バラの品種「日光」はどんな植物なの?由来からケア方法まで解説

バラの品種「日光」はどんな植物なの?由来からケア方法まで解説
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目次

華やかで多くの方に愛されているバラ。花について詳しくなくてもバラは知っている方は多いのではないでしょうか。「日光」というバラは、文豪で有名な宮沢賢治に愛されていることで有名です。今回はバラ「日光」について詳しく紹介します。 そこでこちらの記事では
  • バラ「日光」について
  • バラ「日光」の基本情報
  • バラを育てる際の水やりポイント
  • バラを育てる際の土のポイント
  • バラを育てる際の肥料のポイント
について解説しています。 この記事を読んでいただければ、バラ「日光」について知識が身に付きます。バラを育てるときに、育て方に悩まなくなるでしょう。最後にはバラの日光の育て方や仕立て方についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

バラ「日光」とは

華やかな花の代表格であるバラ。バラにはさまざまな品種があります。その中の1つである「日光」と呼ばれるバラをご存じでしょうか。バラ「日光」について紹介します。

バラの品種の一つ「グルス アン テプリッツ」の和名

バラ「日光」とは、バラの品種の1つ「グルス アン テプリッツ」の和名です。「グルス アン テプリッツ」は「テプリッツへの挨拶」という意味。「テプリッツ」は、このバラの作出者「ルドルフ・ゲシュヴィント」の故郷、現在のチェコ共和国にある都市です。

雰囲気が柔らかく、香り高い名花

バラ「日光」は雰囲気が柔らかく、香り高い名花です。株全体の雰囲気が柔らかいので、和風洋風どちらのお庭にもぴったり。さらに、香りが高いため、多くのガーデナーに愛されています。

明治時代から愛されてきた薔薇

「日光」は、明治時代から愛されてきた薔薇です。弱剪定を繰り返すことで、ツルバラのように伸ばすこともでき、最長で2.5mほどになります。小さく仕立てたり大きく仕立てたり自由度が高いことも、長年愛されてきている理由です。

バラ「日光」の基本情報

バラ「日光」の基本情報について紹介します。

四季咲きで木立性のバラ

「日光」は四季咲きで木立性のバラです。四季咲きのバラは、気温の条件さえ合えば、何度でも開花する特徴があります。そのため、枝は固くなり早期に自立しやすいです。

樹高は120㎝~150㎝ほど

バラ「日光」は、樹高が120㎝~150㎝ほど半直立性のバラ。半直立とは、比較的に枝が直立気味の樹形で、やや横張りもあります。木立性のバラなので、基本的には150㎝に留まりますが、冬剪定を強くせず、弱剪定を繰り返すと2.5mほどまで大きくなることも。ただし、木立性を大きくし過ぎると、株元が寂しくなるので注意してください。

中輪の香りが強い花を咲かせる

バラ「日光」は、中輪の香りが強い花を咲かせます。通常は、大輪で香りの多いバラが人気ですが、「日光」は中輪にも関わらず、その香りのよさから非常に人気のあるバラです。切り花としても楽しめるので、香りのよいバラを剪定して、お部屋で花瓶に生けてみてはいかがでしょうか。

バラ「日光」を愛した文豪は誰?

バラ「日光」は明治時代からあるバラなので、歴史上の人物にも愛されてきた過去があります。それは誰なのかについて解説します。

「お天気検定」の問題で出題されたことで話題に

「お天気検定」とは、テレビ朝日のグッド!モーニング依田司のお天気検定のことです。2023年5月24日に放送されたお天気検定でバラ「日光」について紹介されたました。

「バラ『日光』を愛した文豪は?」という問題

どのような問題が出題されたのかというと、「バラ『日光』を愛した文豪は?」という誰なのか気になる問題です。

選択肢は芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治の3人の文豪たち

「薔薇『日光』を愛した文豪は?」の問題の選択肢は、芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治の3人の文豪たちでした。青色で芥川龍之介、赤色で宮沢賢治、緑色で太宰治です。いずれも有名な作家で文豪たちですが、その答えは次の項で詳しく紹介します。

バラ「日光」を愛したのは宮沢賢治

問題の正解は、宮沢賢治。バラ「日光」を愛したのは宮沢賢治でした。そこで、宮沢賢治について簡単に紹介します。

童話作家でありながら植物学者でもあり、草花を愛する

宮沢賢治は童話作家でありながら植物学者であり、草花を愛する人です。詩人や教師、宗教家などの顔も持っていました。多方面で活動を行いますが、病に倒れて37歳の若さでこの世を去っています。生涯で多くの短歌や詩、童話などの作品を残しており、国内外を問わず高く評価されています。

宮沢賢治が病院の先生にこのバラを贈ったことに由来する

宮沢賢治が病院の先生にバラ「日光」を贈ったことに由来して、宮沢賢治が愛したバラと呼ばれています。

花巻市では「賢治のバラ」として有名

花巻市では、バラ「日光」は「賢治のバラ」として有名です。宮沢賢治がお世話になった病院の先生は花巻市の方で、その病院の先生の家に自ら植え付けました。その何十年後に品詞の状態だったバラ「日光」を花巻ばら会の方が、時間をかけて復活させたそうです。

「日光」を植える家が数多くみられる

そのためか、花巻市ではバラ「日光」を植える家が数多く見られます。今でも、「賢治のバラ」として、多くの方に愛されて栽培されているそうです。

花巻温泉ばら園の温室にも植えられている

一般の家庭だけでなく、花巻温泉ばら園の温室にも植えられています。温泉に訪れる方の癒しのバラになっているのでしょう。

バラを育てる際のポイント

バラ「日光」について知ると、バラを育てたくなりませんか。バラを育てる際のポイントについて紹介します。

置き場所

バラの置き場所は以下の3点について気を付けます。
  1. なるべく日当たりと風通しの良い場所で栽培する
  2. 風通しが悪いとうどんこ病が発生しやすくなる
  3. 冬の間はよく日光に当てることを心がける
それぞれ詳しく見ていきましょう。

なるべく日当たりと風通しの良い場所で栽培する

バラはなるべく日当たりと風通しの良い場所で栽培してください。バラは屋外の日当たりの良い場所で育つ植物です。そのため、直射日光に当たることが非常に重要。日当たりが悪いと、花が咲かないことが多いため気を付けてください。 また、屋外であっても、周囲が壁や気に囲まれて風通しが悪いと病害虫の発生につながります。したがって、日当たりと風通しがよい場所に置いてください。

風通しが悪いとうどんこ病が発生しやすくなる

バラを置く場所の風通しが悪いとうどんこ病が発生しやすくなります。うどんこ病とは、うどんの白い粉のようなものが枝葉や花に付く病気です。うどんこ病が進むと生育が悪くなり、花も綺麗に泣かなくなるので注意してください。風通しが悪いと原因である菌が空気中に蔓延して、枝葉や花に付着して病気を発生させます。 そのため、風通しがよい場所に置くことで、菌は風に流されて、うどんこ病の発生を未然に防げるわけです。

冬の間はよく日光に当てることを心がける

バラは冬の間もよく日光に当てることを心がけてください。バラは、冬は落葉しますが寒さには強い植物です。 そのため、霜雪が降っていても屋外に置いて日光に当てることが重要。寒い冬に枝全体に日光を当てることで、春にしっかりした新芽ができて立派な花が咲きます。冬に、寒さが心配だからと言って室内に入れると、肝心の春には花が咲かないこともあるので、注意してください。冬はすべての枝の葉を落葉させて、しっかり日光に当たる場所に置いて育てましょう。

水やり

置き場所に次は水やりについて解説します。バラに限らず、植物に対して水やりは非常に重要な作業です。水やりは単純のようで難しいので、季節によって気を付けて行いましょう。

年間を通して土が乾いたらたっぷり与える

バラの水やりは年間を通して土が乾いたらたっぷり与えてください。特に花が咲く春や秋は、蕾の時に水切れすると綺麗に咲かない原因になるので気を付けます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと与えてください。 夏の水やりは、気温の高くない早朝にたっぷり水やりしましょう。気温の高いお昼の時間帯に水やりすると、土の中が蒸れて根腐れして枯れる恐れがあります。また、夜中に水やりすると、病気の原因になったり、茎が間延びて樹形が悪くなったりするので注意してください。

冬の休眠期は水やりを控えめにする

冬の休眠期は水やりを控えめに行いましょう。気温の低い朝や夜に水やりすると、土の中で根が凍結する恐れがあります。なるべく気温の高いお昼くらいに与えてください。土もしっかり乾いてから、水やりします。休眠期は落葉して葉がない状態になっていることが多いので、水を吸っても吐き出す場所がありません。 本来は、葉から蒸散して水分を外へ出しているためです。葉のない状態で、水をやり過ぎると根腐れの原因になるので注意しましょう。

バラの土について紹介します。植物は土によっても成長が異なるので、適した土を使うことが重要です。

水はけがよく有機質に富んだ土を好む

バラは水はけがよく有機質に富んだ土を好みます。土の水はけが悪いと、土が常に湿って根腐れの原因になるので気を付けてください。また、腐葉土や堆肥などの有機質が多く含まれている土は、ふかふかしています。ふかふかしていると、根の張りがよく、バラも大きく成長するので、土には有機質をしっかり混ぜ込んであげてください。土の水はけが悪い場合は、小粒の軽石や鹿沼土などを混ぜて調整します。

市販のバラ専用用土がおすすめ

バラを初めて育てる方は市販のバラ専用用土がおすすめです。バラ専用用土は、その名の通りバラにとって最適な状態の土なので、バラがよく育ちます。地植えや鉢植えでも、専用用土を使って育てると安心です。

肥料

バラは肥料を好む植物です。肥料にはそれぞれ与える時期や季節によって呼び方が異なります。さらに、四季咲き性品種と一季咲き性品種で肥料を与える回数も違うので注意が必要です。バラの肥料の呼び方は以下の通り。
  • 元肥(もとごえ):植え付け時に与える肥料。固形の発酵油かすなどを施します。
  • 寒肥(かんごえ):12〜2月に、すべてのタイプのバラに与える肥料。固形の発酵油かすなどを施します。
  • お礼肥え(おれいごえ):5月下旬〜6月下旬(春の花の開花後)に、鉢植えのバラと四季咲き性品種に与える肥料。固形の発酵油かすなどを施します。
  • 追肥(ついひ):8月下旬〜9月上旬に、四季咲き性品種に与える肥料。固形の発酵油かすなどを施します。

四季咲き性品種の場合

四季咲き性品種の場合は、上記の4回の肥料を与える必要があります。四季咲き性のバラは気温の条件さえ合えば、花が咲くので多くのエネルギーを消費します。その分、肥料によってエネルギーを補填してあげる必要があるのです。四季咲き性のバラを綺麗に咲かせたい場合は、肥料切れがないように気を付けてください

一季咲き性品種の場合

一季咲きのバラの場合は、植えるときの元肥と冬に与える寒肥で十分です。一季咲きのバラのほとんどは、春に咲きます。そのため、花が咲く前の冬にエネルギーを蓄えさせるために冬に肥料をあたえてください。花が咲かない夏や秋には肥料は与えると葉ばかり茂って、手入れが大変になるので気を付けましょう。

バラ「日光」の育て方のポイント

バラ「日光」の育て方のポイントについて紹介します。

鉢植え・地植えどちらにも向いている

バラ「日光」は鉢植え・地植えどちらにも向いています。半木立性のバラなので、まとまりがよいです。そのため、鉢植えであっても地植えであっても管理しやすく見栄えもよいでしょう。庭がない場合は鉢植えで育てて、庭がある場合は地植えで育ててみてはいかがでしょうか。

うどんこ病に弱いため注意が必要

バラ「日光」は、うどんこ病に弱いため注意が必要です。

うどんこ病の予防法

うどんこ病の予防方法は、風通しをよくすること。そして、水のやりすぎに注意することです。茂り過ぎた枝葉は、定期的に風通しがよくなるように剪定してください。また、屋外でも、周りに壁があると風通しが悪くなるので注意しましょう。なるべく開けた場所で管理することがポイントです。

うどんこ病の対処法

うどんこ病になったら、殺菌剤をまくことが重要です。初期症状で枝葉に少し粉が付いた状態でも、株すべてに殺菌剤を散布してください。目に見えて現れているのが一部でも、株全体にうどんこ病の菌があるためです。放っておくと、一斉にうどんこ病が発生して手を付けられなくなるので、早めの対処が重要になります。

樹高は剪定で調整でき、つる状に伸ばすことも可能

バラ「日光」の樹高は剪定で調節でき、つる状に伸ばすことも可能です。ただし、本来は半木立性なので、ツルバラほどは伸びません。およそ2.5mほどです。それも弱剪定を繰り返すことで伸びるので、長く伸びるまではやや時間がかかります。木立性と同様に強剪定を繰り返すと、1.5m程度しか伸びないので、長く伸ばしたい場合は、短く切らないことがポイントです。

つるを誘引してアーチ仕立てにするのもおすすめ

バラ「日光」はつるを誘引してアーチ仕立てにするのもおすすめです。ツルバラはアーチやトレリスなどで仕立てると、広い範囲にたくさんの花を咲かせます。それと同様につるを伸ばした日光もアーチなどに仕立てることが可能です。 真っすぐ仕立てるのではなく、なるべく枝が横向きになるように巻き付けて仕立ててください。植物には頂芽優勢という性質があり、頂点部分に栄養が溜まりやすいです。真っすぐ仕立てると、てっぺんにしか栄養が溜まらず花があまり咲きません。横向きにすると、どの部分にも栄養が溜まりやすく花が咲きやすくなります。ただし、無理に横に曲げると折れるので、折れない程度に傾けることが大切です。ぜひ素敵なアーチ仕立てを作ってください。

【まとめ】バラの品種「日光」はどんな植物なの?由来からケア方法まで解説

ここまでバラ「日光」について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは
  • バラ「日光」は「グルス アン テプリッツ」の和名であり、明治時代から雰囲気が柔らかく香りが高いことで愛されている
  • バラ「日光」は木立性のバラで、1.2m~1.5mの樹高で香りの強い中輪の花を咲かせる
  • バラは一年を通して基本的に、土が乾いたら鉢底から水が流れるくらいにたっぷり与えるのがポイントで、冬は少なめにする
  • バラの土は有機質に富んだ水はけのよい土で育てることが重要で、バラ専門用土を使うと初心者でも簡単に育てられる
  • バラの肥料は四季咲き性のバラには「元肥」「寒肥」「お礼肥え」「追肥」一季咲きのバラには「元肥」「寒肥」が必要
です。 バラ「日光」について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考に、バラ「日光」を育てたりプレゼントしたりしてみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。