皆さんは、お部屋に観葉植物を飾っていますか?
観葉植物は育てるのが大変で、敷居が高いものと考えている方も多いのではないでしょうか?育て方が分からず手を出せない方も多いでしょう。
しかし、管理が簡単で丈夫な観葉植物であれば育て方を知ることで初心者の方でも上手に育てることができます。特に、ガジュマルという観葉植物は丈夫で育てやすいことから初心者の方にもお勧めしたい植物です。
今回は、
- 初心者向け観葉植物のガジュマルの紹介。
- ハイドロカルチャーと土植えでの違い。
- ガジュマルの育て方。
について紹介します。
沖縄では神聖な植物!ガジュマルとはどんな植物なの?

はじめにガジュマルとはどのような植物であるのかを紹介していきます。原生地などの情報を知ることは上手に管理を行うことにもつながるためぜひご覧ください。育て方も原生地の様子を参考にしています。
ガジュマルとは
ガジュマルは日本の沖縄や屋久島や種子島、中国南部、インドなどの亜熱帯~熱帯に分布する樹木です。生息地で葉、ガジュマルの木陰を休憩所にしたり、防風林にしたりして利用されています。
ガジュマルの風水的意味や花言葉
ガジュマルの花言葉は「健康」とされています。しかし、「多幸の木」とも呼ばれているガジュマルは健康運以外にも金運や結婚運、子宝運など様々な効果をもつと言われています。
沖縄では「キジムナー」と呼ばれる精霊が宿ることで知られている
沖縄では、「キジムナー」と呼ばれる精霊がガジュマルの気に宿っているという言い伝えが存在します。火の精霊で、人間の子供~青年の背丈をしていると言われています。しかし、地域によっては様々な伝承があることからキジムナーは姿を自由に変えることができるとされています。
気根という特殊な生育方法をする夏に強く冬に弱い一般的な育てやすい観葉植物
一般的な樹木である場合、根は土の中に存在し水分や栄養分を吸収する器官とされています。しかし、ガジュマルは土の中の根以外にも気根と呼ばれる地上部から伸びる身体を支えるための器官を持ちます。この気根は通常の根っこと同様に水分や栄養分も吸収します。
ガジュマルの育て方は基本的に○種類

最近では土以外にも様々な育て方でガジュマルは育てられています。一般的な土栽培、苔玉栽培、ハイドロコーンによるハイドロカルチャーなど、育て方によって違った特徴が存在します。
ガジュマルの基本の生育方法は2種類
多くの育て方があるガジュマル。しかし、大きく分けると二つの育て方に分類されます。今回はその二種類について紹介します。
水耕栽培やハイドロカルチャーで育てる育て方
ハイドロボールやハイドロコーンなどといった無機質の植え込み材を用いて栽培する方法があります。このような育て方を水耕栽培やハイドロカルチャーと呼びます。こちらは土のように有機物を使わない育て方であるため虫やカビの発生を防ぐことができるため衛生的に観葉植物を育てることができます。
水耕栽培やハイドロカルチャーは土植えとは異なるやや特徴的な水の管理が必要となりますが、コツを掴めば難しくはないでしょう。
土栽培で育てる育て方
いわゆる鉢植えのガジュマルです。一般的な植物と同じように市販の培養土などを用いて栽培する方法です。昔からの育て方であるため栽培に関する情報も多く、安心して育てることができます。特に大きなガジュマルを育てる時には土栽培のものが多いです。最近では化粧石やバークを用いて土を露出させず美しく飾ることも増えています。
苔玉タイプの育て方ができるものも最近は増えている
ケト土などの粘土質の土で植物の根を包み、苔をその表面で栽培する苔玉という育て方も増えてきています。苔玉は、苔のしっとりとした質感を楽しむことができるため和室にもよく合う栽培方法といえるでしょう。苔も生きているため、上手に管理しないと苔が枯れて茶色くなってしまうことがあります。
根っこが太くどっしりと見えることから盆栽として飾っている人もいる
また、気根と呼ばれる根っこが太く様々な形に仕立てることができるため盆栽として飾ることも増えています。特にガジュマルの気根は体を支えるという目的もあるため不安定な配置でも生育し、自然のようなダイナミックな表現が可能です。
ガジュマルの育て方【基礎知識編】

ガジュマルの育て方について初めに基本的なことを確認していきましょう。基礎的な知識を身に着けることで元気にガジュマルを育てることができます。
ガジュマルは春から秋にかけて大きくなり冬は生長しない植物
ガジュマルは亜熱帯~熱帯地域の植物です。そのため春から秋のあたたかい時期が成長期となり、冬は成長しません。この性質は水やりや肥料のタイミングにも関わるため覚えておきましょう。
水やりや肥料を与えるタイミングも一定では根腐れしてしまう可能性がある
観葉植物において常に土が湿っている状態や、過度に肥料が存在している環境は良くありません。酸欠状態になってしまい、最悪の場合枯れてしまうこともあります。適度な水やりや施肥が上手にガジュマルを育てる上ではとても大切なポイントです。しかし、コツさえ知ってしまえばマスターできます。
冬のシーズンは暖かい場所に移してあげることも必要
冬の寒い時期はガジュマルにとって非常に生育しづらい環境です。室内であっても廊下や玄関など、暖房器具を置かない場所は冬になるとひどく冷え込みます。また、盲点になりがちな場所の一つに窓の近くが挙げられます。窓の近くは、外気の影響を受け夜になると冷えてしまいます。そのため寝る前に窓からすこし離した場所に置くと良いでしょう。
幹の大きいガジュマルが欲しいなら苗木ではなく実生や挿し木で育てると大きくなりやすい
幹の大きいガジュマルが欲しい場合、苗木のものはあまり期待通りの樹形にならない可能性があります。しかし、実生や挿し木から栽培することで自分好みの樹形を作ることができます。幹は土に埋めるとよく太るため、少し深めに植えると良いでしょう。
しかし、苗木は成長速度が速く反対に実生や挿し木は大きくなるのに年月がかかることが多いです。
ガジュマルの育て方【実践編】

それでは、実際にどのように育てればよいのかを解説します。育て方の中でも重要となる置き場所から栽培方法、根腐れの防ぎ方などさまざまな情報をご紹介します。
日当たりのいい屋外や屋内でもできるだけ日光の当たる場所に置くことを意識する
ガジュマルは日光を好む植物です。屋外やレース越しの光など柔らかい日差しが差し込む室内に置くと良く生育するでしょう。反対にあまりに暗い場所に置くともやしのようにひょろひょろとした姿になってしまう徒長という現象が起きてしまいます。夏の場合窓際や屋外など直射日光に当たる場所に飾ると葉焼けしてしまうことがあるため遮光を行いましょう。
土栽培で育てる場合の育て方
- 日当たりが良く気温の高い場所に飾る。
- 土が乾いてるかどうかを確認し、乾いていたら水を鉢底から流れるまで与える。
- 成長期であれば窒素を多く含む薄めの液肥を与える。
- 受け皿に水が溜まるので、それを捨てる。
- 鉢底を見て、根が見えたら5月~6月に植え替えを行う。
- 時々、葉に霧吹きで水をかける。
ハイドロカルチャー・水耕栽培で育てる場合の育て方
- 日当たりが良く気温の高い場所に飾る。
- 水位計や水面を参考に、水が足りないようであれば水を適量与える。
- 成長期であれば、窒素を多く含む薄めの液肥を与える。
- 根が回っていることを確認したり、前回の植え替えから1年以上たっている場合は5月~6月に植え替えを行う。
- 時々、葉に霧吹きで水をかける。
ガジュマルの根腐れを防止するには
ガジュマルの根腐れを防ぐには、水やりのタイミングが重要になります。土植えである場合土が乾いてから水を与え、受け皿の水を捨てましょう。
ハイドロカルチャーの場合、水位計を用いて水位を確認して管理を行うことで根腐れを起こしにくくなります。水位計がない場合、鉢底の水がなくなってから2~3日を目安にハイドロボールの1/5の高さまで水を与えるようにしましょう。
また、冬はあまり水を吸収しないため成長期の水やりのタイミングにプラスして2日~3日経ってから与えると良いでしょう。
病気や害虫から守るための対策は?
ガジュマルにも病気や害虫が存在します。それらは観葉植物が元気でなくなってまうだけでなく見た目を損なってしまうこともあります。しかし、予防や対策を行うことで被害を防ぐことができます。害虫の発生原因や予防、対策について解説します。
ハダニ対策
ハダニは気温が高く乾燥した環境を好みます。そのため、夏に発生しやすい害虫です。葉っぱの裏側について樹液を吸い取ります。葉の裏がべたべたすることがあれば、ハダニが原因であると考えられるため市販の殺虫剤や牛乳スプレー、お酢を用いて駆除しましょう。
予防法として、ときどき霧吹きで葉に水をかけるとよいでしょう。霧吹きがない場合でも柔らかい湿らせた布で葉を拭くだけでも効果があります。
アブラムシ対策
アブラムシは窒素肥料の与えすぎなどが原因で発生することが多い害虫です。主に新芽に寄生し樹液を吸い取るため新芽を枯らしてしまうことがあります。その他病気を媒介することもあります。肉眼でも見つけることができるため、新芽を中心に小さな虫がいないかを確認してみましょう。殺虫スプレーのほか、牛乳スプレーも効果的です。
予防法として、窒素分の多い肥料をあまり多く与えすぎないことが大切です。また、風通しのよい環境で栽培することも予防につながります。
カイガラムシ対策
葉っぱの表面などに白い塊がくっついている場合、カイガラムシである可能性があります。幼虫が成長すると薬剤が効きにくくなってしまうため非常に厄介な害虫です。幼虫の段階で駆除することが好ましく、カイガラムシの発生シーズン前である冬に予防のために薬を散布すると良いでしょう。そのほか風通しのよい環境で栽培することも有効な予防方法です。
幼虫や卵を見つけた場合は速やかに農薬を散布してください。成虫の場合は歯ブラシなどで葉を傷つけない程度にこすり剥ぎ取ると良いでしょう。
ガジュマルの剪定方法

正しい育て方をしていると、ガジュマルは多くの葉や枝をつけます。それは大変喜ばしいことではありますが、同時に選定の必要があるかもしれません。大きく育ったガジュマルの選定について、解説していきます。
ガジュマルの剪定をする理由
先ほど解説したようにカイガラムシやアブラムシは風通しの悪い環境を好みます。枝や葉が茂るとその分風通しも悪くなり、病害虫の確認もしにくくなってしまいます。また、観葉植物である場合あまりに大きくなってしまうと生活の邪魔になってしまうことがあります。棚などに置いている場合、服の裾に枝が絡まってそのまま鉢を落としてしまうなどの事故も起こり得るため適度な選定が必要となります。
盆栽としてガジュマルを育てている場合には、自分が求める樹形にするという意味も込められます。
ガジュマルの剪定の時期
生育期である5~6月とが適期なります。あまりにもガジュマルの株が大きい場合、剪定をする枝も多くなってしまうことが予想されるため早めに着手すると良いでしょう。
ガジュマルの基本的な剪定方法
- 剪定後の姿をイメージし、どの枝を切ると良いかを想像します。
- 真上にまっすぐ伸びる枝は高さをそろえるために低めに切ります。
- 外側や内側に向かって勢いよく生える枝を途中で切ります。
- 枝同士が重なり合っている場所を風通しを良くするために切ります。
- 株本から枝が伸びている場合は根元から切りましょう。
- 枝が多すぎる場合は根元から切ります。
- 全体像を確認して、納得のいく形にハサミを入れて完成です。
盆栽として育てている場合の剪定方法
- 求める樹形をイメージし、どの枝を切ると良いかを想像します。
- 成長後に求める樹形になるように、少し余分に枝を切ります。
- 風通しを良くするため茂っているところは枝を根元から落とします。
- 全体像を確認して、納得のいく形にハサミを入れて完成です。
ワンランク上のこだわりを持つならこれを意識してみては?

ここまでは基本的なガジュマルの育て方について解説してきました。しかし、さらにこだわることで自分だけのガジュマルに対し愛着が湧きますよ。上手にガジュマルを育てることができるようになったらぜひ挑戦してみましょう。
鉢植えのカラーや材質にこだわってみる
鉢植えの色や材質は意外と大きく印象を変えます。例えば素焼きの鉢であれば温かみを演出し、黒いプラスチックの鉢はモダンな雰囲気を感じさせます。また、素焼きの鉢は乾燥が早いため根腐れを起こしにくいという特徴も持ちます。
昇り竜などのデザイン性の高いものに変えてよりおしゃれなインテリアに
昇り竜というガジュマルの仕立て方が存在します。こちらは太い幹が天に昇っていく龍のように見えることからこの名前がついており、昇り竜という仕立て方をしたガジュマルは同じ植物には到底思えない面白い見た目をしています。
育て方は通常のガジュマルと同じで、特別難しいこともないためぜひ挑戦してみましょう。きっと目を引くインテリアになりますよ。
風水効果を得るために室内などの置く場所や方角まで意識してみる
風水の効果を狙って観葉植物を育てる方も多いようです。ガジュマルは「多幸の木」という別名を持ち様々な運気を向上させます。風水では置く場所や方角も関係するため、それらを意識して飾っても良いでしょう。南西や西、北西が特にガジュマルの向上させる運気と相性が良いとされています。家の場所で言えばリビングや玄関、キッチンが良いでしょう。
ガジュマルを元気に育てることができる場所で、なおかつ風水にも良い場所に飾ることができれば何か良いことが起きるかもしれませんね。
Q&A

ここではガジュマルについてよくある質問に答えていきます。ガジュマル以外の観葉植物についても解説しているためぜひ参考にしてみてくださいね。
Q,ガジュマルとガジュマル・ベビーリーフは別の植物なんですか?
ガジュマルはイチジク属。ガジュマル・ベビーリーフはフィカス属です。
ガジュマルとガジュマル・ベビーリーフはどちらもクワ科の植物ではあるものの、ガジュマルがイチジク属であるのに対しガジュマル・ベビーリーフはフィカス属であるためどちらかというとゴムの木に近いと言えるでしょう。
Q,ikeaなどで売っているガジュマルとホームセンターで売っているガジュマルと育て方が違うなどはありますか?
ikeaのガジュマルもホームセンターのガジュマルも基本的には同じです。
ikeaのものは土植えであるため、土植えのガジュマルの育て方を参考にしてください。見るべきはハイドロカルチャー、土植えのどちらで栽培されているのかを確認しましょう。見分けるポイントとして根元を少しほじって土のようなものが露出せず堅い石のようなものがある場合はハイドロカルチャーである可能性が高いです。
Q,初心者でも簡単に育てやすい品種はガジュマル以外に何かありますか?
樹木ではパキラやドラセナ、つるや草本ではアイビーやポトスが生命力が強くおすすめです。
どの観葉植物も初心者の方におすすめしたい品種で、水やりなどの基本的な育て方はガジュマルと大差ありません。是非、いろいろな品種の観葉植物を育ててみてくださいね。
【初心者必見!】観葉植物のガジュマルの育て方を徹底解説のまとめ
今回はガジュマルの育て方について解説いたしました。
この記事のポイントは
- ガジュマルは暖かい気候を好む。
- 害虫が発生するkとおがあり、予防や対策が必要。
- 水やり、選定、植え替えが必要である。
です。
生命力のある、縁起の良い植物。ガジュマルとの生活を始めてみませんか?観葉植物の栽培は初めてだという方に向けて、水やりや選定などのお手入れの方法をご紹介しました。少しのコツをつかんでしまえば簡単にほかの植物も育てることができるでしょう。この記事を参考にすることできっと元気に育てることができるはずですよ。
最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。詳しいお手入れの方法や、ほかの観葉植物のお手入れも東京寿園では掲載しております。是非参考にしてみてくださいね。