バラにつくバラゾウムシとは?正しい対策で蕾や新芽の被害を防ごう

バラにつくバラゾウムシとは?正しい対策で蕾や新芽の被害を防ごう
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

バラの蕾が出るころ、もうすぐ開花する嬉しさにワクワクと心躍る方も多いのではないでしょうか。そんな季節に私たちの頭を悩ませるのが、害虫問題ですよね。 そして、現在、バラを育てている方は、必ずと言っていいほど、バラに危害を加えるバラゾウムシに困っている方が多いのではないでしょうか。 今回は、バラに発生するバラゾウムシの被害と予防を含めた対策方法について詳しく解説したいと思います。 そこでこの記事では
  • バラゾウムシとはどんな害虫?
  • バラゾウムシが発生する条件とは?
  • バラゾウムシにやられたらどうなる?
  • バラゾウムシの対策方法とは?
  • バラゾウムシの予防法はある?
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、バラゾウムシの被害の様子や対策方法、予防方法を学ぶことができます。しっかりと実践することで、確実に対処できますので、ぜひ最後までお読みください。

バラゾウムシとは?

バラゾウムシとはどんな害虫なのでしょうか。まずはバラゾウムシの基本情報について知っておきましょう。

ゾウムシの仲間のクロケシツブチョッキリという害虫

ゾウムシの仲間は、非常に多く、現在1200種類以上いるといわれています。 その中で、ゾウムシの仲間の一種である、バラゾウムシは、別名クロケシツブチョッキリと呼ばれます。体は固く、ケシの粒のように小さい体の害虫です。 ほとんどが、雑木林に生息していますが、一部は、果樹や園芸植物に発生し、私たちを困らせる害虫となって現れています。

バラを加害することからバラゾウムシと呼ばれる

クロケシツブチョッキリは、バラを加害することから、バラゾウムシと呼ばれ、バラを育てている人ならば必ずと言っていいほど頭を悩ませる害虫の1つです。厳密にいうと、バラゾウムシは、バラだけでなく、ノイバラ、サルスベリなどでも発見されます。

ゾウのような鼻をもつ

バラゾウムシは名前の通り、像の鼻のような長い口を持ちます。その口から、バラの葉や蕾に針穴のような極小の傷をつけ、エキスを吸うことで新芽や蕾を枯らしてしまいます。

大きさは体長5㎜以下の小さな虫

バラゾウムシの大きさは、体長おおよそ2mm~3mm、大きくても5mm以下と言われています。日頃からよく観察しておかないと、見逃してしまいそうなほど非常に小さな害虫ですね。

バラゾウムシが発生する条件とは?

それでは、バラゾウムシが発生してしまう条件について解説していきます。バラゾウムシが発生する時期と発生しやすい場所はどのような条件なのでしょうか。

バラゾウムシが発生する時期

まずは、バラゾウムシが発生する時期についてです。

4月~10月の時期に出る

バラゾウムシは4月~10月に発生します。そのため、3月下旬頃から予防や対策を強化していくと良いでしょう。対策方法については後述いたします。

新芽が良く伸び、蕾が付くころに発生しやすい

4月頃と言えば、新芽が良く伸び、蕾が付く頃ですよね。まさにこれからバラが開花するという直前にバラゾウムシは悪さをするのです。

発生しやすい場所

続いて、バラゾウムシが発生しやすい場所についてです。

植物の若くて柔らかい部分をよく狙う

バラゾウムシの雌の成虫は、バラの蕾に産卵し、その蕾や新しい茎の根元の若くて柔らかい部分を食害し、その部分だけを枯らしてしまいます。

新しく伸びたバラの枝の先端や蕾付近の茎に発生しやすい

バラゾウムシの成虫は、新しく伸びてきたバラの枝(新梢)の先端や蕾付近に卵を産み付けるため、その付近によく発生、発見されます。4月頃になったら、この付近をよく観察するように意識してみましょう。

バラゾウムシにやられたらどうなる?

バラゾウムシにやられたら、バラにはどのような被害が出てくるのでしょうか。まずは、バラゾウムシがどのようにバラに発生するのかというところをご説明したいと思います。

バラの蕾に卵を産み付ける

バラゾウムシは、春になると、バラの新芽や蕾に卵を産み付けます。産卵された蕾は食害され、やがて孵化した幼虫の栄養になってしまいます。

花首を傷つけ、しおれさせる

産卵後、産卵した蕾の少し下の花首を細長い口で傷つけ、エキスを吸ってしおれさせてしまいます。まさに、バラを狙う吸血鬼のようですね。その後、枯れた部分の中で卵が孵化し、生まれた幼虫は、その枯れた新芽や蕾を食べて成長していきます。

バラゾウムシの被害を受けたバラの症状

このように、バラに発生したバラゾウムシの被害を受けると、下記のような2つの症状がみられます。

焦げたように黒っぽくなる

バラゾウムシの食害を受けると、一夜にして焦げたように黒っぽくなってしまいます。花首あたりが黒くなっていた場合は、バラゾウムシがバラのエキスを吸った跡と思って間違いないでしょう。

傷付けられた新芽はチリチリに枯れてしまう

バラゾウムシは、小さな穴をあけ、そこからバラの養分を吸っていくため、傷つけられた新芽はチリチリに枯れてしまいます。 乾燥して枯れてしまったように見えるので、水切れと勘違いされることもありますが、バラゾウムシによる被害の場合は、ごく一部分だけが、チリチリになって枯れますので、原因を見分けることができます。

枯れてしまった新芽は再生できない

このように、バラゾウムシの食害によって、枯れてしまった新芽や蕾は再生することはありません。枯れた蕾や新芽の中に産卵されている可能性があるため、それらは摘み取って処分しておきましょう。また、すべての蕾が被害に遭ってしまうとバラの開花を見ることなく、バラのシーズンが終わってしまいます。

バラゾウムシの対策方法

早くバラゾウムシが発生した際の対処法が知りたくなったのではないでしょうか。 バラゾウムシは、大量発生こそしないものの、数匹群がるだけで、大きな被害に広がりやすいので対策法をしっかり押さえておきたいですよね。 それではバラゾウムシが発生した際の対策方法について詳しく解説していきたいと思います。対策方法は主に2つあります。

殺虫剤を散布する

1つ目の対策方法は、薬剤を散布することです。殺虫剤は、バラゾウムシの発生予防はできませんが、今バラの株に発生しているバラゾウムシに対して効果を発揮してくれます。

簡単に駆除を済ませたい方におすすめの方法

3mmほどの小さなバラゾウムシを見つけ、一匹一匹捕まえるのはちょっと大変そうというイメージがあるのではないでしょうか。また、沢山バラの株を育てている方はなおさら簡単にバラゾウムシを駆除したいですよね。そんな方は薬剤散布による駆除がおすすめです。

薬剤散布の時期:4月中旬

薬剤散布は、バラ開花前の4月中旬頃から行うと良いでしょう。この時期から殺虫剤で対策しておくことで、バラの蕾をバラゾウムシから守ることができるでしょう。

薬剤散布の頻度:週に1,2回

頻度としては、週に1~2回程度がおすすめです。頻度が多いと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、綺麗なバラの開花を迎えるためには、こまめな対策が必要です。

薬剤散布の詳しいやり方

先ほどご説明した時期と頻度を目安に殺虫剤を散布していきます。バラにとまっているバラゾウムシに直接殺虫剤を散布していきましょう。その際は、葉の裏側にも散布するのを忘れないでくださいね。 また、薬液が風で飛散したり、薬害が出ないよう、風の強い日や、気温が高い時間帯は避けてください。 バラの株数が多い方は、噴霧器を使用するのがおすすめです。噴霧器は様々な大きさのものがありますから、使いやすいサイズを選びましょう。

特に有効なおすすめの薬剤

殺虫剤は、同じものばかり使い続けると、害虫に耐性ができてしまうため、いくつかの薬剤をローテーションしていくのが良いでしょう。それらを踏まえて、おすすめの薬剤は以下の3つです。
  • ベニカR乳剤
  • スミチオン
  • マラソン
このほかにも各社様々な殺虫剤が販売されていますが、害虫の種類によっても効果が異なります。商品の説明書を確認してから、購入、使用するようにしてください。

捕獲する

2つ目の対策方法は、捕獲することです。準備する道具もあまり必要なく、捕まえて捕殺するのが手っ取り早く手軽な方法です。

無農薬で栽培したい方におすすめの方法

1つ目の対策方法では、殺虫剤の散布をご紹介しましたが、中には、バラを無農薬で栽培したい、薬剤を使いたくないという方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、地道に捕獲するのが一番おすすめです。ちなみに、バラゾウムシを素手で捕獲しても人に害はないのでご安心ください。

枝を叩いて落とす

素手で、そのまま捕まえる方法でもよいですが、直接触るのは抵抗がある・・・という方は、枝で叩いてバラゾウムシを株から落とすビーティング法という方法がおすすめです。 バラゾウムシは、危険を感じると、地面に落ちて逃げるという習性があり、その習性を利用した方法です。

落ちたバラゾウムシをキャッチする

落ちてきたバラゾウムシは、ビニールシートを敷いたり、受け皿、洗面器などでキャッチしましょう。また、ビニール傘もおすすめです。ビニール傘は、手の届かない高さまで伸びたつるバラに発生したバラゾウムシを捕殺するのにも便利です。その広い表面積を活かし、ビニール傘を逆さに持つことで、落ちてきたバラゾウムシをキャッチしやすいようですよ。 意外にバラゾウムシは素早く、飛び立って逃げてしまうこともあるので、慎重に捕獲し、キャッチしたバラゾウムシは、バラに戻ってこれないよう、袋に入れて捨ててください

強く叩きすぎて株が傷つかないよう注意

枝で強く枝をたたきすぎると、バラの枝や株に傷がついてしまいますので、株に衝撃は与えつつ、傷つけないよう注意しながら叩きましょう。

どちらの方法も天気の良い日に行うとよい

薬剤散布、捕獲、どちらの方法も、天気が良い日に行うとよいでしょう。天気が悪いとバラゾウムシが隠れてうまく駆除できない可能性があります。

バラゾウムシは死んだふりをするので注意

バラゾウムシは、衝撃を受けたり、捕まえると死んだふりをすることがあります。気絶しているだけなので、しばらくするとまた動き出し、またバラの株に戻ってきてしまう可能性がありますので、死んだふりをしているうちに、捕殺してしまいましょう。

バラゾウムシの予防法

対策方法について解説してきましたが、そもそもバラゾウムシの発生を予防できる方法があったら知りたいですよね。ここでは4つの予防方法についてご紹介したいと思います。

防虫スプレーを株全体に散布する

1つ目は、防虫スプレーを株全体に散布することです。益虫を生かしておきたい方は、オーガニック(天然素材)の防虫スプレーを使用しても良いでしょう。

株元に卵の連鎖予防の溶液を撒く

2つ目は、卵の連鎖予防の溶液を撒くことです。産卵させないためには、バラゾウムシをはじめとする害虫を寄せ付けないことと、孵化させないことが大切です。前述しました、スミチオン等の殺虫剤の他、土の中の幼虫に効く、オルトランDX粒剤のような錠剤タイプを土に撒くなどして予防していきましょう。

ニームを株元にまく

3つ目は、ニームを株元に撒くことです。ニームとは、インドセンダンの木のことを言い、古来より「アーユルヴェーダ」に使用されるハーブとして有名なインド原産の植物です。この種子の中に含まれる有効成分「アザディラクチン」が素晴らしい虫除け効果を発揮するといわれ、なんと200種類以上の害虫に対して忌避効果が認められているんですよ。

重曹スプレーを散布する

4つ目は、重曹スプレーを散布することです。重曹は人体や植物に害がないため無農薬で予防したい方におすすめです。

重曹を水で薄めたもの

小さじ一杯の重曹を 水1リットルに溶かしてスプレーすると、バラゾウムシの発生予防に効果があると言われています。重曹は価格も安く、水に溶かすだけなのでお手軽な予防方法ですね。

うどんこ病などへの効果も期待できる

うどんこ病はあらゆる植物を悩ませる、葉の表面などに白い斑点ができる植物の病気です。 そして、重曹には、殺菌効果静菌効果があることが知られており、うどんこ病の初期対策にも効果が期待できます。

【まとめ】バラにつくバラゾウムシとは?正しい対策で蕾や新芽の被害を防ごう

いかがでしたか。バラゾウムシの被害と対策、予防方法について解説してきました。 この記事のポイントは
  • バラゾウムシ(別名クロケシツブチョッキリ)は、像のような長い口を持つバラ特有の害虫である
  • バラゾウムシは、4月~10月の蕾が付く頃に発生しやすい。
  • バラゾウムシの幼虫が、食害を起こし黒っぽくチリチリに枯れさせてしまう。
  • バラゾウムシが発生したら、薬剤散布または、捕獲する。
  • バラゾウムシの予防方法は4つ 「防虫スプレーを散布」「卵の連鎖予防の溶液を撒く」「ニームを撒く」「重曹スプレーを散布」
ということでしたね。 これらを押さえればバラゾウムシによる被害を未然に防いだり、発生したとしても被害を最小限に食い止めることができます。ぜひ対策方法や予防方法を実践してくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。