サザンカの育て方を解説!適した置き場所からよくあるトラブルまで

サザンカの育て方を解説!適した置き場所からよくあるトラブルまで
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目次

花の少なくなる初冬に可愛らしいピンクや赤の花を咲かせてくれるサザンカ。日本の暖かい地域が原産のサザンカは、昔から生垣や街路樹として愛されてきました。そんなサザンカの育て方をご存知でしょうか。庭植えにすることの多いサザンカは、置き場所や剪定などの定期管理のコツを知っていないと枯れてしまう危険性もあるのです。 そこでこの記事では、
  • サザンカはどんな植物なの?
  • サザンカの植え付け方法
  • サザンカの育て方①栽培場所
  • サザンカの育て方②水やり
  • サザンカの育て方③用土
  • サザンカの育て方④肥料
  • サザンカの植え替え方法
  • サザンカの増やし方
  • サザンカが開花した後のケア方法
  • サザンカのかかりやすい病気を解説
以上のポイントを中心にご紹介していきます。 せっかくサザンカを育てるのですから、毎年、たくさんの花を咲かせてほしいですよね。この記事を読めば、サザンカの基本的な育て方だけでなく増やし方やお手入れの方法について知ることができます。サザンカを枯らすことなく、何年も楽しむためにもぜひ最後まで記事をご覧ください。

サザンカはどんな植物なの?

育て方をご紹介する前に、サザンカがどのような植物なのかについてご紹介します。秋の紅葉が始まると同時に開花するサザンカは、生垣や街路樹だけでなく公園や神社などの皆さんがよく訪れる施設にも多く植えられているのではないでしょうか。

サザンカ(山茶花)はツバキ科の常緑低木

サザンカ(山茶花)はツバキ科の常緑低木です。常緑性があるので、寒い冬の時期にも葉を落とすことなく緑色のつやのある葉を楽しむことができます。耐寒性は普通なのですが、地植えにすることが多くお庭などでもよく見かけることがあるのではないでしょうか。

ツバキに似た花木

サザンカはツバキ科なので、葉や花の見た目がツバキにとても似ています。そのため、咲いている花がサザンカなのかツバキなのか見分けるのは難しいのです。ツバキと同じように、花弁の数や色合い、形にも様々な特徴があるのがサザンカの特徴と言えるでしょう。

違いは葉の大きさや厚さ

サザンカとツバキを見分ける時には、葉の大きさや厚さを参考にしましょう。サザンカはツバキよりも小さめの葉をつける特徴があります。また、開花時期がサザンカのほうが早いことや花の散り方の違いなどによって見分けることもできます。サザンカは花びらが一枚、一枚散る特徴があるのに対して、椿は花ごとぽとりと落ちるのです。

基本情報

サザンカの基本的な情報は以下の通りです。
科・属名 ツバキ科ツバキ属
原産地 日本・中国
開花時期 10月~12月
花の色 ピンク、赤、白、複色
別名 山ツバキ、小ツバキ、山茶

育て方は、鉢植えと庭植えの2種類

サザンカは地植えとして大きく育てる以外にも、鉢植えや盆栽としてコンパクトに楽しむことができます。庭植えのサザンカはたくさんの花を咲かせて大きく育て見ごたえのある特徴があり、鉢植えのサザンカはコンパクトながらも自分好みの形に成長させる楽しさが魅力と言えるでしょう。

サザンカの植え付け方法

サザンカの基本的な情報がわかったところで、まずは、苗の植え付け方法についてご紹介していきます。鉢植えやポット苗の状態だけでなく、麻にまかれた樹木の状態でも販売されていることの多いサザンカを購入したらどのように植え付けを行えばよいのでしょうか。サザンカの植え付けは、基本的に春か秋の時期に行いましょう。

苗から育てる方法と種から育てる方法がある

サザンカは苗から育てる方法と、種から育てる方法があります。前述したように、サザンカは鉢植えやポット苗として販売されていることが多く、種を見かけることはあまりありません。しかしある程度の大きさまで成長すると、種をつけて落とすことがあるので手に入ったらサザンカの種まきを行ってみるのもおすすめです。サザンカは発芽率は悪くないのですが、花が咲くまでに数年かかるので覚えておきましょう。

正しい苗木の選び方

サザンカをホームセンターや園芸店などで購入する場合に、良い苗木を選ぶ方法をご紹介します。正しいサザンカの苗木の選び方として、葉になるべく艶のあるもの、虫食いなどがないものを選ぶようにしましょう。また、幹の根元がぐらついていないか、葉や枝が詰まって規則的に並んでいるかにも注目すると良いですね。

植え方①鉢植えの手順

では、実際にどのように植え付けを行うのか解説していきましょう。サザンカを鉢植えにする場合の植え付け方からご説明します。

苗木から育てる

苗木からサザンカを育てる時には、どのような状態のものを購入するかによって植え付け方が異なってきます。鉢植えで購入した場合は、そのまま育てて植え替えの時期になったらひとまわり大きめの鉢に植え替えをしましょう。苗木として根が露出した状態のものを購入した時は、しっかりとした大きめの鉢を選んで植え付けを行います。サザンカの樹高にもよりますが、倒れないように陶器鉢などを選ぶと良いですね。

種から育てる

サザンカが植えられている場所を通ると、根元に種が落ちていることに気づくかもしれません。サザンカの種は秋に結実するので、種を見つけたら乾燥しないうちに鉢にまいて春の発芽を待ちましょう。寒冷地でしたら、来春の種まきでも良いのですが保管する間は乾燥しないように種を水苔などでくるむ必要があります。種まきした後、発芽したサザンカは花が咲くまでに数年かかりますが、どのような花が咲くのか待つ楽しみもありますね。

植え方②庭植えの手順

次に、サザンカを庭植えにする手順について解説していきましょう。庭植えのサザンカはなるべく日当たりの良い場所を選んで植え付けると、根張りが良くなりたくさんの花を咲かせてくれるはずです。

苗木から育てる

苗木から庭植えでサザンカを育てる場合には、半日ほど光が当たる場所を選んで植え付けを行います。苗を植え付ける前に、たい肥や腐葉土を混ぜ込んでおくとより良い土壌になるはずです。サザンカを植え付ける時には、根鉢の倍くらいの穴を掘って穴の底も根が伸びやすいようにスコップでほぐしておきましょう。根鉢を崩さないように入れたあとに、周りを土で埋めていきます。水がたまらないように少し盛り土をしてから、根を活着させるためにたっぷりと水を与えましょう。

種から育てる

サザンカを種から庭植えで育てる場合には、秋に結実した種を乾燥しないようにすぐに植え付けをしましょう。苗木の場合と同じように、事前に腐葉土やたい肥を混ぜ込んで土を肥やしておくと良いですね。土をふんわりとなるように耕した後に、穴を掘って種をまきましょう。乾燥を防ぐために、種まきの後はしっかりと水やりを行うとともに降雨が少ない時は水やりを行って春に発芽するのを待ちます。

育て方のポイント①:栽培場所

サザンカの植え付け方法がわかったところで、育て方のポイントの一番目として栽培場所についてご紹介します。比較的に育てやすいサザンカは、どのような栽培環境を好むのでしょうか。

日あたりの良い場所でも日陰でも問題ない

サザンカは耐陰性があるので、日当たりの良い場所でも日陰でも問題なく育てることができます。ただし、日照条件によって葉の茂り具合や花の数が異なってくることを覚えておきましょう。

日向では、西日の当たらない場所を選ぼう

日向にサザンカを植える場合には、西日の当たらない場所を選ぶようにしましょう。東や南向きの半日ほど光が当たる場所を選ぶと花付きが良くなります。また、過湿にならないように風通しの良い場所を選ぶのもポイントです。

日陰ではなく、なるべく明るい場所を選ぼう

日陰にサザンカを植える場合には、なるべく明るい場所を選ぶようにしましょう。大きな樹木の下や家の影になる場所でも植えることはできますが、光がまったく当たらない場所では弱ってしまうので注意しましょう。

冬に気温が‐5℃以下になる場合は防寒しよう

耐寒性がそれなりにあるサザンカですが、冬の気温が‐5度以下になってしまう場合には防寒の必要があります。氷点下の地域でも地植えにすることができますが、寒さで弱ってしまうのを防ぐために冬囲いなどで防寒するようにしましょう。特に小さい苗は寒風や雪に当たらないように注意して管理する必要があります。

育て方のポイント②:水やり

育て方の二番目のポイントとして、水やりの方法や頻度をご紹介します。サザンカを鉢植えで育てているか庭植えにしているかで、水やりも異なってきますのでそれぞれについて解説していきましょう。

鉢植えの場合

まずは、鉢植えの場合の水やりについてご紹介します。鉢植えでは土の容量が限られてしまいますので、水をたっぷりと吸収することができません。そのため、定期的な水やりが重要になります。

土の表面が乾いたらたっぷり水を与える

鉢植えの土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにしましょう。特に生育期の春から秋にかけては、頻繁な水やりが必要です。朝と夕方に乾き具合をチェックして、土が白くなっていたり鉢が軽かったりしたら水やりを行いましょう。夏場の暑い時間帯は蒸れてしまうので、朝や夕方の涼しくなるタイミングで水を与えます。

開花期は花弁を広げるために水を必要とするので、特にたっぷりと与える

晩秋から初冬にかけての開花時期は、サザンカの花弁を充分に広げるためにたくさんの水を必要とします。乾き過ぎて水切れを起こさないように注意しながら、たっぷりと水やりを行いましょう。

庭植えの場合

庭植えの場合の水やりは根が十分に張っていれば、鉢植えほど頻度を高く行う必要はありません。ただ、苗木が小さいうちは乾燥しないように手をかけて水やりを行いましょう。

植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与える

植え付けてから2年未満のサザンカの株を育てている時は、地植えでも土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行うようにしましょう。大きくなっていないサザンカの苗が頻繁に水切れを起こしてしまうと枯れる原因になりますので、注意が必要です。

2年以上たつ株は基本的に水やりの必要はありませんが、土の表面が乾くときはたっぷりと与える

庭植えにしていて2年以上たった株は基本的には、水やりの必要がありません。降雨だけで特に問題ありませんが、土の表面が乾く日が頻繁に続くようならば涼しい時間帯を選んでたっぷりと水やりを行いましょう。

育て方のポイント③:土

サザンカの育て方の三番目のポイントとして、用土についてご紹介します。サザンカの植え付けでご紹介した通り、腐葉土やたい肥を混ぜ込んで有機質に富んだ土壌を事前に作っておくと良いでしょう。

サザンカは弱酸性土壌を好む

サザンカは品種に関わらず、弱酸性の土壌を好みます。日本の風土であれば降雨によって、土壌が酸性寄りに傾きやすくなりますのでそのまま植え付けると良いでしょう。コンクリートブロックや塀が近くにあるとアルカリ性に傾きやすくなってしまいますので、注意しましょう。

庭植えのサザンカは植え付け前に苦土石灰を混ぜ込むとよい

サザンカを庭植えにする場合には、植え付け前に苦土石灰を混ぜ込んでおくのがおすすめです。ただし苦土石灰をまきすぎてしまうと、アルカリ性に傾いてしまうので少し少なめに散布するのがポイントです。

鉢植えのサザンカは弱酸性の園芸培養土が向いている

鉢植えのサザンカは弱酸性の園芸培養土が適しています。弱酸性の用土は多くの植物が好むので、市販されている培養土はほとんどが弱酸性の培養土なのです。元肥が入っているものだと、使い勝手がよいのでガーデニング初心者はそちらを選ぶようにしましょう。

育て方のポイント④:肥料

サザンカの育て方の四番目のポイントとして肥料について解説していきましょう。サザンカはたくさんの肥料を必要としない植物ですが、元肥と定期的な追肥を施すことによって花付きが良くなります。

緩効性の肥料を元肥に

地植えでも鉢植えでも、植え付け時に緩効性の肥料を与えましょう。緩効性の肥料はゆっくりと効果が表れますので、長期間にわたってサザンカに栄養分を補給することができるのです。植え付け時に与える肥料を元肥(もとひ)と呼びます。

散布時期は植え付け・植え替え時

緩効性の肥料の散布時期は、植え付け時や植え替え時です。初めてサザンカを植える場合に土に混ぜ込んだり、植え替えの際に用土を新しくするとともに肥料を与えましょう。

発芽時や生育初期に必要となる養分を与える

植え付け時に与える元肥は発芽のエネルギーとなったり、生育初期に必要となる養分となります。肥料の種類も色々とありますが、元肥として扱いやすいのは粒状の化成肥料なのではないでしょうか。植物の生育に必要な栄養分がバランスよく配合されていますので、特に初心者にはおすすめです。

鉢植えでは花後に追肥を

鉢植えでサザンカを育てている時は、花が終わった後にお礼肥として追肥(ついひ)を与えましょう。花が咲いた後に植物に与える肥料をお礼肥(おれいひ)と呼びます。

散布時期は2月と9月

鉢植えのサザンカに追肥を与える散布の適期は2月と9月です。2月に与える肥料は寒い時期ですので、根からの吸収が鈍くなる可能性があるため少なめに与えましょう。また、9月に追肥をすることによってたくさんの花をつけることができるはずです。

追肥で、生育途中で不足した肥料分を補おう

追肥は植物が生育していく上で必要となる栄養分を補給する目的があります。化成肥料は窒素・リン酸・カリが配合されていますので、どの部分に栄養を与えたいかによって購入する肥料を選ぶと良いでしょう。即効性のある液肥も追肥としておすすめです。

【成長したらすること】植え替え

サザンカを数年、育てていると購入時よりもかなり大きく成長するはずです。そんな時には、サザンカがさらに元気に成長してくれるように植え替えの作業を行う必要があります。この項目では、サザンカが成長したら行うべきこととして植え替えについて解説していきましょう。

植え替えのタイミング:根詰まりを防ぐために、2〜3年にいちど程度

サザンカの植え替えのタイミングは、2~3年に一度が目安です。このタイミングで植え替えを行うことによって、根詰まりを防ぐことができます。根詰まりを引き起こしてしまうと、そのまま根腐れに移行して枯れる可能性もありますので注意しましょう。

植え替えの時期:春の3月中旬から4月、秋の9月中旬から10月中旬

定期的な植え替えはサザンカが元気に成長するために欠かせない作業です。植え替えの作業の適期は春の3月中旬から4月、秋の9月中旬から10月中旬です。温度が低くなる地域ではその後の成長も考えると、春の時期に植え替えの作業を行うと良いでしょう。植え替えの手順は、植え付けの項目でご紹介した作業を一回り大きめの鉢を選んで行うのがおすすめです。

増やし方

サザンカの育て方がわかったところで、この項目では増やし方について解説します。サザンカは「挿し木」と「取り木」によって増やすことができる植物です。それぞれについてご紹介しますので、取り入れやすい方法を選んでチャレンジしてみましょう。

挿し木

まずは、挿し木のやり方についてご紹介します。挿し木はカットした枝を使って新しい苗を作ることができるので、コスパが良く初心者にもおすすめの方法です。

適期の6月下旬~8月頃に枝を切る

挿し木の適期は、生育期の6月下旬から8月頃に行いましょう。あまり暑い季節に入ってしまうと、挿し木の後の成長が悪くなってしまいますので気温を確認しながら適切なタイミングで行います。

方法

では、どのように挿し木を行うのか手順について簡単に説明します。
  1. 6月下旬になったらその年に伸びた若い枝を選んでカットする
  2. カットした枝の切り口が乾燥しないように水に浸しながら挿し木の準備を行う
  3. 枝の下の葉を取り除くとともに、上部の葉を2、3枚残す
  4. 大きめの葉は水分の蒸散を防ぐために半分くらいにカットする
  5. 切り口からの吸水を良くするために斜めにカットし直す
  6. 数時間、水をしっかりと吸収させる
  7. 挿し木専用土や赤玉土を鉢に入れて、用土にたっぷりと水を吸収させる
  8. 割りばしでサザンカの挿し穂用の穴を空ける
  9. 水揚げしたサザンカの枝の切り口に発根促進剤を塗布する
  10. 枝を挿したら、乾燥しないように気を付けながら半日陰の場所で管理する

とり木

取り木はサザンカの本体に枝を付けたまま、発根を待つ方法です。発根した枝をそのまま植え付けるので、取り木の後の成長が期待できるメリットがあります。

適期は3月~6月頃

取り木の適期は3月~6月です。寒い地域ではしっかりと暖かくなるまで待ってから作業を行いましょう。6月に入ると湿度が上がり、発根が期待できますので梅雨に入るまでに作業を行うようにするのがポイントです。

方法

サザンカの取り木の方法について、簡単に説明します。
  1. サザンカの2年目から3年目の枝を選んで2㎝ほどの幅でぐるっと一周、枝の皮をはぐ(清潔でよく切れるナイフやカッターを用いる)
  2. 切り口に発根促進剤を塗布する
  3. しっかりと吸水させた水苔をその上から巻き付ける
  4. 水苔の上からビニールシートやサランラップを巻き付けて、はずれないように上下を紐で結ぶ
  5. 水苔を定期的に湿らせながら遮光して発根を待つ
  6. 数か月で発根するので、水やりの際に根を確認したら枝をカットして用土に植え付ける

開花後のケア方法

続きましては、サザンカが開花した後のケア方法についてご紹介します。開花後に手をかけてあげることで、翌年も花をたくさんの花を咲かせてくれるはずです。

花がら摘み

花がら摘みはサザンカの花が終わった冬から春にかけて行います。花がらをそのままにしていると、見た目も良くないですし過湿によって病害虫が発生しやすくなってしまうのです。花が咲き終わったら、その都度、花がらを摘んでサザンカの苗を清潔に保つようにしてあげましょう。

剪定

剪定は、風通しを良くするとともに古い枝をカットすることで植物の健全な成長を促す作業です。風通しの良さは日当たりの改善や病害虫の予防に効果がありますので、サザンカが大きくなったら毎年、剪定を行うようにしましょう。

剪定時期は3月から4月

剪定の適期は花が終わった3月~4月です。この時期に剪定を行うことによって、春からの生育期で新しい枝や葉が伸びやすくなります。また、花芽の形成を邪魔することがないのでその年の冬の花のつきに影響を与えないのです。7月以降は花芽が付き始めますので、刈り込みをしないようにしましょう。

通常は枝の間引きと弱い切り戻しが基本

サザンカの剪定は基本的には樹形を大きく変えるような強剪定は行わずに、風通しを良くするための間引き剪定と切りそろえる程度の切り戻し剪定を行いましょう。剪定で使用するハサミや切れ味が良く、殺菌されたものを用いましょう。混みあった内部の枝や、はみ出した余分な枝を中心に剪定していきましょう。

かかりやすい病気

最後に、サザンカのかかりやすい病気についてご紹介します。病気の特徴を知った上で、感染が見られた時には早めに対処しましょう。また、病気以外にもサザンカにはチャドクガに代表される害虫がつくこともあります。チャドクガは毒がある毛虫なので、早急な対処が必要になるのです。日ごろから注意深くサザンカを観察するのが、早めに病気や害虫に気づくポイントですよ。

花腐菌核病

花腐菌核病(はなぐされきんかくびょう)は、サザンカなどの常緑樹に起こりやすい病気ですので注意しましょう。

花弁に茶褐色の斑紋が現れる

花腐菌核病は、サザンカの花弁に茶褐色の斑紋やシミがあらわれる特徴があります。開花したばかりの花がこのような症状をもっていた場合には、病気の原因が考えられますので早めに対処しましょう。花腐菌核病の対処方法は、被害を受けた花を除去するとともに殺菌剤を散布するのがおすすめです。

水が多いと被害が広がるため、花弁に水がかからないよう注意

水分が多く、過湿状態になってしまうと被害が広がるので開花時期に雨が多い年は気を付けてあげましょう。また、水やりを行う時は花弁に水が掛からないように工夫する必要があります。花腐菌核病の蔓延を防ぐために、被害を受けた花は根元に捨てずに燃えるごみとして処分しましょう。

すす病

すす病は葉に黒や灰色の斑点ができる病気です。見た目が良くないですし、光合成を阻害されることによって植物の成長に悪影響を与えるので早めに気づくようにしましょう。

カイガラムシなどの排せつ物が堆積した葉や枝に黒いすす状のカビが発生するもの

すす病は、カイガラムシなどの排泄物が堆積した葉や枝に黒いすす上のカビが発生するものです。病気に早めに気づくことが重要であるとともに、カイガラムシが大量発生しないように注意しましょう。カイガラムシは通常の薬剤ではあまり効果がないので、石灰硫黄合剤などを散布するのがおすすめです。

見た目が汚いだけでなく光合成を妨ぐ

すす病の葉は、黒や灰色の斑点上のカビが発生するので見た目が汚くなってしまうだけでなく光合成の阻害にもなります。将来的にはサザンカが弱って枯れてしまうこともあるので、気づき次第、薬剤を散布するとともに被害を受けた葉をカットして対処しましょう。

【まとめ】サザンカの育て方を解説!適した置き場所からよくあるトラブルまで

いかがだったでしょうか。 サザンカの基本的な育て方についてご紹介しました。花の少なくなる冬の時期に可憐な花を咲かせるサザンカは、品種によって花色に違いがある選びがいのある植物です。冬の寒さの中でも花や葉を絶やさないサザンカを、この記事を参考に元気に育ててあげてくださいね。 この記事のポイントは以下の通りです。
  • サザンカは日本の暖地が原産の常緑樹
  • サザンカは苗木や種で植え付けることができる
  • サザンカの育て方①耐陰性があるので日かげでも育てられるがなるべく日当たりと風通しの良い場所で管理する(西日は避ける)
  • サザンカの育て方②水やりは鉢植えの場合と苗木が若い時は土が乾いたら与える
  • サザンカの育て方③用土は腐葉土やたい肥を混ぜ込んだ水はけが良い弱酸性のものを好む
  • サザンカの育て方④肥料は元肥を混ぜ込むとともに、鉢植えでは追肥を与える
  • サザンカの植え替えは数年ごとに春か秋の季節に行う
  • サザンカの増やし方として、挿し木と取り木がある
  • サザンカが開花した後の花がら摘みによって過湿を防ぐとともに定期的に剪定を行う
  • サザンカのかかりやすい病気として花腐菌核病とすす病がある
サザンカの育て方のポイントとして、日当たりや温度管理などの置き場や栽培環境を整えてあげることが重要です。また、水はけを良くするとともに乾燥しすぎない開花時期の水やりも大切な育て方ですので覚えておきましょう。サザンカは栽培環境が気に入れば大きく成長して、毎年花を咲かせてくれる育てごたえのある樹木です。今回ご紹介した育て方を参考に、ぜひサザンカを育ててみてはいかがでしょうか。 最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。