観葉植物

失敗しないアガベの胴切り方法を徹底解説!胴切り後のケア方法まで

尖った葉をもつワイルドな見た目のアガベという観葉植物をご存知でしょうか。アガベは丈夫で育てやすい観葉植物として人気が高いのですが、増やし方のひとつに「胴切り」という方法があります。胴切りは難しく思われがちですが、様々な方がブログなどで紹介しているのでもわかる通りアガベに適した増やし方なのです。

そこでこの記事では、

  • アガベの胴切りとは?
  • アガベの胴切りと縦割りの違い
  • 胴切りの時期やタイミングについて
  • アガベの胴切りで必要なもの
  • 失敗しないアガベの胴切りの方法
  • 胴切りした後のアガベの管理方法
  • アガベの胴切りのコツとポイント
  • アガベの胴切りにおけるトラブルと対処方法
  • 胴切りにおすすめのアガベの品種

以上のポイントを中心にアガベの胴切りの解説をしていきたいと思います。

アガベはしっかりとした見た目の通り、丈夫で生育力が旺盛な観葉植物です。そのため、胴切りにも適していますので初めての方でもアガベでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。胴切りに適したアガベの品種もご紹介していますので、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。

目次
  1. アガベの胴切りってなに?
    1. アガベを中心部から切り、上下に分けること
    2. 胴切りの目的
  2. アガベの胴切りと縦割りは違うの?
    1. 胴切りも縦割りもアガベを増やす時に用いられる方法
    2. 胴切りと縦割りの違い
  3. アガベを胴切りするタイミングや時期はいつ?
    1. アガベを胴切りするタイミング
    2. アガベを胴切りする時期
  4. アガベの胴切りに必要なもの
    1. 太さ0.45mmのワイヤー(カッターやナイフでも可能)
    2. 消毒用アルコールかライター
    3. グローブ
    4. 殺菌剤(ダコニール粉剤やトップジンなど)
    5. ハケ
    6. 株を固定するもの
    7. 彫刻刀
  5. 失敗しないアガベの胴切りのやり方
    1. ①:用土を乾燥させる
    2. ②:ワイヤーナイフを殺菌する
    3. ③:株を固定する
    4. ④:適切な位置でアガベを横に切る
    5. ⑤:成長点を彫刻刀でえぐりとる
    6. ⑥:切り口に殺菌材を塗り消毒する
  6. 胴切りした後の管理方法
    1. 地上部(下側)
    2. 天部分(上側)
  7. アガベの胴切りのポイント
    1. ある程度株が大きいもをの腰切りする
    2. しっかり根が張っている
    3. 葉数も多いもの
    4. 切り口はしっかりと乾かす
    5. 胴切りした上の部分は乾燥した土の上に置く
    6. 子株 発根を確認するまでは水やりは控える
  8. 胴切りしたアガベに見られるトラブルと対処法
    1. なかなか根が出ない
    2. 胴切り後に枯れる
  9. 胴切りで子株を増やすことができる品種を紹介!
    1. アガベ・チタノタ
    2. アガベ・笹の雪
    3. アガベ・アテナータ
    4. アガベ・雷神
  10. 【まとめ】失敗しないアガベの胴切り方法を徹底解説!胴切り後のケア方法まで

アガベの胴切りってなに?

まず初めに「アガベの胴切りとは?」という質問に回答していきましょう。胴切りという作業はあまり聞いたことがないという方が多いかもしれませんが、生命力や繁殖力の強い植物を増やすための作業なのです。胴切りはサボテンや多肉植物などでもよく行われる増やし方だといえるでしょう。最近では、ネット通販などでも胴切りしたアガベが出品されているのを見ることができます。株や苗の状態では高額なアガベも、出品された胴切りの子株はお安く購入することもできるのです。

アガベを中心部から切り、上下に分けること

胴切りはアガベを中心部から横にカットして、上下に分けてしまう作業のことを指します。大胆にカットするので枯れてしまわないか心配になる方も多いかもしれませんが、適切に作業・管理していけば新しい株としてアガベを仕立て直すことができるのです。カットされたアガベは、生命力によって止まっていた成長点が動き出すので上手に胴切りをすれば新しい株を複数、作り出すことができます。

胴切りの目的

アガベを胴切りする目的やメリットはいくつか挙げられます。まずは、アガベの胴切りの目的についてご紹介していきましょう。アガベは葉が伸びて徒長しやすい観葉植物だと言われています。胴切りを行えばのびのびになってしまったアガベの苗を、新しくきれいな形に仕立て上げることができるのです。アガベだけでなく、多肉植物でも徒長しやすい苗にはよく胴切りが用いられています。

強制的に子株を出させ増やす

アガベの品種の中には親株のそばに子株を出しやすいものもありますが、多くのアガベが子株をつけるわけではありません。そのため胴切りによって強制的に子株を増やすことで、若く生命力にあふれた株を作り出すことができるのです。ちなみに子株をカキ子と呼ぶこともあります。カキ子は園芸用語のひとつで、従来は掻き子と呼ばれていたと考えられているのです。

下葉が傷んだ株を仕立て直す

アガベが成長していくとどうしても古い下の葉が傷んだり、日やけしたりしてしまうことがあります。胴切りによって強制的に世代交代させることで、古い株から新しい株に仕立て直すことができるのも大きなメリットと言えるでしょう。

アガベの胴切りと縦割りは違うの?

胴切りと似たような作業に縦割りというものがあります。縦割りも胴切りも、アガベの生命力を高めて強制的に芽吹きを高める作業です。この項目では、胴切りと縦割りがどのように違うのかについて解説していきます。

胴切りも縦割りもアガベを増やす時に用いられる方法

胴切りも縦割りも前述したように、アガベを強制的に増やす方法です。自然に育てていてもなかなか子株をつけない品種であったり、レアな品種だったりする場合は普通よりも早く子株がつく胴切りや縦割りの作業を行ってみてはいかがでしょうか。

胴切りと縦割りの違い

では、胴切りと縦割りにはどのような違いがあるのでしょうか。この項目では、胴切りと縦割りの使い方の違いやメリットについてご紹介していきます。

切断した株を再利用できるか

胴切りと縦割りの大きな違いは、切断した株を再利用できるかどうかによるのです。胴切りの場合は、苗を半分ほどに横へカットするのできれいな切断面を心がければ切断した上の株からも発根が期待できます。一方で、縦割りはその名の通り上下に半分に分けるので切断した株を再利用することはできません。縦割りはあくまでも、古い苗を利用して新しい子株を芽吹かせる作業なのです。

利用する株のサイズ

利用する株のサイズも、胴切りと縦割りでは異なります。胴切りは、カットした上下の苗が枯れないためにもある程度のサイズのアガベが必要となってくるのです。それに対して、縦割りは小さめのサイズの苗でも行うことのできる作業です。中心から左右に分けた株から芽吹きを待つので、小さくてもチャレンジできるのが縦割りのメリットだと言えるでしょう。

新芽が生える数

胴切りと縦切りでは、新芽が生える数にも違いがあります。胴切りよりも縦割りのほうが、基本的に芽吹く株の数が多いと考えられているのです。縦割りはたくさんの新芽が生えると期待されていますので、気に入った苗を量産したい方やいくつかの芽吹いた苗から見た目の良いものを選びたいという方に適しています。一方で、胴切りは大切に育ててきた株を枯らさないようにしながら世代交代を促したい方に向いているのです。

アガベを胴切りするタイミングや時期はいつ?

胴切りの概要がわかったところで、どんなタイミングでアガベをカットすればよいのでしょうか。この項目では、アガベを胴切りにするタイミングや適切な時期についてご紹介します。

アガベを胴切りするタイミング

アガベを育てている中で、胴切りが必要になってくるタイミングがいくつかあります。下のような兆候が見られたときは、胴切りのタイミングですので思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

アガベが徒長し形が崩れてきた時

アガベはしっかりとした肉厚の葉が丸まって、バラの花のような形を見せてくれるのが魅力の観葉植物です。しかし日光不足や水のやりすぎによって葉が伸びて形が崩れてきてしまうことがあります。このようにアガベが徒長して形が崩れてきた時は、胴切りを行うタイミングだとみてよいでしょう。

根腐れを起こし見た目が悪くなっている時

アガベは過湿によって根腐れを起こしやすい観葉植物でもあります。根腐れを起こすと葉がしなびてきたり、変色したりしてしまいます。根が完全に腐ってしまう前に胴切りを行えば枯れてしまうことを回避することができるとともに、見た目を改善することができるのです。

アガベを増やしたい時

アガベに問題がなくても、同じ株を増やしてみたいという時は胴切りを行うタイミングでもあります。ある程度の大きさまで成長したアガベであれば、新しく子株を生やして仕立て直すこともできますので胴切りの作業を行ってみてはいかがでしょうか。

アガベを胴切りする時期

アガベを胴切りする時期は一年の中でも生育期が適しています。生育期以外の休眠期にこの作業を行ってしまうと高確率で枯れてしまいますので、注意しましょう。

生育時期である春か秋の時期に行う

アガベの胴切りは生育時期である春から秋の時期に行います。日本の気候の中では、3月から10月が適期と言えるでしょう。初めて胴切りの作業を行う方は、その後の成長が期待できる(3月~5月)がおすすめです。冬場はアガベの休眠期にあたりますので、基本的には胴切りの作業は行いません。

冬の時期の季節はずれに行うと子株発根しない可能性が高まる

冬の時期はアガベの休眠期に当たりますので、せっかく胴切りをしても子株が発根しない可能性があります。子株が発根しないとそのまま枯れてしまうこともあるのです。季節はずれの時期には胴切りなどのストレスがかかる作業は行わないようにしましょう。

アガベの胴切りに必要なもの

では、実際にアガベの胴切りを行う上で必要なものはどんなものなのでしょうか。まずは胴切りに必要な道具についてご紹介していきます。

太さ0.45mmのワイヤー(カッターやナイフでも可能)

太さが0.45㎜のワイヤーはアガベをスムーズにカットするために用います。カッターやナイフでも代用できますが、新品の刃がついたものを用意しましょう。ワイヤーでカットすると他の葉を傷めずにすむメリットがありますが、刃がついていないので力が必要というデメリットもあります。ワイヤーの太さは細すぎるとワイヤーが切れてしまう可能性があり、太すぎるときれいにカットできないことがありまうので注意しましょう。

消毒用アルコールかライター

カッターやナイフ、ワイヤーが新品ではない場合、除菌のために消毒する必要がありますので、消毒用のアルコールかあぶって殺菌するためのライターを用意しましょう。

グローブ

グローブはワイヤーでアガベをカットするために装着します。素手でワイヤーを扱うと手のひらが傷んでしまう可能性がありますので注意しましょう。また、アガベにはトゲが生えている品種が多いのでグローブをはめてつかむのがおすすめです。

殺菌剤(ダコニール粉剤やトップジンなど)

ダコニール粉剤やトップジンなどの殺菌剤は、切り口を消毒して病気を防ぐために用います。

ハケ

ハケは、切り口にダコニールやトップジンなどの殺菌剤を塗布する時に用います。切り口が小さくなりそうであれば小さめのハケを、大きくなりそうであれば大きめのハケを選びましょう。

株を固定するもの

株を固定するものは、アガベをカットする時に使いましょう。代表的なものでは、園芸用トレーに鉢を入れて固定する方法が挙げられます。アガベが引っ張られて倒れないようにフォローしてあげるものを用意しましょう。

彫刻刀

ワイヤーやカッターでカットした面は平面で成長点が残っていることがあります。彫刻刀はそんな切り口から成長点を取る時に用いるのです。

失敗しないアガベの胴切りのやり方

それでは、実際に失敗しないアガベの胴切りのやり方について手順を追って解説していきます。ひとつずつ確実に作業を行えば失敗することもないはずですので、ここでご紹介するやり方を念頭に置いてチャレンジしてみてくださいね。

①:用土を乾燥させる

まずはアガベが生育している用土をしっかりと乾燥させましょう。胴切りで失敗するポイントが水分によるカビですので、それを防ぐためにも用土の乾燥は重要です。

②:ワイヤーナイフを殺菌する

ワイヤーやナイフ、カッター、彫刻刀を殺菌しましょう。同じ作業を他のアガベの苗で行う場合もその都度、除菌が必要です。除菌スプレーやライターの炎を使って殺菌するとお手軽ですよ。

③:株を固定する

ワイヤーでアガベをカットする時は、ズレたり倒れたりしないように株を固定する必要があります。株を固定するためのお手軽な方法は、園芸用トレーにアガベの苗を入れたり誰かに押さえてもらったりするのがおすすめです。紐などで固定しても良いですね。

④:適切な位置でアガベを横に切る

グローブをはめたら、アガベの苗の半分から3分の2ほどの低い位置でアガベを横に切りましょう。下の葉が一周ほど残るくらいが目安です。これ以上の高さで下葉を残してカットしてしまうと、上側の株に成長点が残らない可能性があります。ワイヤーをぐるっと巻いて、交差させてから思い切って横に引いてカットしましょう。ナイフやカッターを使う時は、他の葉を傷つけないように気を付けましょう。

⑤:成長点を彫刻刀でえぐりとる

成長点は切り口の中心にありますので、彫刻刀でえぐりとりましょう。思い切って成長点を取ってしまうことで、葉の周りから新しい子株が芽吹きやすくなるのです。

⑥:切り口に殺菌材を塗り消毒する

切り口には病気を防ぐためにダコニールやトップジンなどの殺菌剤を塗布して消毒しておきましょう。上側と下側の両方に殺菌剤を塗っておくのがポイントです。

胴切りした後の管理方法

胴切りができたところで、その後はどのように管理するべきなのでしょうか。実は胴切りの作業よりも、その後の管理の方が胴切りを成功させるためには重要なのです。

地上部(下側)

根が残る地上部は、乾燥させつつも根から吸水させて子株が芽吹くのを待ちましょう。葉はゆっくりとしおれてきてしまう可能性もありますが、根まで枯れていなければ子株が出る可能性がありますので気長に待ってあげましょうね。

明るい日陰で管理する

カットしたアガベの苗の下側は、鉢に植わっているはずですので雨の当たらない風通しの良い明るい日陰で管理しましょう。

水やりは鉢底から給水させる

切り口がしっかりと乾くまで上部からの水やりは行わないようにして、鉢皿から吸水させるようにするのがポイントです。

天部分(上側)

上側の天部分も同じようにしっかりと乾燥させるのが重要です。根がないので不安に思う方も多いかもしれませんが、カットしたままの状態で数か月はもちますので安心してくださいね。天発根は数か月から半年ほどはかかるとみておいて良いでしょう。

傷口を完全に乾燥させる

天部分も切り口や傷口をしっかりと乾燥させましょう。切り口の乾燥が不十分だとカビや病気が発生してしまいますので注意が必要です。土の上に乗せて発根させる前に数時間くらいは空気中で乾かしたり、新聞紙で水分を吸収させたりしてあげましょう。

乾燥させたアガベの天を乾いた土の上にのせ天発根するのを待つ

完全に乾燥させたアガベの天は乾いた土の上にのせて天発根するのを待ちましょう。用土は草花の培養土のような保水に優れた用土よりも、観葉植物の土や赤玉土のような粗い目の用土を選ぶのが重要です。

アガベの胴切りのポイント

続きまして、アガベの胴切りのポイントについてご紹介します。こちらのポイントを守ればかなり成功率が上がりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

ある程度株が大きいもをの腰切りする

まず、一番目のポイントはある程度成長した大きい株を使うということです。鉢サイズで目安をご紹介すると、4号~5号くらいがおすすめといえるでしょう。ある程度、大きい株の方が生命力が豊かでその後の発根に期待ができるのです。

しっかり根が張っている

アガベの胴切りする株はしっかり根が張っているものを選ぶようにしましょう。胴切りによって地上部の葉がほとんどなくなってしまいますので、根が張り巡らされていないと吸水が十分にできずに枯れてしまう可能性があるのです。根の張り具合は、鉢を持ち上げて底穴からチェックしてみるのが良いでしょう。

葉数も多いもの

アガベの葉の数が多いのも重要なポイントです。アガベの成長点は葉のつけ根にありますので、その数が多いほうが成功の確率が上がると考えられています。アガベを胴切りするときは、光合成のために下の葉を数枚は残しておくようにしましょう。

切り口はしっかりと乾かす

カットした切り口は上部も下部もしっかりとかわかすようにしましょう。完全に乾くまでには数か月ほどかかることもありますので、風通しの良い半日陰の場所で気長に管理しましょう。

胴切りした上の部分は乾燥した土の上に置く

胴切りして根を失った上の部分は乾燥した土の上に置いて乾かします。こちらも完全に乾くまでには数か月~半年ほどかかるとみてよいでしょう。定期的に土の上の切り口を確認してカビがついていないかチェックしましょう。カビがついている時は、カビを落としたあとに風通しの良いところに置いてしっかりと乾かします。

子株 発根を確認するまでは水やりは控える

上の部分も下の部分も子株の発根を確認するまでは水やりを控えましょう。ついつい水やりをしてあげたくなってしまいますが、過湿によってカビが発生したり腐ってしまったりする可能性があります。アガベはしっかりとした葉をもっていますので、だんだんと枯れてきてしまったように見えてもそのまま水やりをしないで管理しましょう。半年くらいは水やりをしなくても枯れることはありません。子株の発根を確認したら控えめに水やりを始めるようにしましょう。

胴切りしたアガベに見られるトラブルと対処法

胴切りの手順や管理方法がわかったところで、胴切りしたアガベによく見られるトラブルと対処方法についてご紹介していきます。トラブルの種類と対処方法を把握していれば、いざその状態になったときにも適切な対処ができるはずです。

なかなか根が出ない

カットした切り口からなかなか根が出ないというのはよく聞かれるトラブルだと思います。適切な方法でカットして管理していれば根がなかなか出なくてもそのまま管理して問題ありませんが、以下によくある対処方法についてご紹介しておきます。

品種によって発根に時間がかかることも

アガベは成長がゆっくりな品種もありますので、発根に時間がかかることが挙げられます。半年~一年ほどかかる品種もあるくらいなのです。適切な環境で管理していればいつかは発根の可能性もありますので、慌てて水やりなどをせずに気長に様子をみてあげてくださいね。

切り口にルートンやメネデールの発根促進剤を塗る

切り口にルートンやメネデールなどの発根促進剤を塗布するのは根が出ないトラブルに対する有効的な対処方法です。ルートンやメネデールには、切り口を保護するとともに成長促進物質を含んでいますので普通よりも早く発根が期待できると考えられています。

天の部分は下葉を数枚取り株元が出た状態にしてみる

上部の天の部分は下の葉を数枚取り除き、株元が出た状態にしてみましょう。下葉からは発根が期待できませんので、そのまま取り除き処分します。株元が出ていると発根の促進が期待できるはずです。

胴切り後に枯れる

丈夫なアガベですが、胴切りを行った後に枯れてしまうトラブルも見られます。せっかく胴切りしたのですから、コツをつかんで成功したいですよね。カットした株を管理する環境を見直せば、枯れるのを防ぐことも可能ですので下の方法を試してみましょう。

切り口の乾燥が不十分であった可能性が高い

切り口の乾燥が不十分だと、カビや病気が発生しやすくなり枯れ始めてしまう可能性があります。もう一度、しっかりと切り口を乾かすか大き目のアガベであればもう一度カットする方法をとることもできますよ。

新聞紙を使ってしっかりと水分を取る

切り口をしっかりと乾かすために、新聞紙を使って水分を吸収させてあげましょう。定期的に新聞紙を交換することで、切り口が完全に乾くはずです。新聞紙で切り口を乾かすとともに、置き場所が過湿ではないかも今一度確認しておきましょう。

胴切りで子株を増やすことができる品種を紹介!

最後に、アガベで胴切りを行い子株や増やしやすい品種についてご紹介します。こちらでご紹介した品種は、比較的に初心者でも胴切りにチャレンジしやすい品種なので新しく購入するときは選んでみてはいかがでしょうか。

アガベ・チタノタ

アガベの品種の中でも定番と言えるアガベ・チタノタは、最近になって人気が高まっているワイルドな見た目が魅力です。丈夫でアガベを初めて育てる方にもおすすめのアガベ・チタノタは暖かい地方でしたら地植えにすることもできます。鉢植えでは30㎝ほどの大きさまで成長しますので、楽しみながら育てることができるのではないでしょうか。

アガベ・笹の雪

ロマンチックな笹の雪という名前を冠するこの品種は、上品で美しい見た目が人気です。アガベの中では多めの葉を伸ばす笹の雪は、ターコイズグリーンの葉のふちをクリーム色が彩っているのでさわやかな雰囲気を醸し出しています。アガベ・笹の雪は耐寒性もある程度あるので、地植えにしても良いですね。

アガベ・アテナータ

ヤシの木のような個性的な見た目が魅力的なアガベ・アテナータは、厚みのある葉ととげのない特徴が室内にも飾れると人気の品種です。メキシコ地方が原産のアガベ・アテナータは寒さに弱い特徴があるものの、他のアガベにはないような幹立ちのシルエットがエキゾチックにお部屋を彩ってくれるはずです。

アガベ・雷神

黒っぽいトゲが雄々しい雰囲気を感じさせてくれるアガベ・雷神は、小さくコンパクトに管理できると人気の高い品種です。丈夫な性質と、親株のそばに子株をつけやすい特徴があるので胴切りにチャレンジしてみたいという方だけでなく、子株を株分けして増やしたいという方にもおすすめの品種なのではないでしょうか。

【まとめ】失敗しないアガベの胴切り方法を徹底解説!胴切り後のケア方法まで

いかがだったでしたか。

自分が育てていたアガベを胴切りして新しい子株を成長させるのは、園芸愛好者にとっての憧れなのではないでしょうか。アガベは生育力も旺盛なので、胴切りの成功率が高いはずです。今回、ご紹介したポイントをふまえてぜひ胴切りにチャレンジしてみてくださいね。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • アガベの胴切りは株をカットして強制的に子株を芽吹かせる方法
  • アガベの胴切りは上下に株を分け、縦割りは左右半分に分ける作業
  • 胴切りの時期は春から秋にかけての生育期を選ぶ
  • 胴切りのタイミングは徒長して形が崩れてきた時や下葉が傷んできた時がおすすめ
  • アガベの胴切りを成功させるコツは切り口の乾燥と置き場所、しっかりとした苗を選ぶ事
  • 発根促進剤や殺菌剤を切り口に塗布すると成功率が上がる
  • 使用する道具はその都度、殺菌する
  • 発根までにかかる時間が長い品種もある
  • 根腐れを防ぐために水やりを控えることと切り口を完全に乾かすことが必要

胴切りは大切に育てていた株をばっさりとカットするので、勇気のいる作業ですが慣れてしまえばお気に入りのアガベを増やすことができます。最近ではYouTubeやブログでも胴切りの方法を公開している方が多いので、ぜひフォローしてみてはいかがでしょうか。ネット通販でも、熟練者が上手に胴切りしたアガベが出品されているのを見ることができますよ。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

記事執筆者長岡 孝樹」

この記事の執筆者長岡 孝樹
NFDフラワーデザイナー

社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)デザイナー。「お花や観葉植物で日常を彩る」を実現するためにWebメディアTOKYO KOTOBUKIENを運営中。メディア運営だけでなく、Amazonや楽天にも自社商品を出店。フラワーデザイナーの知識を活かし自社商品の提案など幅広く行う。