋愛運。特に未婚女性がいる家庭で、気になる方は避けるようにしましょう。しかし既婚者にとっては悪い気や悩み事を吸い取るとされていますから、鉢植えにして楽しむのもおすすめです。植える前によく確認してみてくださいね。

ノリウツギの育て方のポイント:置き場所

ノリウツギの基本について理解を深めてきました。さあ、次は育て方を確認しましょう。落葉低木ということもあり、マンションやアパートでは育てられないと思われがちですがそんなことはありません。適切な育て方のポイントを押さえておけば、ベランダでも室内でも元気なノリウツギを楽しむことができますよ。

1日中日が当たる場所や午前に日が当たる半日陰がよい

まずは日当たりと置き場所についてお話します。ノリウツギは基本的に地植え向きの植物です。しかし全く鉢植えに向かないという訳でもありませんから、栽培環境に合った育て方を模索してくださいね。 1日中日当たりの良い場所や午前に日が当たる半日陰が理想の植え付け場所です。風通しと水はけの良い土壌へ植えてください。

夏場は直射日光や西日が当たらないようにする

どうしても日が当たり過ぎてしまうのが、夏場の直射日光や西日の当たる場所です。もし午後の西日が当たり続けてしまう場合は、マルチングなどで覆って暑さ対策をしましょう。特に夏場の直射日光で、葉焼けや乾燥により株が弱ってしまった例もあります。他の植物の陰になる場所や西日の当たらない場所へ置くなど、ちょうどいい置き場所を探しましょう。

ノリウツギの育て方のポイント:水やり

水やりは育て方の中でも大切なポイントです。水を与えすぎても根腐れや病気、水を与えなさ過ぎても乾燥などの心配があります。しかし、根付いてしまえばそんな心配も減るでしょう。アジサイ科の植物は水分をたくさん欲しがる植物ですから、季節ごとに株の状況を見ながら適切な水やりをしましょう。

地植えの場合

先ほどお伝えしたように、2年目以上の地植えした、つまり根付いたノリウツギの水やりは基本必要ありません。しかし、雨が少なく土の表面が乾いていたらたっぷりと水やりすると良いでしょう。また、夏場は直射日光と土中の温度上昇により株が弱りやすくなるため、株元へマルチングするなど乾燥防止の管理が有効ですよ。

植え付けてから2年程度は土が乾いたら水をあげる

鉢植え、庭植えともに植え付けてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。水やりは水を与えるだけでなく、土中の酸素を入れ替え新鮮な空気を根に送る大切な管理です。ノリウツギがその環境に慣れるまでは、まめに土の表面や幹、葉の様子を観察して健康に育つよう気をつけてください。

2年以上たった場合は乾燥が続く夏以外の水やりは必要ない

2年以上経った株は、全然水やりしなくてもいいと勘違いして、せっかく育ったノリウツギを枯らしてしまわないようにしましょう。基本的に水やりの必要がありませんが、乾燥が続く夏は土の表面が乾いたら水やりをして乾燥しないよう注意してくださいね。

鉢植えの場合

地植えの水やりに関して理解が深まったら、鉢植えの水やりについても把握しておきましょう。たまに地植えから一時的に鉢植えにしたり、逆になったりすることもあるのがガーデニングの奥深いところ。植え替えや挿し木で増やすこともできますよ。

1日1回程度、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやる

鉢植えのノリウツギの場合、水はけのよい土へ植えてあります。そのため、水やりは1日1回程度、土の表面が乾いたら鉢底から水が出てくるまでたっぷりと上げてください。この場合、鉢皿に溜まった水を放置しているとコバエやカビ、病害虫の原因になりますので小まめに捨ててください。

夏の水やり:1日1回~2回水をあげ、株元のマルチングをする

夏場の鉢植えは特に乾燥しやすい環境です。日陰にある場合も、日当たりの良い場所にある場合も1日1回~2回水をあげると良いでしょう。温度が高くなる日中に水やりをすると、土中の温度と湿度も上がって蒸し焼き状態に。水やりは朝と晩の涼しい時間帯にしてくださいね。また、ヤシの繊維やウッドチップスなどでマルチングして温度が上がるのを予防しましょう

冬の水やり:水の量を減らし、土が完全に乾いてからあげる

耐寒性、耐暑性に強いノリウツギは、山地の過酷な環境でも逞しく育ちます。特に寒さが厳しくなる冬場の水やりは、水の量を減らして乾燥気味に越冬させましょう。頻度は土が完全に乾いてから。そもそも休眠期のため、根の吸水量が落ちています。あまり頻繁に水やりせず、葉水で乾燥を防ぎながら水やりしてください。

ノリウツギの育て方のポイント:土

育て方の3つ目のポイントは、です。置き場所、水やりについて確認したあと栽培に適した土についてご紹介します。山地の厳しい環境でも元気に育つノリウツギは、あまり土質を選ばないため全国各地で見ることができます。自宅で育てる場合について土の配合や水はけについてまとめました

土質は選ばないが、水はけがよく有機質の多い土を好む

ノリウツギは、あまり用土に対して神経質にならなくても大丈夫な花木です。水はけが良く有機質の多い土を好みます。地植えにする場合、植え付け時に堆肥や腐葉土を混ぜ込みながら植え付けましょう。鉢植えでノリウツギを育てる場合は草花用の培養土で問題なく育ちます。

赤玉土(中粒)2:完熟腐葉土または樹皮堆肥1を混ぜたものなど

自分で用土を配合する場合、水はけの良さと有機質の多さに注意しましょう。次のような配合を参考にしてくださいね。 例)赤玉土(中粒):完熟腐葉土または樹皮堆肥=2:1 きっちりしなくても丈夫に育ちますので、まずは挑戦することが大切です。

市販の培養土でもよい

自分で配合しない時や初心者さんは、市販の培養土をおすすめします。既に配合されているため手間が省け、さらに草花用の培養土でも元気に育ちます。持ち運びしやすい軽量の土もよく見かけますのでご自分に合ったものを使用してくださいね。

ノリウツギの育て方のポイント:肥料

育て方の最後のポイントは肥料です。肥料を与える植物なのか、それとも不要な植物なのか、時期や頻度、種類など気になることが多いものです。ノリウツギは比較的丈夫な植物ですが、花や葉を元気にみずみずしく育てるなら適切に肥料を与えましょう。地植えと鉢植えでは少しずつ与え方が違いますよ。

地植え:1月に寒肥として緩効性肥料と有機質肥料を株元に施す

地植えにしたノリウツギへ肥料を与える時は、開花後と休眠期の1月に寒肥として腐葉土や油粕などの有機質肥料を株元の周辺に施します。スコップで株から少し離れた場所を掘り起こし、そこへ肥料を埋めます。長期間効果が持続する固形の緩効性肥料を合わせて与えるのがおすすめです。

鉢植え:3月に緩効性肥料と化成肥料を株元に追肥する

鉢植えのノリウツギへ肥料を与える場合は、地植えと同様開花後と休眠期の1月に寒肥を施し、さらに追肥として3月に固形の緩効性肥料と化成肥料を株元へ与えてください。鉢植えだと、水切れ、肥料切れが起こりやすく、一回の寒肥では1年分の栄養が不足してしまうためだと言われています。

【成長したらすること】ノリウツギの植え替えについて

ここまで基本的な育て方についてご紹介しました。ノリウツギが元気に成長する様子は見ていてうれしいものですね。成長したらまずする管理方法は、植え替えです。鉢植えの場合の目安の頻度や適切な時期、方法についてまとめました。

鉢植えの場合

地植えではあまり植え替えしません。植え替えの定期的な管理が必要なのは鉢植えの場合です。植物が育ってくると葉や幹が育つのと同様に根も鉢の中で伸びていきます。そのまま放置していると根が回って十分に吸水できなくなったり、酸素が取りこめなくなったりします。

2~3年に1回ほどが目安

植え替えの頻度は、2~3年に1回ほどが目安です。白い根が鉢底からはみ出してきたり、土の表面が固まってしまったりしたら植え替えのタイミングですので、日ごろからよく観察し、心配な時はカレンダーへ記入しておくといいでしょう。

11月下旬~3月頃の休眠期が植え替えの適期

植え替えに適した季節は、落葉期にあたる11月下旬~3月頃。株の生育がゆるやかになり、根や幹へのダメージを最小限におさえてあげましょう。よく根や葉が茂る生育期にすると、夏場の暑さによるストレスで株が弱り、傷から菌が入り込み病気になってしまうので注意してくださいね。

寒冷地では11月下旬~2月上旬までに行うとよい

冬の長い寒冷地であれば、11月下旬~2月上旬までに行いましょう。寒冷地では寒さによる凍結も心配です。降雪前に植え替えを済ませて、枝や幹が折れるのを防いでおくと尚いいですよ。

植え替えの方法

それでは具体的に植え替えの方法についてご紹介します。基本的な植え替え方法にくわえ、必要な用具についてもまとめましたのでぜひ参考になさってください。 植え替えに必要な園芸用品
  • 新しい培養土(市販の草花用培養土)
  • 一回り大きな鉢
  • 鉢皿
  • 鉢底石と鉢底ネット
  • 移植ゴテ
  • 園芸用ハサミ
  • 割りばしや竹串

鉢植えから株を引き抜く

まず鉢から株を引き抜きます。この時、軍手や園芸用手袋をしておくとケガ防止にいいですよ。根が回り過ぎてなかなか抜けない場合もありますので、その時は鉢ごと横にそっと倒して、鉢の側面を軽く叩いて鉢と土の間に空気を入れると取り出しやすくなります

根についた土を軽く振り落とし、根鉢の底を軽く崩す

次に、抜けた株の根についた土を軽く振り落として根鉢の底を軽く崩しましょう。これは絡んだ根をほぐすと同時に傷んだ根、腐った根を切りやすくするためです。また新しい土へ植え変えた時、根が張りやすくなります。

根詰まりを防ぐため不要な根は取り除く

根詰まりを防ぐために、ここで不要な根をハサミで切って取り除きましょう。あまり太い根は園芸用ハサミでは切れませんから、枝用ハサミを使うのもおすすめです。傷んだ根を切る前に、ハサミを熱湯消毒して殺菌すると清潔な状態を保てますよ。

新しい鉢植えに鉢底ネットと鉢底石を敷く

一回り大きな新しい鉢植えの準備をします。まず、水はけとナメクジ予防に鉢底ネットと鉢底石を敷きます。こうすることで、鉢穴から虫やナメクジが侵入することを防げます。さらに、植え穴または鉢土の底に有機質肥料か緩効性化成肥料を元肥として入れておきます。

株を入れて新しい土をかぶせ、土が隙間なく入るよう竹串で刺す

鉢の中央に株を植えて、新しい土を被せていきます。この時、割りばしや竹串などの棒で株と土の周囲をざくざくと刺すと土が隙間なく入りますよ。株がぐらつかなくなり、手を放しても自立できれば植え替え完成です。

水やりを行う

最後に、鉢底から水が流れてくるくらいたっぷりと水やりしましょう。水やりをしないと、土と根がぴったりと密着していないため植物が吸水できず酸素も取り込めません。水やりをした後は、しばらく水を与えず様子を見てください。葉がみずみずしくなったり、枝が伸びてきたら大丈夫です。

庭植えの場合は植え替えの必要はない

鉢植えの場合についてお話ししましたが、先ほどもお伝えしたように庭植えの場合は一度定植すれば植え替えの必要はありません。水枯れしないように、また日当たりの良い場所になるよう管理してくださいね。

【成長したらすること】ノリウツギの剪定について

成長したらすることのもう一つは、剪定です。根が伸びるなら枝や葉、幹も大きく伸びていきます。ノリウツギは新枝咲といって、新しく伸びた枝に花芽がつきますので、毎年花を楽しむのであれば剪定が欠かせません。具体的な剪定の時期や方法についてまとめました。

時期:花が咲き終わった10月頃~3月頃に行う

剪定に向いた時期は花が咲き終わった10月頃~3月頃です。7月頃から咲き始め、夏の間中咲き続ける株は疲れています。花後の肥料を与えたあと、葉にみずみずしさが戻ってきたら剪定するようにしましょう。この時、剪定用のハサミを使うと枝へのダメージが少なくなるのでおすすめです。

花が咲いた枝だけ軽く切り戻す

ノリウツギはその見た目に反して強い植物です。どの場所で剪定しなければならないということがないため、好みの樹形になるよう強剪定すればコンパクトに、弱剪定すればより自然に近い雰囲気で来年の開花を楽しむことが出来ます。特に花が咲いた枝だけ軽く切り戻すと弱剪定になりますので、樹勢を保ったまま来年はナチュラルな雰囲気を楽しめそうですね。

背が高くなりすぎた枝は低く切り戻す

逆に今度は背が高くなり過ぎた枝や幹を低く切り戻してみましょう。地際2~3節でばっさりと切り詰めます。春に伸びる枝の数が限定されるので花数は少し減りますが、枝に勢いが出て花が大きくなります。思い切って低く切り戻すことを強剪定と呼びますよ。好みの樹形となるようイメージしながら切り戻してみてくださいね。

さらにノリウツギを増やす方法

植え替えや剪定をする時に出る切り落とした枝や葉で、ノリウツギを増やすことも可能です挿し木株分けで増やせるほかに、花木ならではの取り木という方法もあるんですよ。もし庭木でノリウツギを増やしたい、またはどなたかへ差し上げる時に試してみてくださいね。

挿し木:最も一般的

増やし方で最も一般的な方法は挿し木です。剪定した枝で簡単に出来るので初心者さんにおすすめです。方法は切り落とした枝を用いて5~10cmの穂木をとり、水あげ後赤玉土などの清潔な土にさします。さし木後はさし床が乾燥しないよう注意し、直射日光を避けた明るい場所で管理しましょう。

3月~4月または6月下旬~7月上旬の梅雨時期に行う

挿し木に適した季節は、3月~4月または6月下旬~7月上旬の梅雨時期に行うようにしましょう。挿し木の成功する秘訣は、清潔さと水気を切らさないことの2点。土は挿し木用の土か、無ければ赤玉土を用意してくださいね。

3月~4月の場合は昨年伸びた枝を穂木として用いる

3月~4月の場合、昨年伸びた充実した枝を穂木として使います。昨年伸びた枝なので、すぐ枯れてしまうことが少なく、水気をこまめに与えていれば順調に発根するでしょう。初心者さんはこちらをおすすめします。

6月下旬~7月上旬の場合は今年伸びた5~10㎝の穂木をとる

6月下旬~7月上旬に行う場合は、今年伸びた新枝を用いて5~10㎝の穂木をとりましょう。今年伸びた新枝は勢いがありますが枯れやすいこともありますよ、寒暖差が無いように穂木の環境を一定に保ち、発根するまで丁寧に様子を見てください。

穂木は水あげ後清潔な土にさす

挿し木で失敗しやすい原因は、水あげと土の環境にあります。カップの3分の1まで水を溜め、その中へ穂木を入れて水を吸わせましょう。十分に吸わせたら、パックへ入れた挿し木用の土へ穂木を一本ずつ挿していきます。挿し木用の土は熱殺菌されたものなので使いやすくおすすめです。

乾燥しないよう直射日光を避けた風通しの良い場所で管理

穂木を挿したパックが乾燥しないよう、直射日光を避けた風通しの良い場所で管理します。外であればベランダや庭の日陰になる場所がおすすめです。室内であれば窓辺などの明るい場所がいいでしょう。霧吹きで水やりしてください。

発根して新芽が出てきたら、庭や大きめの鉢に植え替える

2~3週間経つと発根して、新芽が伸びてきます。15~20㎝くらいになれば庭や大きめの鉢に植え替えてください。植え替え用の土は市販の草花用培養土や水はけの良い土を使うといいですよ。試してみてくださいね。

株分け:健康に育てる

ノリウツギが年々大きくなると庭の一角や鉢の中に納まりきらなくなることも考えられます。株分けをすることでノリウツギを増やすだけでなく、水はけをよくしたり、花付きをよくしたりするという効果が期待できます。

落葉期の11月~3月に行う

株分けとは子株を親株から離し、分けて植えるやり方です。掘り起こし根を切るため、出来る限り落葉期の11月~3月に行うようにしましょう。

寒冷地は3月~4月に行う

東北や北海道の寒冷地では降雪により11月~3月の間にできない時も。さらに急激な寒さに根が傷んで枯れてしまう例もありますから、雪解けを待って3月~4月に行うと良いでしょう。

シャベルなどで根を傷めないように株を掘り上げる

株分けの方法を順を追って説明します。 用意する園芸用品
  • 軍手もしくは園芸用手袋
  • シャベル
  • 消毒液
  • ナイフかハサミ
他にもゴミや土を分ける土ふるいなどがあると便利です。 まず株元を20㎝ほど離れた場所をシャベルで丸く掘り起こし、太い根が途中で切れないよう注意しながら横へ倒します

消毒した刃物で切り分け、埋め直す

次に消毒したナイフかハサミで子株を切り分けます。その際に、子株にも根がある程度つくようにしましょう。元の穴に親株か子株のどちらかを埋め直し、土ふるいがあれば土中のゴミや根っこの切れ端などを取り除いておくと、埋め直した根が十分に張りますよ。

傷んでいる根があれば切り落とす

掘り上げた親株、子株のどちらでも、もし傷んでいる根があれば切り落としましょう。黒ずんでいたり、腐っていたりと健康な根とは見た目が違うため分かりやすいと思います。切り落とす時、都度消毒し直せばカビや雑菌が広がらず安心です

取り木:時間がかかるが簡単

取り木とは幹の部分の皮を剥がし、根を生えさせるやり方です。成功率が安定しないので上級者向けと言えるでしょう。 用意する園芸用品
  • ミズゴケ
  • ビニール袋、もしくはラップ
  • ナイフ
  • 麻紐、もしくは園芸用のワイヤー
それではやり方を確認しましょう。

太い枝を選ぶ

まず、取り木を行う部分を決めて皮だけむきます。この時樹皮が柔らかければ手でも向くことが出来ますが硬い場合はケガしないよう気をつけながら慎重に皮をむいてください。2㎝四方あれば十分です。

取り木する枝の皮をむき、その部分を水苔で包む

次に、皮をむいた部分をミズゴケで包み込みます。ミズゴケはあらかじめ水へ浸して置き、軽く絞って水気を切っておきましょう。皮をむいた幹を上と下両方から包み込むように当ててください。

上からビニール袋で覆う

さらにミズゴケの上からビニール袋で覆います。ビニール袋が無い場合はラップでも代用できます。ビニール袋は下のほうは弱めに、上のほうは強めに麻紐で縛るようにしてください。1カ月ほどで根が生えてきます。

1カ月ほどして発根したら切り取って苗にする

1か月ほど放置し、ミズゴケを外してみましょう。白い根が発根していたら成功です。根が生えている2~3㎝ほど下の枝を切り落とし、苗用の培養土へ移し替え新芽が伸びてくれば定植です。

ノリウツギによくあるトラブルと対処方法

ここまで基本の育て方、成長したらするお手入れについてご紹介してきました。このトピックでは、育て方の中でよくあるトラブルとその対処法についてまとめています。現在育てている方やこれから育てる方にきっと役立つ情報ですので、読み進めていきましょう。

ノリウツギは病害虫に強い

実はノリウツギは病害虫に強い植物です。園芸家や愛好家の中でも特段トラブルの話を聞かないほど優秀な庭木なんですよ。アジサイ科の植物はおおむね丈夫な性質の品種ばかりですから問題なく取り入れやすい庭木だと言えます。

病気の心配はとくになし

よく観葉植物や庭木のトラブルにある根腐れやカビなどの病気にかかりにくいノリウツギ。日当たりの良い場所で水切れしないよう注意していれば特段病気の心配はありません。しかし、まれにカビが生えてしまうことがありますのでその際や植物用の消毒スプレーや薬剤を噴霧すれば大丈夫です。

害虫

害虫の心配もそれほどありませんが、まれにアブラムシがつくこともあります。これは枝が密集してアブラムシが好む環境になっているため。どんな対策をすればいいのか確認していきましょう。

アブラムシ

アブラムシは黄緑もしくはオレンジ色をしたカメムシ科の昆虫で、枝や葉、花芽に密集しています。植物から植物へ移動して歩くことはほぼありません。放置しておくとウイルス病にかかる心配がありますから、見つけたらすぐに対処しましょう。

対処法:枝が密集しないよう剪定し、薬剤を散布する

ノリウツギにアブラムシがついた場合、まずついている枝を切り落としましょう。そこまで多くない場合は枝と枝が密集しないよう剪定して風通しよくし、さらに殺虫剤を散布してください。ホースなどで水を勢いよく当て、水流で落とすのも有効です。

ノリウツギの気になる品種・10種類を紹介!

それではいよいよノリウツギを購入してみましょう。ベビーレースや雪化粧、ボブシェルのように華やかなものが多く、とても見ごたえがありますよ。人気の品種10種類をまとめましたので、お気に入りのノリウツギを見つけてみてくださいね。

ライムライト:優しいグリーンが人気の品種

ライムライトは優しいグリーンの花序が人気の品種です。咲き始めはライムグリーン、徐々に淡い色のペールグリーンへと色が変化します。 育て方も簡単で、夏から晩秋にかけて花を急いで剪定せずに、秋色になるまでの変化をゆっくりと楽しむことができます。品種改良したものにリトルライムがあります。ドライフラワーにもおすすめです。

リトルライム:ライムライトを小さく品種改良したもの

リトルライムはその名の通り、ライムライトの矮小種です。そこまで大きくならず花序もコンパクトなため、狭い花壇や場所にもおすすめです。育て方は基本の育て方と同様に。また枝が短いため切花としても気軽に楽しめるでしょう。

ミナヅキ:ピラミッドのような形が特徴的

ミナヅキはノリウツギの代表的な品種で、ピラミッドのような円錐花序が特徴です。花の色が真っ白で徐々に淡いグリーンに変色していくため、ガーデニングの差し色としても良いでしょう。 高さ約150~200cm、幅約150~200cmまで成長しますので、定期的な剪定を必ず行ってくださいね。

バニラストロベリー:白からピンク色に花の色が変わる

バニラストロベリーは、花の色がまるでイチゴミルクを連想させる様な赤色、桃色、白色の3色が混じる花穂が魅力的な園芸品種です。 花の色が変わるから育て方も変わるなんてことはありません。基本の育て方を参考にしてください。花色は徐々に濃く変化していき、樹形は株立ち状です。ポップな色合いとかわいらしさが近年人気ですよ。

ファイヤーライト:深みのあるピンク色の花が特徴

ファイヤーライトは、バニラストロベリーと似たような赤色、桃色、白色の花穂をしていますが、より深みのあるピンク色が特徴です。その様子が松明に似ているためファイヤーライトと名付けられました。 樹形はバニラストロベリーと同じく株立ち状で、大きく育ちます。深い退色のドライフラワーがリースやスワッグに人気です。

ベビーレース:コンパクトさが魅力

ベビーレースはコンパクトさが魅力の矮小品種です。透明感のある花穂と草丈60㎝、ノリウツギの中江もとても小さいんですよ。甘い香りを持ち、ビープランツとしても魅力的です。 分岐性が良く、花数も多く茎も強健で倒れにくいので育て方も簡単、ローメンテナンスで楽しめるでしょう。株が充実すると秋にピンク色の返り咲きをするのも素敵です

リトルホイップ:華やかな花が特徴

リトルホイップは、ベビーレースと同じく樹形がとてもコンパクトで、溢れるように盛上がる形になる品種です。 基本の育て方と同様ですが小さな花壇や鉢植えなどで育てやすく、また開花期になると株を覆うように真っ白色の花が咲き、まさにリトルホイップのような美しい景観をつくります。

ポールスター:新しい品種で扱いやすい

ポールスターは2020年より国内での流通が始まった新しいノリウツギです。矮性でガクアジサイのような白色の花穂をつけ、扱いやすい品種です。 ノリウツギと同様新枝咲きのため、春までに剪定を済ませればOK。ポールスターは花付きが良いので、切り花、ドライフラワーとしてもおすすめです。

雪化粧:雪を散らしたような葉の斑が特徴

雪化粧(ゆきげしょう)は葉に雪を散らしたような白散斑が入る美葉品種です。 夏には白花のアジサイのような花が楽しめます。 ノリウツギで斑入りの園芸品種は珍しいので、和風庭園やシェードガーデンでの差し色にしてもいいですね。育て方は基本と一緒で構いません。直立性で150㎝前後まで伸び、地植え鉢植えともにおすすめです。

ボブシェル:白色の花が長く咲く

ボブシェルは、よく分岐し高さ90cmまでのコンパクトな樹形をつくり、他の品種よりも長く咲く傾向がある園芸品種です。 花は円錐花序、装飾花の色は上品な印象を与える白色から淡い黄緑色です。夏の花が減る時期にボブシェルが咲いていれば、涼しげな雰囲気が演出できますよ。

ノリウツギとアナベルの違いとは?

たくさんのノリウツギを見てきましたがいかがでしょう? アジサイ科の中でも白色系の淡い花穂や扱いやすさが魅力のノリウツギですが、同じアジサイ科でアナベルがあります。一見すると同じように見えますが、具体的にどう違うのか予備知識として理解を深めておきましょう。

どちらもアジサイ科アジサイ属に分類される

ノリウツギとアナベルは、両方ともアジサイ科アジサイ属に分類される植物です。開花時期はノリウツギは7月頃~10月、アナベルは6月~7月と少し違いがあります。それ以外にも見分けるポイントがありますよ。

ノリウツギとアナベルの違い①:花の形

まず見分けるポイントは花の形ノリウツギは円錐形の花房、アナベルは球形の花房になるのでわかりやすいと思います。花の他にも葉の形が薄くて大きいのがアナベル、硬くほっそりしているのがノリウツギです。また枝が細く支柱で支えているのがアナベル、支柱が不要なのがノリウツギです。 似ているようで結構違いますね。

ノリウツギとアナベルの違い⓶:原産地

ノリウツギとアナベルの大きな違いはもう一つ。それは原産地です。ノリウツギが日本や中国などのアジアが原産なのに対し、アナベルは北アメリカが原産。アナベルが別名アメリカアジサイと呼ばれていることからもわかりますよ。 一概にどちらが優れているとは言えない両種です。ノリウツギ、アナベルの特徴を知り、ご自分に合ったほうを楽しんでくださいね。

ノリウツギの育て方を解説!成長したらやることやトラブルの対処法までのまとめ

ここまでじっくりとノリウツギについて理解を深めてきましたがいかがでしたか?自生する素朴な魅力の品種から華やかな品種のノリウツギまでたくさんありました。しかし扱いやすい植物ですから、育て方に自信のない方でも花穂の美しさが好きな方でも気軽に取り入れてほしい花です。 この記事では
  • ノリウツギは東アジア原産の耐寒性落葉低木
  • 花言葉は【高慢】、【臨機応変】、【しとやかな恋人】
  • 風水的には恋愛運、結婚運を吸い取るが、既婚者の悪い気を吸い取る効果もある
  • 置き場所は日当たりの良い、半日陰の場所
  • 水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与える
  • 水はけのよい有機質の多い土を好む
  • 剪定は主に11月~3月までにする
  • 病害虫の心配はない
  • ライムライトやバニラストロベリーの他、雪化粧などたくさんの品種がある
以上のことをご紹介しました。 ノリウツギの育て方やお手入れ方法について詳しくなり、庭木や鉢植えとして夏の花を楽しんでくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。