ユッカ・ロストラータをご紹介!特徴からトラブルまで徹底解説!

ユッカ・ロストラータをご紹介!特徴からトラブルまで徹底解説!
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目次

南国のイメージがあるユッカという植物をご存じですか? ブルーグレー色の剣のように鋭い葉が放射状に生えている姿が人気の観葉植物です。その中でもユッカ・ロストラータという品種は、ユッカの品種の中でも特に大きく育ち、また乾燥した地域でも元気に育つのが特徴です。 エキゾチックな雰囲気のあるユッカ・ロストラータを育ててみようとしても、具体的にどんな環境が好きで、水やりや肥料、植え替えのタイミングなど知っておきたい点がたくさんあります。 そこでこの記事では
  • ユッカ・ロストラータの基本情報
  • ユッカ・ロストラータの特徴
  • 花言葉と風水
  • 基本の育て方【置き場所、用土、水やり、肥料】
  • 基本の育て方【剪定、植え替え】
  • ユッカ・ロストラータの増やし方
  • トラブルが起きた場合
について徹底的に解説します。葉が枯れるトラブルや病気や害虫の対処法、おすすめの品種についてもまとめましたので、最後まで読めばユッカ・ロストラータの理解を深まり、長く鑑賞を楽しめるでしょう。

ユッカ・ロストラータってどんな植物?

そもそもユッカ・ロストラータってどんな植物なんだろうと思いますよね。なんとなく南国のイメージがあるけれど、原産地はどこなのか、寒さ暑さには強いのか知らないことばかりです。まずは、基本的な情報をくわしくご紹介します。

ユッカ・ロストラータの基本情報

ユッカ・ロストラータとは、アメリカ南部、メキシコ北部が原産のリュウゼツラン科の植物です。放射状に広がる尖った緑の葉とゴツゴツした幹が人目を引きます。ひなたを好み、寒さ暑さにも強く初心者にも育てやすいのが人気の秘密。かなり成長スピードがゆっくりなので、メンテナンスが少なくて済むのも魅力でしょう。
植物名 ユッカ・ロストラータ
学名 Yucca rostrata
草丈 2m~6m
耐寒性 強い
耐暑性 強い

アメリカのテキサス州やメキシコ北部が原産の多年草の植物

ロストラータに限らず、ユッカはアメリカ南部のテキサス州やメキシコ北部の乾燥地帯が原産の多年草です。原産地で自生しているユッカ・ロストラータは最大6mまで大きく育ちますが、日本では背丈が30~150㎝ほどのユッカが多く流通しています。庭木として植えてドライガーデンを楽しんでもいいですし、鉢植えにしてコンパクトな樹形を楽しむのもおすすめです。

生命力の強い実生の木

ユッカはもともと生命力が強く実生で育ちやすい木としても有名です。真横で切り落としたような幹の先から葉を放射状に伸ばしており、剣を持つ男性的な印象を与えるため別名「青年の木」とも言われています。また実生といって種から育ちやすいので、種ができたら蒔いて増やすことも出来ます。

50種類以上あるユッカの1種

ユッカ・ロストラータは50種類以上もある中の1種で、一段と大きくスタイリッシュな品種です。ロストラータとは「くちばし」という意味で、白いくちばしに似た花から名づけられました。大きく伸びた花序にいくつもの白い花が咲き乱れる様子はかわいらしいんですよ。美しい姿と稀少性の高さからコレクターの間でも高い値段で取引されるほどです。

非常に強い植物で育てやすい

ユッカ・ロストラータは非常に強い植物で育てやすい植物です。耐暑性、耐寒性に優れ、乾燥にも強く、成長が遅いため、日々のメンテナンスや剪定をあまり必要としないことも人気の理由でしょう。地植えで育てている場合、ほぼ水やりは不要です。また日当たりの良い場所で風通しをよくしていれば、病害虫の心配もないでしょう。

耐暑性や耐寒性に優れ日本のほとんどの地域で冬越しできる

ユッカ・ロストラータがどのくらい寒さ暑さに強いかというと、日本のほとんどの地域で冬越しができるくらい耐暑性、耐寒性に優れています。-10℃まで耐えることができると言われています。 たいていの植物の場合、東北や北海道の豪雪地帯では凍結防止にマルチングや保温シートで対策しますが、ユッカ・ロストラータは地植えでも鉢植えでも屋外に出した状態で冬越しが可能です

乾燥にも強くメンテナンスをする必要がない

原産地のテキサス州やメキシコ北部は雨季と乾季のある乾燥帯です。そのため雨が一日にまとまって降り、かと思えば何か月も雨が降らず乾燥しきった状態になります。厳しい環境でも育つようユッカ・ロストラータは、幹の中に貯水し乾燥にも耐えるようになりました。また、じっくりと成長していくため、こまめに水やりや肥料などのメンテナンスをする必要もあまりありません。

成長速度が遅く頻繁な剪定を必要としない

通常のユッカは生育期にはよく葉を伸ばして草丈も伸びていきますが、ユッカ・ロストラータは生長速度が遅く、1年で数㎝しな伸びないのが普通です。個体や環境によっては1㎝伸びるのに何年もかかることも。そのため他の植物では頻繁に行う剪定も必要ありません。枯れた下葉がどうしても気になる場合のみ、剪定ばさみで切り落として樹形を整えてください。

大きくなるまでに相当な年月がかかる

日本で栽培する場合も自生しているものと同じように、4~6m以上大きくなります。数あるユッカの種類の中でも特に大きく生長する品種ですが、成長速度が非常に遅いため大きくなるまでに10年、20年と相当な年月がかかるでしょう。ゆっくりと成長を楽しむ品種として、ぜひお庭に取り入れてみてください。

庭木やシンボルツリーにする場合は輸入された株がおすすめ

庭木やシンボルツリーとして楽しむ場合は、多少高額な値段になりますが、輸入された大きな株を購入するといいでしょう。国内で流通しているユッカ・ロストラータは、持ち運びがしやすい30㎝くらいの大きさです。それに対して輸入されたものは、100㎝以上の大きなサイズで庭木やシンボルツリーにぴったりです

その珍奇な見た目から高額な値段がつくこともある

ユッカ全般にいえることですが、観葉植物の中でもかなり見た目が独特です。その珍奇な見た目から高額な値段がつくこともあります。他のユッカと比較しても幹が太いためワイルドな印象があるユッカと言えるでしょう。それ以上にファンの方が多く、良い株はすぐに売れてしまう人気者です。

楽に育てられるのも人気のポイント

何度かお伝えしたように楽に育てられるのも人気のポイントです。ユッカ・ロストラータは、日なたの暑い場所へ置き、水やりも土の表面がしっかり乾燥してからでOK。肥料についても暑い時期に少量でかまいません。環境がよければ比較的病気や害虫の心配もありませんので、植物を初めて育てる方や多忙で管理がこまめにできない方におすすめです。

ユッカ・ロストラータの特徴

次は他の植物と比べてぜひお伝えしたいユッカの特徴をまとめました。人気の理由としても独特な見た目が挙げられますが、特徴を理解しておくと購入する時やプレゼントする場合にも役立ちます。ぜひ確認していきましょう。

特徴的な放射状に広がる葉を持つ

まずユッカ・ロストラータの特徴といえば、なんといっても放射状に広がる葉です。ブルーグレーの青みも相まって、スタイリッシュな印象があります。葉の1枚1枚がまるで剣のような鋭さと長さでそれが幹を囲むように伸びています。特徴的な葉から連想して花言葉が生まれたともいわれています。

葉の形は鋭くて硬く、表面はざらざらしている

1枚の葉をさらにくわしく観察すると、表面がざらざらしているのがわかります。これは空気中のわずかな水分をキャッチするために進化したとも言われています。また葉の根元から葉先まで鋭く硬いため、折れることもあまりないでしょう。剪定や植え替えする場合はケガしないように手袋、長袖を身につけてください。

リギダとの大きな違いは葉の厚み

同じユッカの中にシルバーブルーの美しい葉が特徴のユッカ・リギダという品種があります。リギダとロストラータは葉の形や樹形など似通っている部分が多くありますが、違う部分もあります。一番の違いは葉の厚み。少し肉厚で多肉植物を連想させるリギダに対して、ロストラータは薄さがあり、より鋭さが強調されているでしょう。

他のユッカと比べて幹が太くワイルドな印象がある

ユッカ・ロストラータは他のユッカと違い幹が太いのも特徴です。特に100㎝以上に大きく伸びてくると、ヤシの木のようなオリエンタルの雰囲気もありながら、ワイルドな印象が出てきますよ。原産地で自生しているロストラータが4m以上に育った姿は、まさに圧巻の存在感です。

葉の下の枝分かれの数でそれぞれ呼び方がある

ユッカは枝分かれの数によってそれぞれ呼び方が変わります。自然な成長の過程で起こる枝分かれは、人の頭のような印象でとてもユニークな見た目になりますよ。それぞれ確認していきましょう。

ダブルヘッド

まずは幹の途中で2本に枝分かれすることをダブルヘッドと呼びます。大きな親と子供のような見た目のダブルヘッドや、大きさが全く同じでピースをしているような形のものも。見た目を楽しむ観葉植物ならではです。

トリプルヘッド

幹の途中で3本に枝分かれしているものをトリプルヘッドと呼びます。均等な大きさにするため育て方を研究する愛好家もいて、お化けのような見た目は非常に興味深いです。たまに見かけるロストラータのトリプルヘッドもおすすめです。

マルチヘッド

4本以上に枝分かれをしいているものをマルチヘッドと呼びます。大株のものもあれば、5号サイズの小型なマルチヘッドもあり、見た目もさまざまです。一部のマルチヘッドは、メデューサやトランクと形状によって細かく分けられていて、お好みの樹形を楽しめるでしょう。

木のように成長していき4mの高さにまで成長する株もある

青年の木とも言われるユッカ・ロストラータ。原産地では地植えになっているものを多く見かけます。地植えで木のようにどんどん成長していき、最長4mの高さになるユッカまであります。 実はユッカは特別なトラブルがない限り株の寿命がありません。花が咲いたら株が成熟した証。多くのリュウゼツラン科の植物は花が咲き種を作ると枯れてしまいますが、ユッカは咲いても枯れずに大きく成長していきます。

ユッカ・ロストラータの花言葉

そんなユッカ・ロストラータには「勇壮」や「偉大」、「颯爽」といった花言葉がつけられています。プラスのイメージがある花言葉のため、新築祝いや開店祝いなどプレゼントとして贈られることもあるんですよ。それぞれくわしく見ていきましょう。

勇壮

勇壮という花言葉は、ユッカ・ロストラータのまっすぐ上へ伸びていく特徴に由来します。スピードは遅いかもしれませんが、曲がることも垂れ下がることもなく上へ上へまっすぐ伸びていく姿は勇ましいの一言です。また剣のように尖った葉も剣を持った兵士を連想させるため、現状から目指す先のイメージ、勝負に勝つイメージを持つ花言葉がつけられました

偉大

偉大という花言葉も、ユッカ・ロストラータの樹形に由来しています。何年もかけてじっくりと大きく成長したユッカ・ロストラータからはどこか威厳のような印象すら抱きますね。また寒暖差の激しく乾燥した厳しい環境でもしっかりと根付いて成長するため、長老のような威厳のある人へ例えられます。上司や尊敬する方へのプレゼントに向いているでしょう。

颯爽

リュウゼツラン科のユッカは、株が成熟すると白く美しい花を咲かせます。ごつごつとした葉や樹形に反して、爽やかさを感じさせる花から爽快という花言葉がつけられました。長く伸びた花序に鈴なりに咲いた花は、大変心が和みます。花弁も柔らかく、風を受けてふわふわとそよぐ様子はぜひご覧いただきたいものです。

ユッカ・ロストラータの風水効果

ユッカ・ロストラータはプレゼントの定番としてよく知られています。理由は花言葉とともに風水効果があるとされているからです。主に金運、仕事運、健康の面で効果があると言われていて、おすすめの置き場所やポイントについてまとめました。

金運アップ

まずは金運アップに効果があるといわれる理由から。風水的に剣のように尖っている葉や、上へ伸びていく様子は陽の気を持つと言われています。そのため、陽の気を持つ金運アップにいいようです。 新しく事業を始めた人や開店祝いのインテリアグリーンとして取り入れるといいでしょう。小まめにお世話をしなくても元気に育つことも、多忙な方への贈り物として喜ばれますね。

仕事運アップ

仕事運アップを期待したい方への贈り物としてもおすすめです。理由は金運と同じく陽の気があるからです。幹がまっすぐ上へ伸びていく様子は仕事運、勉強運にもいいとされていますよ。玄関へ置いて邪気払いにしたり、部屋へ置いて仕事や勉強に集中する環境を整えたりと取り入れてみてくださいね。

健やかな成長をもたらす

発展や成長の効果があるとも言われているユッカは、成長力も強く非常に厳しい環境でも健やかに育っていきます。そんな様子から健やかな成長をもたらす効果があるとされていますよ。子供の成長や、長寿を願う人へ一言添えて贈ってみてはいかがでしょうか。

ユッカ・ロストラータの育て方

ユッカ・ロストラータの基本的な情報や花言葉などについて理解を深めてきたところで、そろそろ育て方について再度確認していきましょう。このトピックでは置き場所や水やり、肥料の与え方について詳しく解説します。

置き場所

まず気になるのは置き場所ではないでしょうか。厳しい環境でも育つとはいえ、苦手な場所だと根腐れや病気の原因になる可能性がありますよ。

大きさから鉢植えでも屋外での栽培をおすすめ

ユッカ・ロストラータはユッカの中でも特に大きく成長する品種です。そのため部屋の片隅へ置くよりも、ベランダや庭など屋外での栽培がおすすめです。地植えなら幹を中心に1mは間隔を開けて植えましょう。鉢植えでの栽培でも同じ。風通しのよいひらけた場所へ置いて育てましょう。

直射日光を好むので日当たりが抜群に良い場所に置く

日なたの暑い場所や直射日光を好むため、日当たりが抜群に良い場所へ置いてください。半日かげの場所や屋内でも育ちますが、葉が垂れ下がって元気がなくなったり、枯れ葉が多く落ちたりとあまりよくありません。葉焼けの心配もありませんから、ぜひ直射日光の当たる場所へ置きましょう

水やり

次は水やりについて。ユッカは乾燥気味に育てるとうまく育ちます。主に3点のポイントをおさえて水やりするようにしましょう。乾燥には強いユッカ・ロストラータですが、常に土がじめじめとしていて日陰の場所がとても苦手です。

鉢植えの場合は土がしっかり乾燥してから水やりをする

鉢植えで育てている場合、基本的に土の表面がしっかり乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。春から秋にかけては、ユッカも生育期にあたり古い葉を落とし新しい葉をどんどんを伸ばしていく時期です。乾いたら水やりをしていきましょう。ただし、冬は断水気味して月1回~2回くらいの頻度で、暖かい日中に水を与えるようにしてください

地植えの場合は水やりを必要としない

地植えでユッカ・ロストラータを育てている場合、水やりはほとんど必要としません。植え付け時にたっぷりと水を与えてその後は雨のみで十分。冬場は根の凍結を防ぐためにも0℃を下回ったら水やりしないでください。また、夏場に猛暑日が何日も続く場合は朝晩の涼しい時間帯に水やりするようにしてください。

水のあげすぎは根腐れの原因になるので注意する

乾燥にとても強いユッカ・ロストラータは、じめじめした環境が苦手です。特に毎日水やりをしてしまうと根腐れの原因になります。完全に土が乾いてから水やりをしましょう。一緒に違う観葉植物を育てていても、ユッカだけは水のあげすぎないように注意して栽培してください。

用土

用土は水はけの良い土を準備してください。鉢植え、地植えの両方で鹿沼土やパーライトを混ぜるのがおすすめです。

水はけがいい土が最適

乾燥地帯が原産の植物は、土中の水分が多すぎると根腐れします。そのため地植えと鉢植えのどちらでも、水はけの良さが大切です。堆肥5、パーライトや川砂3、硬質赤玉土1、ゼオライト1の割合で配合するようにしてください。市販の観葉植物の土に、パーライトを配合するのもおすすめです。

地植えの場合は鹿沼土やパーライトを配合すると良い

庭木やシンボルツリーとして地植えする場合は、水はけの良い鹿沼土やパーライトを多めに配合すると良いでしょう。何故なら、地植えの場合周囲の土からの水分があるから。植え付ける前に2回りほど大きく深く穴を掘り、配合したユッカ専用の用土を入れましょう。掘り返した用土を使うのであれば酸性地が6.5㏗になるよう酸度調整してください。

肥料

肥料は基本的に不要ですが、もし与えるなら気温が20℃以上になった時期に与えるといいでしょう。ポイントは成長期に入る前と気温が20℃以上になってから。それぞれ確認していきましょう。

年1回成長期に入る前の春に肥料を与える

肥料は効果が長期間続く緩効性肥料を与えてください。与える時期が大切で、年1回に本格的な成長期に入る前の春に肥料を与えることです。元々肥料がなくても丈夫に育ちますから、あくまで1年間で成長が活発になる時期に与えるようにしましょう。逆に寒い時期に与える寒肥は、根が肥料焼けしてしまいますので与えないでください

目安は気温が20℃を超えた時期

2つ目のポイントは気温です。気温が20℃以上になると葉も根もよく成長します。しかし20℃以下の環境では生育がゆっくりになり、根が肥料焼けを起こす可能性も。肥料焼けを予防するためにも、緩効性肥料を株から少し離れたところへひと握りくらいあげるようにしましょう。

肥料をあげることで成長を促進させることができる

基本的に肥料を与えなくても元気に育つユッカ・ロストラータですが、成長期に入る前に肥料を与えることで根の成長を促し、株の生育を助けるだけでなく、みずみずしい葉を楽しむことができますよ。5~9月の時期であれば肥料を与えて、より見事な樹形になるよう成長を促進させてみましょう。

植え替え方法

植え替えについてもくわしくご紹介します。地植えの場合は1度植え付けたらそのままですが、鉢植えの場合は5~9月の間に、1年に1度、ひと回り大きな鉢に植え替える必要があります。植え替えの手順についてもまとめました。

基本的に植え替える必要はない

ユッカ・ロストラータは生長が非常にゆっくりですから、基本的に植え替える必要はありません。地植えならそのままで、鉢植えでも神経質にする必要はないでしょう。 ただし、鉢とユッカのバランスが悪く転倒するような状態になれば植え替えて安定感のある鉢に交換するのがおすすめです。株が大きくなってきたり、生育が悪くて病気になったりした場合はすぐに清潔な用土と鉢へ植え替えるようにしてください。

大きくなると植え替えが困難になるのでその前に場所を決定する

ユッカ・ロストラータの根はじゃがいもやごぼうに似た大きな芋になるのが特徴です。土の上の大きさに比べて根の方がかなり大きく成長しますので、ほっておくと鉢に根が回り鉢から取り出すのが困難になる、なんてこともあります。大きくなる前に場所を決めて地植えするか、鉢植えなら1年に1度鉢増しをして育てましょう

ユッカ・ロストラータの植え替え手順

植え替えの手順は次の通りです。
  1. 水やりを控えて鉢の土を乾燥させる
  2. 新しい鉢に鉢底ネット、鉢底石をいれる
  3. 鉢の1/3くらいまで土を入れる
  4. ユッカを古い鉢から優しく取り出す
  5. 根についた土を軽くほぐし、腐っているものは切り落とす
  6. 新しい鉢の中心にユッカを置く
  7. ユッカの周りに土を足して、株がぐらつかないようにする
  8. たっぷりと水やりする
  9. 涼しい日陰で1週間ほど管理する
植え替えをする時に葉や枯れ葉でけがをしないよう、軍手やゴム手袋、長袖を着てするようにしてください。

剪定方法

植え替えと一緒に覚えておきたいのが、剪定です。ポイントは枯れた下葉のカットと、ケガしないようにすること。手順についてもまとめました。

枯れた下葉を剪定する

剪定の適期は5~6月です。ロストラータは下葉を枯らしながら成長していきます。冬につれて下葉が枯れてきますから、春の成長期に向けて枯れた葉を根元からカットしてください。また葉先が茶色く枯れていたり、密集している葉も切り落としておくと見た目もよく、成長しやすくなります。

ユッカの葉は鋭いので怪我に注意する

見た目のとおり、ユッカの葉はとても硬く鋭いので素手だとケガをしてしまいます。手袋や長袖はもちろん、大株の場合はメガネをするなど十分注意してください。特に、間延びした枝や幹を剪定する時に力が入って体が葉に近づき、ケガしやすい環境になります。切れ味のよい剪定ハサミを使うのもケガ防止におすすめです。

ユッカ・ロストラータの剪定手順

剪定の手順は次の通りです。
  1. ケガ防止の軍手、長袖、メガネを着用し、切れ味の良い剪定ハサミを準備する
  2. 幹と同じ目線になり、幹の下から枯れた葉を根元からカットする
  3. 途中間延びした枝や幹があれば、全体の様子をみながらカットする
  4. 剪定を終えたら、切り口に癒合剤を塗る
  5. 直射日光を避けた涼しい場所で1週間くらい管理する
癒合剤は、切り口からの水分蒸発を防止し病原菌の侵入を予防するものです。切り口をそのままにしておくと病気にかかってしまう恐れもありますから、癒合剤を塗っておきましょう。

増やし方

剪定した葉や幹から挿し木でユッカを増やすこともできますよ。挿し木の適期は5~8月。実生でも育ちますが、増やし方は挿し木がおすすめです。挿し木とは、枝や幹を切り取り、新しい鉢に植え付けて育てる園芸手法です。

ユッカを増やすなら挿し木がおすすめ

ユッカは元々生命力が強く、枝や幹などどの部分を切り取っても差し穂にできるといわれています。剪定で出た不要な枝や幹を使うのもおすすめです。 用土は挿し穂用の水はけのよい土にします。挿し木したユッカは土が乾くと発根が遅くなるため、1カ月までは土を常に湿らせておきましょう。置き場所は暖かい日陰、新芽が出て十分に育ってきたら徐々にガラス越しに日が当たる場所へ移動してください。

苗にする枝は8cmほどの長さにする

苗にする枝は、切り戻していない枝を選びます。なぜなら一度切った場所からは新芽が出てこないからです。小枝を8㎝ほどの長さで切り取るのが管理も簡単で挑戦しやすいでしょう。切り取った小枝は枝の下の方についている葉を取り除き、枝の上下がわかるようにしておきます。 親株の切り口と、子株の切り口の両方に癒合剤を塗って、病原菌が入らないよう予防するのも忘れずに。

ユッカ・ロストラータの挿し木手順

挿し木の手順は次の通りです。
  1. 差し穂の下に発根促進剤を塗る
  2. 新しい土を入れた鉢に挿し穂を挿す
  3. 水やりをする
  4. 暖かい日陰で管理する
直接土へ挿す他にも、水にユッカを浸して根が出てから挿し木する「水挿し」という方法もあります。水挿しする場合は、用土に植え替えるまで水挿しの水が傷まないよう管理する必要があります。

ユッカ・ロストラータの様々なトラブル

さて、ユッカ・ロストラータの基本的な管理や植え替え、増やし方について確認してきました。ここで起きやすい様々なトラブルをご紹介します。

葉先が枯れる

ユッカ・ロストラータを育てているうちに葉の先が茶色く変色して、しおれてきたことはありませんか? よくあるトラブルで多いのは、葉先が枯れること。理由と対処法について確認していきましょう。

極端に水が少ないと葉先から枯れていく

葉先が枯れる原因は、水切れです。乾燥に強いからといって成長期に全く水やりをしないと、葉先からしおれて枯れていきます。夏場は水分の蒸発が多い時期ですから、まめに水やりしてください。また日光不足も葉が元気をなくす理由になるため、水やりと合わせて置き場所に気をつけましょう。

すぐに水をあげることで復活することができる

対処法としてすぐ水を与えてください。鉢底から流れるくらいたっぷりと水やりして、数日間様子をみてください。症状が軽ければすぐに復活することができます。夏場は土の表面が乾いていることを確認してから水やりし、加湿が気になるようであれば風通しの良い場所へ移動してじめじめしないように管理してください。

根詰まりを起こした

ユッカのトラブルで多いのは、根詰まりも挙げられます。成長スピードがゆっくりだからとつい植え替えを忘れたり、窮屈な場所へ地植えしてしまうと置きがちな根の深さによるトラブル。原因と対策は次の通りです。

ユッカは根の深さが深いので配水管などに当たると詰まることがある

ユッカの根はごぼうのようにまっすぐ伸びていく直根性です。そのためどんどん伸びて根の深さが予想以上に伸びてしまい排水管などに当たり根詰まりを起こすことがあります。地植えなら葉がしおれていたり硬いはずの幹が柔らかくなっていたりします。鉢植えなら鉢底から根がひげのようにはみだしていますから、見つけたらすぐに対処しましょう。

すぐに植え替えて別の場所に移す

根詰まりをおこしているなら対処は簡単、すぐに植え替えて別の場所へ移して下さい。鉢植えはひと回り大きな鉢へ、地植えなら一時的に鉢植えにして元気になるまで管理するか、さらに広く深さが取れる場所へ移し替えましょう。 この時なるべく根を傷つけないように注意します。根詰まりを起こしているものは株の体力が減っているため、やさしく丁寧に触れるようにしましょう。

病気になった

ユッカの葉の表面になんだか黒いぽつぽつがある、そんな状況はありませんか? 梅雨の時期や秋雨の時期に、暗くじめじめした場所へ置いていると、加湿が苦手なユッカは病気になってしまいますよ。ユッカ・ロストラータがかかりやすい病気、炭そ病についてまとめました。

湿度が高くなると炭そ病になる

炭そ病とはカビの一種で、暗く風通しの悪い環境で繁殖します。一度発生すると周囲の植物にも移りやすく、あっという間に黒い斑点や枯れるなど被害が広がります。乾燥には強いユッカ・ロストラータですが、湿度の高いじめじめとした環境は苦手です。20~30℃と高い気温の夏、多湿の状態が続くと大発生して株全体が枯れてしまうので、注意が必要です。

病斑を見つけたらすぐにその葉を剪定して薬剤散する

もし葉や幹に灰白色や黒色の病斑を見つけたらすぐにその部分をカットして、薬剤を株全体に散布してください。初期の段階であれば、部分的な被害で抑えられます。ダコニールやベンレート水和剤などの殺菌剤が有効です。切り落とした葉や幹を土の上に放置していると、土自体も炭そ病にかかり、新たな病気の発生源になるため、焼却処分かゴミとして処分しましょう。

害虫の被害にあった

もしユッカ・ロストラータの幹や葉に見慣れないつぶつぶがついていたら、害虫かもしれません。害虫は日当たりが悪く、風通しの悪い環境で発生しやすいので十分置き場所や日当たりには注意が必要です。

気をつけたい害虫はハダニ・カイガラムシ・ナメクジ・アブラムシ

特に気をつけたい害虫は、ハダニ、カイガラムシ、ナメクジやアブラムシなどです。これらの害虫は集団で幹や葉の裏に食いつき、植物の水分と養分を吸って植物を弱らせてしまいます。いずれも日があまり当たらない、じめじめとした場所を好んで集まります。見つけ次第すぐに駆除してください。

日当たりと風通しを改善して予防する

対処法としては殺虫剤を散布して駆除するほかに、殺虫剤の利きにくいカイガラムシは古びた歯ブラシや手袋でこそぎ落とす方法がおすすめです。もちろん水が苦手なハダニ対策として、葉水を与えるのも有効です。そして一番大切なことが、日中日光がずっと当たるような日当たりのいい、そして風通しのいい屋外へ置き、込み入った葉を剪定して風が通るようにするなど、環境そのものを改善して予防していきましょう。

ユッカ・ロストラータの子株が生えてきたらどうする?

管理やトラブルの対策についてしっかり確認してきましたね。元気に育てられるのはうれしいことですが、根元にひょっこり子株ができていることもあります。子株が生えてきたらどうするのかご紹介します。

子株はそのまま成長させるとマルチヘッドになって格好良くなる

株の根元に小さな子株ができている場合、根が十分に成長して株が元気な証です。株分けせずそのまま同じ鉢で成長させると、ダブルヘッドやトリプルヘッドなどマルチヘッドとして独特な姿を楽しめるようになりますよ。ちょっといつもと雰囲気を変えたいなと考えた時は、ぜひ挑戦してみてください。

株分けをして増やすこともできる

マルチヘッドにせず株分けして増やすことももちろん可能です。株分けは植え替えと合わせて5~9月の間にすれば、手間も少なく株へのダメージも少なくて済みます。切れ味の良い清潔なナイフやハサミで切り離して、切り口には癒合剤を塗ってください。小さなユッカ・ロストラータはかわいらしく、また趣が変わって見た目も楽しめますね。

その他のユッカの種類

ここまでユッカ・ロストラータに関してくわしく解説してきましたが、ロストラータのほかにもユッカには非常に個性豊かで美しい品種がたくさんあります。その中でもおすすめの4種類をまとめました。お気に入りの品種を見つけてくださいね。

リギダ

ブルーユッカという別名でも有名なユッカ・リギダは、シルバーブルーの美しい葉が特徴です。日光に当たると輝いているように見えるため、希少価値がとても高く、高額で流通しています。国内での流通はかなり少ないでしょう。ロストラータと同じように高さ4mくらいにも大きく育ちますが、成長速度が遅く長い年月がかかります。耐寒性も強いため、屋外での冬越しも可能です。

ブルーサンダー

ユッカ・ロストラータの品種改良種でもあるブルーサンダーは、勇壮な見た目は同じながら、原種のロストラータよりも葉の青みが強く、触れるといくらか柔らかいのが特徴です。タイのナーセリーで改良された人気の品種で、幹はオレンジがかっているため見分けやすいでしょう。

ブルースワン

ブルーサンダーと同じく流通しているブルースワンという品種は、タイではなくスペインのナーセリーで改良された品種です。原種よりも青みのある葉、柔らかく長い葉は似通っていますが、幹の色がオレンジ色ではなく白っぽいため、ブルースワンを見分ける際の目印になるでしょう。スタイリッシュな見た目も相まって人気の高い希少種になっています。

サファイアスカイズ

ユッカ・ロストラータの中でも最近人気が高まっている品種があります。それはサファイアスカイズです。葉が原種よりも細く、さらに長く針のようにも見えます。色合いもさらに青みが濃く、優雅で特にかっこいいと言われています。サファイアスカイズも、他のユッカと同様にゆっくりとした生育で、管理も楽なため苗は高額な値段で取引されています。

【まとめ】ユッカ・ロストラータをご紹介!特徴からトラブルまで徹底解説!

最後まで読み進めていかがでしたでしょうか。ユッカ・ロストラータは耐暑性耐寒性が高く、屋外で冬越し出来るなど管理が簡単で人気の高い観葉植物でした。また花言葉も良い意味が込められていたり、風水的にも金運、仕事運アップに効果があると言われていたりと、新築祝いや開業祝いなどにぴったりのプレゼントにもなります。 この記事のポイントは
  • ユッカ・ロストラータはアメリカのテキサス州やメキシコ北部が原産の多年草
  • 耐暑性や耐寒性に優れ日本のほとんどの地域で冬越しできる
  • 放射状に広がる葉を持ち、鋭くて硬く、表面はざらざらしている
  • 花言葉は、勇壮、颯爽、偉大
  • 風水的に金運、仕事運アップ、健やかな成長をもたらすといわれる
  • 直射日光の当たる日当たりの良い場所へ置く
  • 水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと、冬は断水気味に管理する
  • 水はけの良い土を好む
  • 肥料は成長期前の春に、株から少し離れたところへ置き肥する
  • 剪定や植え替えは5~9月が適期
  • 挿し木で簡単に増やせる
でした。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。