アマリリスは、長くて太い茎の先に、ユリによく似た花を複数つけます。その華やかな佇まいから人気のある球根植物です。豪華な大輪や八重咲の花、花びらが細かく繊細なタイプ、愛らしい小輪も見かけるようになりました。
しかし、アマリリスの育て方ってイマイチよくわからない人っていると思います。また、どこに置けばいいのか、水はどれだけやればいいのか、肥料は?日当たりは?と疑問に思えば思うほど、どういう育て方をすればいいかわからなくなってしまうと思います。
そこで、この記事では
- アマリリスってどんな花?
- アマリリスの育て方のポイント
- アマリリスの植える時期って?
- アマリリスの花が咲いたらやっておくこと
- アマリリスの水栽培での育て方・やり方
を解説していきたいと思います。
この記事を最後まで読んでいただければ、アマリリスの育て方やコツについて詳しくわかると思いますので、ぜひご覧ください!
アマリリスとはどんな花?

まずは、アマリリスの花について解説していきたいと思います。
ヒぺアストラム科の球根植物
アマリリスの原産地は、中央アメリカ・南アメリカとなっています。園芸上、アマリリスと呼ばれていますが、実際はヒペアストラム属の植物なのです。かつて、アマリリス属に分類されていたために、今では総称として呼ばれています。
本来のアマリリスは、南アフリカ原産のアマリリス・ベラドンナなど、2種類しかありません。アマリリスは原種だけでも90種類、品種改良した園芸品種を加えれば数百種となります
アマリリスは誕生日に送るのに適した花です。ネットショップでは詳しく説明をしてくれているので、メルマガなどを登録しておけば、適したアマリリスを贈ることができるでしょう。
大きく鮮やかな花が特徴
アマリリスは、花径10~20cmもある鮮やかな色の大きな花を、太い茎に咲かせるのが特徴です。春の終わりから初夏にかけて、ユリのような形の花を開花させます。
ちなみに、アマリリスの花言葉として「誇り」「輝くばかりの美しさ」「内気」「すばらしく美しい」「強い虚栄心」「おしゃべり」などがあります。花の色も多数あり、赤・ピンク・白・黄色の花を咲かせますよ。
毎年花を楽しむことができる多年草
アマリリスは多年草なので、球根を植えておけば毎年花を楽しむことができます。球根は2月~3月に多く出回るので、鉢植えで育てておけば、1か月半~2カ月後に花を開花させます。大きく育つので、支柱などを立てて倒れないようにしてあげましょう。
球根選びのポイントとして、太い根があるもの、大きな球根、手にもって重量感があって軽く押したときに硬いものを選ぶとよいでしょう。
春咲きや秋咲きの品種がある
アマリリスは、初夏咲きの以外にも春咲き、真夏咲き、秋咲きの品種もあります。秋に鉢植えの株が出回ることもありますよ。春咲きの品種だと4月下旬から6月下旬にかけて、秋咲きの品種は10月ごろに花を咲かせてくれますよ。
寒さに弱いアマリリスですが、ガーデンアマリリスという品種なら寒くても越冬してくれます。
アマリリスの育て方のポイント①:置き場所

さて、ここからはアマリリスの育て方のポイントについて解説していきましょう。まずは、置き場所についてです。
日当たりと風通しの良い場所で管理
アマリリスは、日当たりと風通しの良い場所で育て方を管理することが大切です。鉢植えで育てるときは、夏は日差しが当たらない半日陰のところで、梅雨の時期は雨の当たらない軒下へ移動させましょう。冬は凍らない乾燥した場所に鉢ごと置いておくことを心がけましょう。
アマリリスは、原産地が南米ですので暑さには強いのですが、寒さには強くありませんので、冬の管理には十分気を付けましょう。
真夏は午後の西日を避ける
真夏の直射日光はアマリリスは葉焼けを起こしてしまうので、半日陰や午後からは日陰になるところに置いてあげましょう。
地植えの場合は西日の当たらない場所に植え付けしましょう。鉢植えの場合は、直射日光の当たらない場所か、半日陰で育てましょう。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しなどに置いてあげるのがオススメですよ。
アマリリスの育て方のポイント②:水やり

続いてのアマリリスの育て方のポイントは水やりの仕方です。解説していきましょう。
植えつけ後は葉っぱが伸び始めるまで控えめに
アマリリスの植え替えをした直後は、しばらく水やりは控えめに行います。急にたくさん水をあげてしまうと、球根が腐る原因となってしまいます。初めのうちは水をそそぐのではなく、あらかじめ湿らせた用土を使ってあげるほうがいいですよ。
土の表面が乾いたらたっぷりと
植え付けてから2~3週間ほどたつと、うまく発根できたものは葉と花梗が伸び始めてきます。このときに土が乾いていたら、球根にかけないように水をかけてあげましょう。
春~秋は生長期ですので水をよく吸ってくれますが、秋になってくると葉っぱが枯れてきますので、徐々に水やりを控えていきます。
冬は水やりを控える
アマリリスは寒さに弱いため、気温が10度を下回る季節になると、休眠期に入る準備のため、葉っぱなどを落としていきます。秋以降は徐々に水やりを控えていくとよいでしょう。冬になったら完全に土を乾かすため、極端に暑い日が続いたとき以外は水やりは不要です。
地植えの場合はほぼ不要
鉢植えではなく、地植えで育てている場合は、雨などで得られる水分で十分ですから、ほとんど水やりをする必要はありません。長い間雨が降らなかったり、真夏の暑い時期、極度に乾燥しているときは水やりをしてあげましょう。
アマリリスの育て方のポイント③:肥料

続いてのアマリリスの育て方のポイントは肥料の与え方です。解説していきましょう。
植え付け時は根腐れ防止のため無肥料で
アマリリスは植え付けの時に肥料を与えてしまうと、根腐れの原因となってしまいますので、最初は肥料を与えないでスタートしましょう。そのほうが安全にできますよ。
根付いて葉が増えてきたら元肥を与える
葉っぱが出始めてくると、根は肥料が吸えるようになり、たくさん栄養が必要になってきますので、緩効性の化成肥料を与えてあげましょう。効果はおよそ2か月ほどでなくなります。
1カ月に2回ほど液肥を与える
アマリリスは多肥を好む植物ですので、葉っぱが活動しているときは1か月に2回ほど液肥を与えてあげましょう。最初にあげた緩効性肥料は2か月ほどで効果が切れるので、肥料の形が無くなってきたら、再度同じ肥料を与えてあげましょう。
この時、肥料の与える間隔は目安なので、肥料の説明欄に記載されている間隔で与えるようにしてくださいね。
アマリリスの育て方のポイント④:土選び

続いてのアマリリスの育て方のポイントは土選びです。解説していきましょう。
水はけと通気性が良いのもを選ぶ
アマリリスは水はけがよく、通気性がよくて、適度に保湿性のある土を好みます。地植えの場合は水はけのよい場所を選び、腐葉土やたい肥を混ぜ込んでおきましょう。水はけが悪い場合は、パーライトを混ぜてあげるとよいでしょう。地植えで植えた場合は、上部の葉が無くなってしまった時に、誤って掘り起こして球根を傷つけないように、ラベルを立ててどこに植えたかわかるようにしておくとよいでしょう。
市販の草花用培養土がおすすめ
鉢植えで育てる場合は、市販で売っている草花用培養土を使いましょう。もし、土を混ぜ合わせて作る場合は、赤玉土6・腐葉土3・パーライト1の割合でブレンドするのがオススメです。
アマリリスに多い病害虫と対策

そんなアマリリスは、病害虫の被害が少ない植物です。しかし、生育環境が悪くなったなど環境の変化によっては病原虫が発生することも。病原虫は見つけたらすぐ対処してあげるのがよいですので、その対策なども解説していきます。
赤班病
アマリリスの病気で一番注意しておきたいのは「赤班病」という病気です。
長雨にさらされ続けたり、水はけの悪い用土で育てていたら発生する場合があります。葉や茎に赤茶色の斑点を見つけたらすぐに廃棄しましょう。予防のため、薬剤を散布しておくこともオススメします。定期的に草木灰を与えてあげるのもよいですよ。
ダニ類
病原虫で注意しておきたいのは「ダニ類」です。ネダニと赤ダニには注意しておきましょう。
ネダニは球根に潜み、養分を吸って葉を枯らせる病原虫です。球根にあるキズなどから侵入します。ネダニは地中に潜んでいるため、見つけにくいです。赤ダニは、葉の裏に潜んでいます。発生したら鉢を横に倒し、水で洗い流しましょう。こうすることで薬剤を使わずに駆除できます。どちらも高温期で乾燥状態が続くと発生します。薬剤で駆除することをしてあげるのがオススメですよ。
アマリリスの冬の球根の管理方法

そんなアマリリスですが、しっかりと冬を越すことができれば、もう一度同じ球根から花を咲かせてくれます。冬の球根の管理方法のポイントについて解説していきましょう。
アマリリスの球根は寒さに弱い
アマリリスの球根は、耐寒温度は5度くらいとなっています。もし、それ以下の温度になってしまうと、球根が死んでしまうことになります。暖地だと、植えっぱなしでも大丈夫ですが、球根に土をかぶせる・わらなどでマルチングをしてあげるなどの寒さ対策をしてあげましょう。ただ、ガーデンアマリリスという品種なら-5度でも栽培が可能です。地中に植えっぱなしでも越冬してくれますよ。
10℃を下回ると休眠する
アマリリスは10度を下回ると、葉っぱを落として休眠に入ります。葉が枯れたら付け根から切り、冬越しの準備をしてあげましょう。
品種によっては球根を掘り上げて室内で管理
アマリリスの品種によっては、掘り上げて冬越しをする準備をしましょう。掘り上げ時期は最低気温が6度前後になる前にします。枯れた地上部は切り取り、根を傷つけないように掘り起こし、きれいに土を落としたら数日間陰干しします。
乾いたら、通気性のよい用土を入れた箱などにいれ、春が来るまで保存しましょう。この育て方がうまくいけば春にまた花を咲かせてくれます。
アマリリスの花が咲き終わった時にすること

アマリリスは、花が咲き終わっても、翌年に向けて適切な方法で栽培する必要があります。ここでは花の咲き終わった後の方法を解説していきたいと思います。
開花後は花茎を切る
まず、花びらがしなびてきたり、見た感じダメになってきたら花を切りましょう。その後、茎も枯れてきますので、花茎からもきりましょう。花が枯れたまま放置してしまうと、種を作り始めてしまい、株に栄養が無くなってしまいます。先に花茎を切っておくことでその心配をなくすことができます。
葉を生長させ球根を太らせる
花が咲き終わった後は、できるだけすぐに茎を根元から切りましょう。この時、葉っぱは残しておくことが重要となります。葉っぱだけになっても、しばらくは水と肥料を与えて、日光に当ててあげます。
球根を太らせると、栄養を蓄えるので、翌年に備えを作ってくれることになります。梅雨や秋雨の時期は雨の当たらない場所、日光が強い夏の時期は遮光できる場所へ移して管理してあげます。
アマリリスの植えつけのポイント

アマリリスの植え付けの時期にもポイントがあります。育て方を間違えなければきれいな花を咲かせてくれますので、しっかりと解説していこうと思います。
地植えの場合は4月頃の時期が適している
アマリリスを地植えで育てる場合は、環境のよい4月ごろに植え付けをしましょう。霜の心配がなくなってから作業するようにしましょう。
鉢植えの場合は季節を問わず
鉢植えで育てる場合は、生育期である4月ごろがよいですが、目安としては桜の葉が出てくるころが時期としてはよいと思います。鉢植えの大きさは5号~6号サイズの陶器製またはポット、プラスチック製の鉢を用意しましょう。
鉢植えの場合は、2~3年に1度、4月ごろに植え替えをするようにしましょう。
鉢植えの育て方として、アマリリスは花が大きく育つ植物ですので、花の重みで植木鉢が倒れることもあります。
大きく育ってからでもいいですが、そうならないためにも、鉢が倒れないように対策をしてあげましょう。例えば、
- 植木鉢を2重にして鉢を重くする
- 支柱を立ててあげる
- 植木鉢を紐で固定する
などの工夫をして、しっかりと育て方の対策をしてあげましょう。
球根の上部1/3ほどが土から出るように植える
1鉢1球を目安にし、球根の頭が1/3ほど地上に出るように浅めに植え付けを行いましょう。こうすることで球根を腐らせないようにすることができます。
植え付け後1週間ほどは日陰で水やりを控えめに管理
植え付けをした後の育て方は、1週間ほど水やりをしないようにし、日陰で管理します。植え付けをした後すぐに水を与えてしまうと、根は急速に吸水してしまい、根腐れの原因となってしまいます。
湿った土を使って植え替えることで、乾いた根は少しずつ水分を吸収していき、乾きから回復していきます。新根がでてきたり、主根から細い支根がでてきたりして、少しづつ自分の根っこで吸水するようになりますよ。
アマリリスを水栽培で育ててみよう

アマリリスのように、球根植物は水栽培でも育てることが可能です。土を使って育てることがないわけですから、室内で育てたいと思っている方にはぴったりのやり方でしょう。ここでは水栽培での育て方を解説していこうと思います。
水栽培に適した時期
アマリリスを水栽培で育てるのならば、時期は球根を植える4月~6月が適しているでしょう。もし、育てるのが初めての場合は、市販の水栽培キットがありますので、そちらを使うと失敗しないでしょう。水栽培なら、豆苗などの野菜も育てることができますよ。園芸を扱っているネットショップならメルマガを登録しておけば、育てられる時期が来たらお知らせをくれるかもしれませんよ。
アマリリスの水栽培のやり方
アマリリスを水栽培で育てるのは、適しているとは言えません。が、大きく育たない小さめの品種を選ぶことで水栽培で育てることは可能です。水栽培でのアマリリスの育て方として、いくつかポイントがあります。
まず、どの季節でも日当たりのよい室内で育てますが、真夏の管理には特に注意が必要となります。夏場は室内でも暑くなりますので、比例して水温も高くなっていきます。水温が上がってしまうと、球根が腐ってしまいますので、夏場は窓際に置かないようにしましょう。
春と秋では、日当たり良好な場所で、夏は半日陰に移動させるとよいでしょう。レースのカーテン越しが最適ですよ。また、アマリリスは肥料が大好きな植物ですので、水だけだと栄養不足に陥ってしまい、うまく育つことができません。水栽培では専用の液体肥料がありますので、しっかりと肥料を与えてあげましょう。
水栽培で育てたアマリリスは、大輪が咲くことはなく、小輪となってしまうので、大輪を咲かせたい場合は、土栽培で育てないといけません。また、水栽培で育てたアマリリスの球根は、翌年、花が咲くことはないです。翌年も花を咲かせたいと思っている人は、土を使った普通の育て方でやることをオススメします。水栽培は市販でキットが売っていますので、そちらを使って育ててみてはいかがでしょうか。
アマリリスの育て方!基本情報からお手入れのコツを徹底解説のまとめ
この記事では
- アマリリスは南米原産の品種で、園芸品種を含めたら数百種類もある
- アマリリスの育て方は置き場所・日当たり・水やり・用土の管理がポイント
- アマリリスは桜の葉が各地に咲く時期が植え付ける時期
- アマリリスの花が枯れたらすぐに花茎を切り、葉っぱを残してあげること
- アマリリスは水栽培でも育てられるが、花は小輪にしかならず、翌年花は咲くことはない
ことを解説してきました。
アマリリスは、管理の仕方・育て方を間違えなければ次の年もきれいに花を咲かせてくれます。休眠時に適切な管理ができれば、再び春から育てることも可能ですよ。また、水栽培を知っていれば、植物だけでなく、野菜なども育てることができますよ!ぜひこの記事を参考にして、アマリリスを育ててみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。