カポック(シェフレラ)の植え替えを解説!適した時期からお手入れまで

カポック(シェフレラ)の植え替えを解説!適した時期からお手入れまで
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

皆さんはカポック(シェフレラ)という観葉植物を知っていますか?カポックは葉を手のひらのように大きく広げ育つ観葉植物で、温度・湿度・日当たりなどにあまり注意を払わなくても、どんな環境下においても逞しく育ってくれる人気の高い観葉植物です。カポックはとても生長の速い観葉植物のため、こまめな植え替えが必要になります。 そこでこの記事では、
  • カポックの基本情報
  • カポックの植え替えが必要なタイミング
  • カポックの植え替え時期
  • カポックの植え替えに必要なもの
などについてご紹介していきたいと思います。 この記事を読み進めながら、カポックを元気に生長させるためのベストな植え替え方法について、理解を深めてくださいね。

カポック(シェフレラ)の基本情報

まず、カポック(シェフレラ)の基本概要から順にみていきましょう。カポックとはどのような観葉植物かを知ることで、カポックをより生育させやすくなりますよ。

カポックの特徴

本来のカポックはアオイ科セイバ属の観葉植物の「パンヤ」のことを指しますが、パンヤとシェフレアの葉が大変似通っていることからいつの間にか「シェフレラ=カポック」と呼ばれるようになりました。図鑑でも一般的な認識がシェフレラ=カポックになったため、同様に扱われるようになったという歴史があります。 カポックの一番の特徴は葉で、まるで手のひらを広げたかのような形をしている所で、インテリアとしても大変人気があります。その見た目の可愛らしさから、プレゼントとしてもよく用いられる観葉植物です。是非何かの機会に贈り物として活用してみてくださいね。

正式名称はシェフレラで熱帯雨林原産の植物

カポックの正式名称は「シェフレラ」で、ウコギ科シェフレア属に分類される観葉植物です。特に熱帯雨林原産の観葉植物として知られていますが、台湾・中国の南部・熱帯地域から温帯地域にかけてと幅広く生息しており、約600種ものシェフレアが世界に存在しています。

乾燥に強く日陰でも育つほど順応性が高く育てやすい観葉植物

カポックは熱帯原産ですが、寒さ・乾燥に強く、耐陰性もあるため日陰でも元気に育つほど、環境適応能力が高い観葉植物です。そのため、初心者の方でもそれほど生育環境を気にすることなく育てられるため、気の張らないプレゼントとしても重宝されています。

カポックは常緑性で多品種!中には12mまで成長する品種もある

カポックは一年を通して常緑性のある観葉植物で、一般的に流通している品種を数えても多数存在します。中でも「シェフレラ・アルボリコラ」「ホンコン・カポック」「シェフレラ・トリネッティ」と呼ばれる品種は、人気があり私たちの目にとまりやすい品種です。背丈が高くなる種類のカポックでは、樹高が12mにまで生長するタイプも存在し、3mほどの低木から背が高いタイプのものまで様々です。

カポックの花言葉は「とても真面目」や「実直」

カポックの花言葉は「とても真面目」「実直」で、17世紀のトルコでつけられたといわれています。上手に言葉にできない真面目な思いを、お花を贈ることで伝えていた習慣から生まれたとされています。これはカポックの葉がどのような環境でも緑を絶やさず元気に育つことから「忠実」な観葉植物という印象をもとにつけられました。

カポック(シェフレラ)の植え替えが必要なタイミングの判断方法

それでは、カポック(シェフレラ)の植え替えが必要なタイミングとはどんな時なのでしょう?判断方法も併せて項目別にみていきましょう。

同じ鉢で1〜2年育てている

カポックを何年もの間同じ鉢で育てていると、「根詰まり」「肥料切れ」などのトラブルが起きやすくなります。特にカポックは生長も速いため1~2年に一度、定期的に植え替える必要があります。植え替えをしっかり行うと、さらなる生育に繋がり、元気に丈夫にすくすく育ってくれます。 また根詰まりを起こすと鉢の中が根で一杯になり、水分が抜けにくくなります。また水や栄養剤を与えても上手く根から吸収されず土の中に停滞してしまい、結果「根腐れ」を起こして枯れる可能性も高くなります。そうならないためにも、必ず1~2年に一回は鉢植えの植え替えを行うように心がけてください。

下の葉が枯れる

カポックの下葉が枯れる原因として「水分過多」「根詰まり」「低気温」が考えられます。特に鉢の中の水分が上手く排出されない状態の場合、植え替えを行うと元気を取り戻してくれる可能性が高くなります。水分が多いとどうしても湿気が高くなり、悪影響を与える微生物の温床になって枯れる可能性が高くなります。 そのため、新しい鉢・乾いた土に植え替えることで悪化を防ぐとともに、早期に対処できた場合は回復も早まります。カポックの下の葉の色が変色してきたり、枯れてきたときは鉢植えの植え替えのタイミングという合図なので、その合図を見逃さないように常に観察を行うように心がけてください。

鉢植えの底から根がはみ出している

カポックを生育している鉢底から根がはみ出している場合は、鉢の中で根がパンパンになり「根詰まり」を起こしている状態です。このまま放置しておくと、次第に根の先端から腐る「根腐れ」という状態に悪化し、枯れてしまう恐れが高いため、早急に一回り大きい鉢に植え替えを行う必要があります。

カポックの植え替え時期におすすめなのは?

では、カポックを植え替えるのに最適な時期はいったいいつ頃なのでしょう?植え替えにベストな時期を理解し、その期間内にカポックの植え替えを行うようにしてくださいね。

植え替え時期は5月〜7月がおすすめ

カポックの植え替え時期は5月~7月の生育期に行うことをおすすめします。もしこの時期以外のタイミングで行ってしまうと、カポックの生育状態にも影響を与えかねないため注意が必要です。生育期に植え替えを行うと、もし植え替え時に根を傷つけてしまってもすぐに復活してくれますし、植え替えのストレスでカポックが弱ってしまう心配もありません。そのため、植え替えは必ず5月~7月のカポックが一番元気な時期に行うように心がけてください。

10月以降の肌寒くなる冬場の植え替えは避けるべき

カポックを寒さのこたえる10月以降に植え替えてしまうと、そのまま株を弱らせて最悪の場合枯らしてしまう恐れがあるため避けるようにしてください。10月以降の寒い時期の植え替えは植物にとって大変大きなストレス要因です。そのため回復力の高い生育期に済ませてしまうのがベストですが、もしこの時期を逃してしまった場合は、最低でも15度以上の気温が確保できるうちに植え替えを行うやり方があります。

どうしても冬に植え替える必要がある場合は、暖かい部屋の中で行う

どうしてもカポックの植え替えを冬にしなければいけない場合は、温度変化の少ない暖かい部屋で、できるだけカポックにストレスがかからない環境と速度で、素早く行うやり方が大切です。またこの時、通常ならば悪くなっている根切りや剪定を植え替えと同時に行いますが、冬に植え替えているときは根切りや剪定は行わないことが大切です。

植え替え完了後は、部屋の暖かい日陰に置き休ませる

素早く植え替え後水やりも完了したら、養生をしっかり行うことでカポックのストレスを軽減できます。植え替えを行った部屋の暖かい日陰に置き、静かな環境でしっかり休ませてあげてください。また1週間の養生期間の間も葉水をこまめに行い、養生が終わったらカーテン越しの日光がなるべく長時間当たるような場所に置くように心がけることが大切です。

カポックの植え替えの時に準備するもの

それでは具体的にカポックの植え替えを行う際に準備するグッズについて見ていきましょう。しっかり準備してカポックをスムーズに植え替えてくださいね。

① 今のものより一回り大きい鉢

カポックが生長し、今の鉢では小さくなってきたために植え替えを行おうとしていると思います。そのため、同じ大きさの鉢ではなく、今使っているものより一回り大きい鉢を用意してください。この時、使い古しではなく新しい鉢を用意すると安心ですが、もし使い古しの鉢を使うなら、植え替えを行う日より前に、使おうと思っている鉢を奇麗に洗い、天日干しで消毒を行い下準備を行っておくことが大切です。

② 鉢底ネット:土が漏れるのを防ぐ

新しく用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、鉢の中に入れた土が漏れ出るのを防ぎます。また鉢底ネットは、害虫が鉢内に侵入するのも併せて防ぐ役割を果たしてくれるため、必ず植え替え時に必要なグッズです。必ず植え替え時に忘れないように敷くように心がけてください。

③ 鉢底石:排水性を高める

新しい鉢に鉢底石を敷き詰め、鉢内の排水性を高めます。鉢底石には鉢内の土を乾きやすくし、コバエの発生・根腐れを起こしにくくする役割があります。もし鉢底石を敷いていないと、余分な水をしっかり排出する排水性・鉢底から必要な空気を取り入れる通気性を保つことができません。 その結果、鉢内の腐敗菌が増殖し根腐れを起こす原因となるため、必ず鉢底石を敷くようにしてください。特に根腐れは水はけの悪さにより、根が酸素不足になって株自体が弱り最悪の場合は枯れてしまうため、カポックを生長させるうえで大切な手順です。

④ 用土:水捌けの良い土が良い

鉢底石が敷けたら、次は用土を入れていきます。この用土は必ず市販の観葉植物の土もしくは水はけの良い土にしてください。カポックは水を好む観葉植物のため、水はけの悪い土を使うと鉢内に水が溜まってしまいます。そして鉢内に溜まった水がコバエの発生や根腐れを起こす要因となるため、必ず水はけの良い土を使いこまめな水やりを心掛けることが大切です。もし自分で土の配合をしたい場合は、「観葉植物の土2:赤玉土1:鹿沼土1」を混ぜ合わせて使うようにしてください。

⑤ 割り箸:土と根の隙間を埋めるときに使用する

植え替え時の準備物として良く忘れがちなのが「割り箸」ですが、割り箸は土と根の細かい隙間をしっかり埋める時に大変役立つ道具です。土と根の間に土を万遍なく入れられますし、何より根を気づつける心配がありません。そのため植え替えを行う際は必ず用意してから取り掛かるようにしてください。

カポックの植え替え方法

ここからは実際にカポックを植え替える方法についての手順をご紹介していきます。順番を理解し、カポックをスムーズに植え替える際に活用してくださいね。

植え替え手順1:土を乾燥させる

植え替えを行う3日ほど前から「水絶ち」を行い、カポックが植わっている土をしっかり内部まで乾燥させておきます。完全に乾燥したことが確認されたら、カポックの植え替えを行います。中途半端に乾燥している場合は、せっかく植え替えを行っても新しい鉢に悪い菌を一緒に連れていってしまうことになりかねないため、慎重に行うように心がけてください。

植え替え手順2:作業スペースにビニールシートをひく

乾燥したことが確認出来たら、作業スペースにビニールシートを敷き、その上に新しく植え替える鉢を置きます。作業スペースにビニールシートを敷くことで、汚れる場所が限定されるばかりでなく、シートの上だけを片付ければ良ですし、ビニールシートなので万が一湿っても安心です。 また植え替え前の古い土を庭に運んだり、道具を持ち出したりする際にもビニールシートを敷いておくと簡単にしかも効率的に作業ができます。作業が終わった後のゴミをまとめる時も使い勝手が良いため、ビニールシートを敷いて作業を行うようにしてください。

植え替え手順3:新しい鉢の底穴にネット・石を順に敷く

新しく用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、次いで鉢底石を順に敷いていきます。通気性・排水性に優れているため、観葉植物の植え替えを行う際には欠かせないグッズの一つです。今では100均でも手軽に購入できるため、必ず用意するようにしてください。

植え替え手順4:鉢の1/3まで土を入れる

鉢底石が敷けたら次は鉢の1/3までいったん土を入れます。土は必ず水はけの良い土を使うことが大切です。市販の観葉植物の土で十分ですが、もし自分で土を配合したい場合は市販の観葉植物の土に小粒の赤玉土・鹿沼土を混ぜ合わせたものをオススメします。

植え替え手順5:カポックの根についた土を優しく揉み落とす

次にもともとカポックが植わっていた鉢からカポックを優しく取り出し、根に付いている土を優しくもみほぐすようにして落とします。この時、土が取れないからといってカポックの根に水を付けないようにしてください。せっかく乾かした意味がなくなってしまいますので、注意が必要です。

植え替え手順6:黒っぽく腐っている部分は根切りを行う

元の鉢からカポックを取り出し根から古い土を落とした際、根が黒っぽく腐っている部分があると思います。その場合は、黒っぽくなっている部分から根切りを行うようにしてください。この時に使うハサミは、必ず清潔なハサミに限ります。万が一細菌がついているハサミで根切りを行ってしまうと、新しい土の中に菌ともども投入してしまうことになるため、必ず避けるようにしてください。

植え替え手順7:鉢の中心に置いて縁から2~4cmのところまで土を入れる

カポックを新しい鉢の中心に、少し根を広げながら根を傷めないようにそっと置き、植え付ける高さと位置が決まったら鉢と株が隠れるように土を入れていきます。この時、鉢の縁から2~4㎝下部分まで土をしっかり入れるように心がけてください。

植え替え手順8:根の隙間まで土をなじませる

カポックの鉢にただ単に土を入れただけでは、内部に空間ができてしまいます。そのため、根の隙間までしっかり土が行き渡るように、割り箸を使って軽く突くようにしながら土を入れていくと、しっかり隅々まで土が行き渡ります。根と土の間に空間ができていると上手く根が生長できないため、必ず隙間が無くなるように心がけてください。

植え替え手順9:植え替え後水やりはたっぷりとあげる

植え替えが完成した後水やりを行い、鉢底から出てくる水が透明になるまでたっぷりの水を与えるようにしてください。また受け皿に溜まった水は必ず捨てておくようにしてください。植え替え後、最低1ヶ月は風通しの良い直射日光の当たらない半日陰の場所で、ゆっくり休ませるようにしてください。

カポックの植え替えと一緒にやりたいお手入れ

ここからは、カポックの植え替えと一緒に行っておきたいお手入れについて、項目別にご紹介していきます。是非読み進めていって、さらにカポックについて理解を深めてくださいね。

植え替えと同じ時期に剪定も行うのがおすすめ

カポックの植え替えを行うと同時に、剪定も併せて行うと一石二鳥です。植え替え時のどのタイミングで行えば良いかというと、根切りを行う時に併せて剪定をしてしまうとベストです。カポックは生長が速い観葉植物のため、古い葉や弱っている葉を剪定した方が、元気に奇麗に早く生長します。

剪定したカポックは挿し木で増やすことができる

カポックを剪定した際にできる枝は、挿し木にして増やせます。カポックの挿し木に適した時期は生長期である植え替えの時期のため、植え替えと同時に行うことをオススメします。また6月の梅雨の時期は挿し木の成功率がアップする時期といわれています。

カポックの剪定の準備物や剪定のやり方

では、具体的にカポックを剪定するにはどのような物を準備すればよいのでしょう?剪定方法と併せてご紹介していきます。

準備するもの

カポックを剪定する際に準備するものは以下の通りです。
  • 剪定ばさみ
  • ビニール袋
  • 水を入れた浅めの容器
一般的な家庭用のハサミでも活用できますが、切れ味が悪いとカポックの枝を傷つけてしまったり、カポックにストレスをかけてしまう恐れがあるため、切れ味の良い剪定ばさみをおすすめします。またビニール袋と水を入れた浅めの容器をあらかじめ用意しておくと、切った枝を挿し枝にする部分と処分する部分にわけられるため、剪定後の片づけが楽になります。

剪定手順1:自分の理想の形を決める

まずカポックにハサミを入れる前に、自分の理想の形を思い描いておきます。もし万が一切りすぎてしまってもカポックは非常に強い観葉植物なので新芽を出してくれるため、心配することなく自分の思い通りの形に剪定して大丈夫です。一般的にはこんもり茂るように丸く剪定する人が多い印象です。

剪定手順2:不要な枝や日当たりが悪くなっている場所の枝を切る

形が決まったら、まず枯れた枝・葉っぱが重なっている部分から切っていきます。切り落とす部分は枝の根元ではなく、枝の根元から10㎝程度離れた場所に切り口が斜めになるようにハサミを入れて切り落とすと、新芽がでやすくなります。基本的に葉っぱが密集している所を切り、風通しや日当たりが良くなるようにしてください。切り口は下の部分より上の部分が少し長めになるようにするとベストです。この形にすることで、枝に雨水がついても水滴が切り口にしみこみにくいため腐りにくくなりますし、切った枝を挿し木に利用する際、根が出やすくなるというメリットがあります。

剪定手順3:風通しが良くなったら全体的に形を整える

不要な枝や葉の剪定が終わり風通しが良くなったら、全体の形をみながら整えていきます。形が自分の思い描いているのと同じイメージになったら剪定は完了です。カポックは育つスピードが非常に速いですし、枝により生長スピードが違うため、数年すれば全体の形がバラバラになります。そのため最低でも植え替えと同時に定期的に剪定をおこなうようにしてください。

カポックの挿し木の準備物と挿し木のやり方

次に、カポックの挿し木をする際の準備物と挿し木の方法を順にご紹介していきます。挿し木の方法を理解し、スムーズに挿し木を行い、カポックを増やしてくださいね。

準備するもの

カポックの挿し木を行う際に準備するものは以下の通りです。
  • コップかボウル
  • 挿し木用の土
  • 3号鉢
  • 割り箸
  • 発根促進剤
挿し木は、基本的に枝を切り取って土に挿しておき増やしていく方法です。カポックをもっと増やしたいと思っている人は、新しい鉢を購入する前に是非試してみてください。それでは、具体的に挿し木を行う手順についてみてきましょう。

挿し木の手順1:葉が付いている茎を10cm程にカットする

カポックの挿し木を行う時期は、植え替えと同じ生長期に当たる5月~7月にかけてですが、特に6月の梅雨時期は挿し木を行うのにベストなシーズンとわれています。まずカポックの葉が3~4枚ついている枝を10㎝ほどカットします。この枝こそがカポックを増やすための「挿し穂」となるため、十分元気な枝を慎重に選ぶようにしてください。

挿し木の手順2:先端の葉を2枚ほどの残して、それ以外は取り除く

手順1でカットしたカポックの枝葉を、葉の蒸散による乾燥から守るために葉をあらかじめ先端の葉を2枚ほど残し、後は減らしておきます。葉からの蒸発を最小限に抑え、発根を促すために大きめの葉を半分にカットしておくことも有効です。

挿し木の手順3:2〜3時間ほど水を吸わせる

挿し穂の断面は斜めにカットし、水を吸い上げる面積を広げておくことも大切なポイントです。根がついていない挿し穂はとても乾燥しやすいため、土に挿す前に2~3時間ほど水を十分吸収させておきます。この作業を「水揚げ」といいます。

挿し木の手順4:茎を土か水に差す

カポックの挿し穂が十分水揚げしたら、土か水に挿してください。水に挿した後、発根が確認出来たら土に挿し替えても大丈夫です。もし発根するか不安な場合は、水差しのまま観察することをおすすめします。もし水差しのまま育てる場合は、毎日新鮮な水に交換しすることが大切です。

土は小粒の赤玉土やバーミキュライトなどがおすすめ

挿し木として土で育てる場合は、「清潔」「排水性に優れている」「養分を含まない」土が生育させるうえで大切なポイントになります。つまり、小粒の赤玉土・バーミキュライトなどがおすすめですし、市販の挿し木用の土を使ってももちろん大丈夫です。

土を使わないハイドロカルチャーもおすすめ

土を使わないハイドロカルチャーという方法で、水差しを行うのもおすすめです。ハイドロカルチャーを使えば、室内の中でも虫などが繁殖しにくく、インテリアとしても清潔にカポックを栽培できます。また透明な容器で栽培するため、水やりの加減が難しく感じている人にとっても簡単に取り組める方法です。

挿し木の手順5:直射日光を避けて発根するのを待つ

土・水に挿したカポックは、直射日光を避けて風通しの良い半日陰で発根するのを待ちます。上手くいけば1~2週間ほどで発根がみられ、水差しで発根させたカポックをより大きく丈夫に育てたい場合は、土に植え替えることをおすすめします。 発根したかどうかを確認する方法としては、「挿し穂に触れて抵抗を感じる」「新しい葉が出てきた」などがあります。新しい枝が10㎝ほど伸びたら適した鉢に植え替え、通常のカポックを生長させる方法で育てて構いませんが、根がしっかり張るまでは直射日光の当たらない半日陰で管理することが大切です。

カポックの植え替え後に枯らさないためには

それではカポックを植え替えた後に枯らさないようにするために、どのようなポイントに着目すればよいかをみていきたいとおもいます。各項目別にご紹介するので、読み進めていってくださいね。

置き場所に注意する

カポックを植え替えた後に注意すべき点は、まず置き場所です。できるだけカポックに原産地の亜熱帯気候のような環境や湿度を与えることが大切です。また葉水はしっかり行うことで元気に生長してくれ、植え替え後の失敗を防げます。

春〜秋:直射日光を避けた明るめの日陰

春~秋の植え替え後のカポックは、直射日光を避けた明るめの半日陰で管理することが大切です。カポックにとって春~秋は生長期のため、屋外なら午前中のみ日の当たる半日陰、室内ならカーテン越しの窓辺の明るい場所で生育させるのがベストです。

冬:0℃より低い場所は避ける

カポックは低温に弱い観葉植物のため、屋外はもちろんのこと室内でも0℃以下になる環境は良くありません。美しい葉をキープしつつ冬越しさせるには、最低でも5℃は必要です。安心して冬越をさせるにはやはり10℃ある方が無難なため、暖房などが程よく効いており直接温風が当たらない環境で、カポックを冬越しさせることをおすすめします。

水やりの頻度に注意する

カポックを植え替えた後、枯らさないようにするためには水やりの頻度に注意することも大切です。各シーズンに応じた水やりの頻度を理解し、適切な方法で水やりを行うことで、植え替え後のカポックを元気に生長させられます。それでは、各シーズンごとの水やりのタイミングについて見ていきましょう。

春〜秋:土の表面が乾いたタイミングで行う

春~秋のカポックの生長期の水やりのタイミングは、鉢に入っている土の表面が乾いたタイミングで行うようにしてください。春~秋にかけてはカポックが水や養分を吸い込む力も活発化する時期のため、たっぷりのお水を与えるように心がけることが大切です。

冬:土が乾いてから3日ほど待ってから行う

カポックに冬水やりを行う場合は、鉢の土の表面が乾いてから3日ほど待ってから水やりを行うようにしてください。カポックは冬、休眠期を迎えており、冬場はほぼ水を必要としていません。その代わり冬場は葉水を毎日1回のペースで行うとハダニやアブラムシなどの害虫から防げるばかりではなく、乾燥からもカポックを守れます。

かかりやすい病気:斑点細菌病、炭そ病など

カポックは植え替えを行った時点では大変弱っているため、斑点細菌病・炭そ病などの様々な病気にかかりやすくなります。また害虫もつきやすく、害虫に犯されていると知らずに放置してしまうと、害虫の排泄物によって更なる病気を招く恐れもあり、徐々に弱らされて最終的には枯れてしまう可能性も高くなります。

付きやすい虫:ハダニ、アブラムシ、カイガラムシなど

カポックを好んで寄ってくる虫は、ハダニ・アブラムシ・カイガラムシなどの害虫が挙げられます。ハダニやアブラムシは葉水をたっぷり行うことで防げますが、カイガラムシは一度ついてしまうと手でこまめに取り除く方法しかありません。 カポックの葉がベトベトしているなと思ったら、カイガラムシが住みついている可能性が高い状況です。カイガラムシはカポックの樹液を吸い、糖分を含んだ排泄物をまき散らします。カポックの葉の付け根や裏に小さな虫を見つけた時は、すぐにブラシで擦り落とすなどして除去するようにしてください。カイガラムシの数が多い場合は、駆除剤をホームセンターや園芸店で購入し、速やかに駆除するように心がけてください。

100均の商品でも観葉植物は成長するのか?

昨今では100均でも多くの種類の観葉植物が販売されています。とはいえ、100均の観葉植物でもしっかり生長してくれるのでしょうか?

100均の土や肥料を使っても観葉植物は成長する

100均の土や肥料を使っても、もちろん観葉植物は十分生長します。100均の土や肥料といっても、今やホームセンターなどで販売しているものと同等の土や肥料で、少ない分量で販売されているため、少しだけ使いたい時にはかえって100均で購入した方が無駄なく使えて助かります。

100均の観葉植物でも手入れをすれば大きくなる

100均で販売されている観葉植物でも、しっかり手入れをして大切に育てれば、大きく丈夫に生長してくれます。ただし100均で購入してきたらすぐに少し大きめの鉢に植え替えることが大切なポイントです。店舗に並んでいる時点で既に根詰まりを起こしていることもあり得るため、必ず購入後すぐの植え替えを心掛けるようにしてください。

適期の植え替えで根詰まりを解消する

購入後すぐに植え替えを行ったからといって、もう植え替えを行わなくても良いわけではありません。カポックの場合は1~2年に一度は必ず植え替えを行うことが大切です。適切な時期に植え替えを行うことで根詰まりを早期に対処できますし、その後起こり得る根腐れなどのトラブルを未然に防げるため、こまめな植え替えはカポックを育てる上で大切なポイントです。

置き場所や水やりの頻度には気を付ける

置き場所や水やりの頻度もカポックの生長期・休眠期に合わせて環境を整えることがカポックの生長には欠かせないポイントです。万が一、注意不足でカポックを弱らせてしまった場合は、早急な対応をすることでカポックの元気を再度取り戻せる可能性が高くなりますが、冬場はカポックの休眠期のためその確率が低くなります。そうならないためにも必ず適切な置き場所・適切な水やりの頻度を心掛け、元気で丈夫なカポックを育ててください。

カポック(シェフレラ)の植え替えを解説!適した時期からお手入れまでのまとめ

この記事では、カポックの植え替えについて主に解説してきましたがいかがでしたか?
  • カポックの正式名称はシェフレラである
  • カポックは耐陰性・耐寒性に強い観葉植物だが、程よい日光・温かい気温で管理することが大切である
  • カポックの植え替えが必要なタイミングは「同じ鉢で1~2年育てている」「下葉が枯れている」「鉢の底穴から根が出ている」である
  • カポックの植え替え・剪定・挿し木におすすめの時期は5~7月で、中でも6月は挿し木の根が出やすいベストタイミングである
  • 植え替え後のカポックを枯らさないためには、「置き場所」「水やりの頻度」「害虫・病気」に気を配ることが大切である
ということが、この記事を読んで理解いただけたと思います。 これらのポイントを押さえ、カポックを上手に植え替えることでさらに元気に丈夫に育てれらることでしょう。ぜひカポックをすくすく生長させてくださいね。 最後まで読んでいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENでは、他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、併せてご覧ください。