目次
ヤグルマギクと間違われやすいヤグルマソウ。山野草として上品な花を咲かすヤグルマソウを、知らない方も多いかもしれません。ヤグルマソウの育て方を知りたいと思いませんか。
ヤグルマソウは山野草としても珍しいので、枯れてしまうととても残念ですよね。ヤグルマソウの育て方について知ると、ヤグルマソウを育てたりプレゼントしたりするなどできるでしょう。
そこでこちらの記事では
- ヤグルマソウはどんな植物?
- ヤグルマソウの苗の植え方は?
- ヤグルマソウの育て方における置き場所は?
- ヤグルマソウの育て方における水やりは?
- ヤグルマソウの育て方における増やし方は?
ヤグルマソウ (矢車草)はどんな植物なの?
ヤグルマソウ(矢車草)と聞いて、どんな植物なのか知っている方は少ないのではないのでしょうか。ヤグルマソウについて紹介します。原産地は日本・東アジア
ヤグルマソウの原産地は日本・東アジア地域です。特に、日本の北海道西南部や本州、朝鮮半島の多湿地域に自生しています。ヤグルマソウは山深い中の多湿地域に群落を作り開花することが多いです。ヤグルマソウはユキノシタ科ヤグルマソウ属であり、山野草に分類されます。ヤグルマソウの花言葉は【清楚】
ヤグルマソウの花言葉は「清楚」です。ヤグルマソウは、ヤグルマギクと混同されやすい植物ですが、まったく違う植物。色鮮やかな花色が特徴のヤグルマギクに対して、ヤグルマソウは白く小さな花を咲かせます。この白く小さな花姿から「清楚」の花言葉が名付けられました。苗の植え方は2種類ある
ヤグルマソウの苗の育て方には、地植えと鉢植えの2種類の植え方があります。ヤグルマソウの植え方について見ていきましょう。苗植えの時期は9月下旬~10月初旬の秋
ヤグルマソウの苗植えの時期は9月下旬~10月初旬の秋です。山野草であるヤグルマソウは、気温の高い環境を嫌います。9月下旬~10月初旬の涼しくなる時期に定植することが育て方のポイントです。①地植え
ヤグルマソウを地植えする場合は、直射日光が当たらず明るい日陰の涼しい場所を選んで植えてください。植え付けるときは、土をしっかり耕して腐葉土をすき込んで水はけがよくなるように改良しておきましょう。土の改良後は、苗を植え付けてください。苗の根鉢が固まっている場合は、根鉢を崩しておくと植え付け後に根付きやすいです。②鉢植え
ヤグルマソウの鉢植えのポイントは以下の2つです。苗よりも一回り大きな鉢に植え付けよう
苗よりも一回り大きな鉢に植えてください。ヤグルマソウの根鉢よりも小さいと、当然植え付けはできません。また、大きすぎる鉢に植えると、水やりした後に土が乾かず根腐れする可能性が高いです。そのため、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けたほうが管理もしやすいでしょう。プランター栽培でお花畑風にも
プランター栽培でお花畑風に育てることも可能です。ただし、プランターにヤグルマソウを密植すると、根が伸びるスペースがなくなり生育に悪影響を与えます。そのため、お花畑風にしたいからと言って、植えすぎに注意してください。ヤグルマソウの育て方のポイント:置き場所
ここからはヤグルマソウの育て方について紹介します。置き場所は育て方において非常に重要なポイントです。ヤグルマソウの置き場所を見ていきましょう。耐寒性は高くないので冬場は室内で育てよう
ヤグルマソウは耐寒性が強い多年草です。自生地が北海道や本州、朝鮮半島であるため、寒さに強く最低‐15℃にも耐えます。冬の間は地上部は枯れてしまいますが、基本的には冬場は屋外で管理してください。 耐寒性が強いとはいえ、根が凍結しないように気を付けてください。鉢植えであれば鉢を重ねて二重鉢にするとよいです。地植えであれば、腐葉土を土の上にかぶせておくと寒さ避けになります。鉢植えで凍結が不安な場合は、室内に移動させてもよいですが、暖房のついていない室内で管理してください。日当たり・風通しが良い場所で栽培しよう
ヤグルマソウは直射日光を避けた明るい日陰や半日陰の湿度のある環境を好みます。ヤグルマソウはユキノシタ科であり、山の谷や川沿い、湿地帯の場所に生息しているためです。直射日光に当たると葉焼けしやすく枯れる恐れがあるので注意してください。風通しがよい場所で育てる場合は、土が乾きすぎないように適度に湿り気を与えておくことが重要です。つまり、日当たりはやや暗めの場所に置くことがポイント。日当たりがよすぎる場所では、土が乾燥しやすく葉焼けしやすいので気を付けましょう。ヤグルマソウの育て方のポイント:水やり
ヤグルマソウの育て方に重要なポイントである水やりについて解説します。春〜秋は土の表面が乾いてきたのを確認してからたっぷりと与えよう
春~秋は土の表面が乾いてきたのを確認してからたっぷりと与えます。冬~春の時期は休眠期なので、ヤグルマソウは地上部がありません。しかし、湿度を好む植物なので、乾燥し過ぎないように、土の乾燥具合を見ながら水やりしてください。冬場は土を乾かさないように水やりに注意しよう
ヤグルマソウは冬から休眠期になります。地上部が枯れてしまいますが、土は完全に乾かさないように気を付けてください。冬は空気が乾くので、地上部がなくても土は乾燥します。ただし、水のやりすぎで土が凍結しないようにしましょう。土が凍結すると、根も凍結して枯れる恐れがあるためです。水の与え過ぎは根腐れの原因になるので注意
ヤグルマソウは高湿度を好みますが、土が常に湿っている状態は嫌います。土が常に湿っていると根が腐る可能性が高いためです。根腐れすると、多年草であるヤグルマソウはそのまま枯れてしまうかもしれません。水やりは土の乾燥具合を確認しながら、適切に水やりをしてください。ヤグルマソウの育て方のポイント:土
ヤグルマソウの育て方のポイントである土について紹介します。水はけのよい土で育てる
水はけのよい土で育ててください。ヤグルマソウは山野草なので、水持ちのよい土では根腐れしやすいです。草花や野菜の土などでは育てないようにしましょう。「山野草(さんやそう)の土」を使って栽培するのがオススメ!
ヤグルマソウは山野草なので、山野草の土を使って栽培するのがおすすめです。山野草の土は水はけがよい土なので、ヤグルマソウを育てるのにぴったり。市販の山野草の土を使って育てましょう。ヤグルマソウの育て方のポイント:肥料
ヤグルマソウの育て方のポイントである肥料について紹介します。基本的には肥料はあまり必要ない
ヤグルマソウには基本的に肥料はあまり必要ありません。しかし、新芽が出始める春と花が咲く秋には肥料を与えてください。与えるなら月に2回、様子を見ながら液肥を与えよう
肥料を与えるのであれば、新芽が出てくる春と花が咲く秋の2か月間置き肥や液肥を与えます。置き肥であれば、土の上に肥料を置いて2か月後に取り除きましょう。液肥であれば、規定量を水に薄めて2週間に1回与えてください。休眠期である冬と高温期の夏は生育が緩慢なので肥料は与えないでください。【成長したらすること】植え替え
ヤグルマソウが成長したら植え替えをしましょう。植え替えは育て方において、重要なポイントです。ヤグルマソウの植え替えの時期
ヤグルマソウの植え替えについて見ていきましょう。時期は9月下旬~10月初旬の秋
植え替え時期は9月下旬~10月初旬の秋です。気温が落ち着いて涼しくなる時期に植え替えしましょう。植え替えに用いる土は、水はけのよい山野草の土を使ってください。場所によっては、こぼれダネが自然に芽生えて毎年開花する
ヤグルマソウは多年草であり、花を咲かせるため種も作りますが、こぼれダネではあまり増えません。さらに多年草であるため、種から育てた場合は花が咲くまでに時間がかかります。ヤグルマソウは子株ができて増えるので、増やす場合は株分けしてください。大きくなった株を掘り上げて、1株に2~3芽ほどつくように、ハサミやナイフなどで切り分けましょう。ヤグルマソウの植え替えの頻度
ヤグルマソウの植え替え頻度について解説します。植え替えの頻度も育て方の重要なポイントです。地植えの場合は植え替えは必要ない
地植えの場合は、根がしっかり伸びていくので、植え替えは必要ありません。ただし、株が大きくなって株分けを行う場合は、掘り出して切り分けた後はそれぞれ植え付けてください。鉢植えの場合は2〜3年に一回
鉢植えの場合は2~3年に一回の頻度で植え替えます。鉢植えの場合、植えっぱなしにすると根詰まりして生育が悪くなります。そのため、成長を見ながら定期的に植え替えが必要です。鉢底から根が出てきたり、水やり後の土の吸水が悪かったりするときも植え替えましょう。ヤグルマソウの植え替えの方法
ヤグルマソウの植え替えは、生育期の9月下旬~10月上旬に植え替えを行います。鉢からヤグルマソウをゆっくり取り出してください。根鉢が固まっている場合は、土と一緒にほぐして植え替えましょう。株が大きければ株分けをして植え替えるとよいかもしれません。植え替えを行う際に注意すること
植え替えを行う際に注意することを見ていきましょう。植え替え直後は風の当たらない明るい日陰に置こう
植え替え直後は、風の当たらない明るい日陰に置いてください。根付いていないときに直射日光に当たると葉焼けして枯れる恐れがあるためです。植え替え直後は水やり・肥料を与えるのを避けよう
植え替え直後は、土と根がなじむようにしっかりと水やりを行ってください。植え替え直後に乾燥した根と乾燥した土では、根が土になじまず乾燥して枯れる恐れがあるためです。肥料は根が土になじんで、新しい葉っぱが出てきたタイミングで与えます。ヤグルマソウの種での増やし方
ヤグルマソウは株分けで増やします。株分けの方法について見ていきましょう。ヤグルマソウの株分け方法
ヤグルマソウの株分け方法は、植え替え時期の9月下旬~10月上旬に1株2~3芽付くように切り分けて株分けします。葉が出ていて株分けしにくい場合は、新芽が出始める春にも株分けが可能です。ただし、春に株分けした場合は、高温の夏に根が傷む可能性があるので、涼しい明るい日陰で管理することが重要です。 株分け後、明るい日陰で水を与えながら管理します。新しい葉が3~4枚ほど出てきたら、地植えしたり一回り大きな鉢に植え替えたりするとよいでしょう。ヤグルマソウの種はどこで手に入る?
ヤグルマソウは、タネでは手に入りません。園芸店やネット通販で苗として手に入れます。ヤグルマソウのタネとして販売されている場合は、「ヤグルマギク」のタネなので、間違えないようにしてください。発芽させてもヤグルマギクの花が咲きます。せっかく発芽させても、ヤグルマソウの花でなければ残念ですよね。購入前にヤグルマソウとヤグルマギクの違いを確認しておきましょう。ヤグルマソウがかかりやすい病気・受けやすい害虫被害とその対策とは?
ヤグルマソウは病害虫に強い山野草です。しかし、それでも育てているときになる可能性のある病害虫を紹介します。うどんこ病
ヤグルマソウを風通しの悪い場所で管理するとうどんこ病になるかもしれません。症状=葉などに「うどん粉(小麦粉)」をまぶしたような白いまだら模様が現れる病気
うどんこ病とは、葉や枝などに「うどん粉(小麦粉)」をまぶしたような白いまだら模様が現れる病気です。バラやアジサイ、草花など多くの植物に発生しやすい特徴があります。対策=発症部分を取り除いてまん延を防ごう
うどんこ病を、もし発症してしまったら発症部分を取り除いて、市販の殺菌剤を噴霧してください。殺菌剤はうどんこ病に効果のある薬剤を選びましょう。1度噴霧すれば治るわけではないので、定期的に噴霧を続けることが肝心です。立ち枯れ病
ヤグルマソウは立ち枯れ病になる可能性があります。症状=初めは生育がやや不良ぎみになり、株全体が立ち枯れを起こしてしまう
立ち枯れ病の症状は、初めは生育がやや不良ぎみになり、株全体が立ち枯れを起こしてしまう病気です。連作障害やウイルスが原因で発生します。対策=根の周りにある土とともに取り除いて焼却しよう
立ち枯れ病の対策としては、根の周りにある土と共にヤグルマソウを取り除いて焼却してください。殺菌剤などの薬剤では治すことができないため、他の草花に移る前に取り除くことが肝心です。アブラムシ
ヤグルマソウはアブラムシが付く可能性があります。アブラムシはどの植物にも発生しやすく、特に新芽が出てくる春に発生しやすいです。症状=新芽が寄生されると、萎縮したり、葉が縮れたりする
アブラムシが発生した時の症状は、新芽が寄生されると、萎縮したり葉が縮れたりします。ウイルスを媒介しやすいので、増殖する前に退治することが重要です。対策=殺虫剤で比較的容易に躯除できる
アブラムシは、市販の殺虫剤で比較的容易に駆除できます。ただし、アブラムシに効果のある殺虫剤を使用してください。ヤグルマソウと間違われやすい植物、ヤグルマギクとは?
ヤグルマソウと間違われやすいヤグルマギクについて解説します。ヤグルマギク(矢車菊)ってどんな植物?
ヤグルマギク(矢車菊)について見ていきましょう。春から初夏に開花するキク科の一年草
ヤグルマギクとは、キク科ヤグルマギク属の春~初夏に開花する一年草です。別名で一年草セントーレアとも呼ばれています。しかし、以前は「ヤグルマソウ」と呼ばれており、ユキノシタ科ヤグルマソウ属のヤグルマソウと混同されてしまうことが多かった植物です。 そのため、現在では「ヤグルマギク」として名前が統一されています。しかし、統一後でもヤグルマソウとヤグルマギクは混同されており、インターネット情報だけでなく書籍でも間違いがあるので注意してください。青、白、ピンク、紫系濃淡、黒、ダークレッドなど、花色がとても豊富な草花
ヤグルマギクは、青や白、ピンク、紫系濃淡、黒、ダークレッドなどの花色がとても豊富な草花です。ナチュラルな花束にも人気の花なので、花壇や鉢植えに種まきをして育てる方も多くいます。毎年、こぼれダネで増える点も初めて育てる方にとって育てやすく嬉しいメリットです。ヤグルマソウとヤグルマギクの見分け方
ヤグルマソウとヤグルマギクの見分け方を紹介します。ヤグルマソウは淡雪のような花を咲かせ、とても美しく上品
ヤグルマソウは淡雪のような花を咲かせ、とても美しく上品な山野草の品種です。ヤグルマソウの特徴は花だけでなく葉の形にもあります。葉の形がこいのぼりの先頭についている矢車に似ていることです。そのことから、ヤグルマソウと呼ばれています。草丈は最大で1m程度になります。ヤグルマギクは花色が豊富で、ガーデニングにもってこいの植物
園芸品種のヤグルマギクは花色が豊富で、ガーデニングにもってこいの植物品種です。一年草ですが定植してしまえば、こぼれ種で自然と増えていきます。そのため、一度花壇や鉢植えで育てれば自然と毎年美しい花を楽しめるでしょう。草丈は30~100㎝になるため切り花としての育て方も楽しめます。花を摘んでお部屋に飾ったり、花束としてプレゼントしたりするとよいかもしれません。矢車草(ヤグルマソウ)の育て方!種まきから成長後のケアまで解説のまとめ
ここまでヤグルマソウの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- ヤグルマソウはユキノシタ科ヤグルマソウ属の山野草で、キク科ヤグルマギク属の一年草とは、まったく違う植物
- ヤグルマソウは鉢植えと地植えが可能
- ヤグルマソウの育て方における置き場所は、直射日光が当たらない場所で半日陰~明るい日陰が最適
- ヤグルマソウの育て方における水やりは、土の表面が乾いたら水やりして土を乾燥させないように管理しつつ水のやりすぎに注意
- ヤグルマソウは株分けで増やすことが可能で、大株になったら植え替えの9月下旬~10月上旬に1株2~3芽付くように株分け