沈丁花(ジンチョウゲ)の正しい剪定方法を解説!時期やコツをご紹介

沈丁花(ジンチョウゲ)の正しい剪定方法を解説!時期やコツをご紹介
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

香りが強く遠くまで香りを飛ばす沈丁花(ジンチョウゲ)。沈丁花の香りには100種類以上の成分が含まれており、かわいらしい見た目と相まって人気の花木です。今回は沈丁花の剪定について解説していきたいと思います。 沈丁花の剪定について以下の通りまとめました。
  • 沈丁花の基本情報
  • 沈丁花の剪定を行う必要性
  • 沈丁花の剪定を行う適した時期
  • 沈丁花の剪定を行う際の注意点
この記事を最後まで読むと沈丁花の剪定についてがわかります。剪定の手順や剪定を行った後の枝を使って挿し木を行う仕方も解説していますので、興味がある方はぜひ最後まで読んでみてください。

沈丁花(ジンチョウゲ)ってどんな植物?

そもそも沈丁花という植物を知っていますか。どんな植物なのかわからない方のために簡単に沈丁花について解説いたしますのでご覧ください。

早春に綺麗な花と特徴的な香りを持つ常緑の花木

沈丁花は早春に小さなお花が毬のような塊になって枝先に咲く、春の代表的な花木です。沈丁花は初夏に咲く梔子や秋に咲く金木犀と合わせて三大香木と呼ばれています。 沈丁花という名前はお花の香りが沈香に似ていることと、十字架のように咲くお花が丁子(クローブ)に似ていることが由来です。花姿より香りの印象が強い植物になります。沈丁花としてよく流通している品種はシロバナジンチョウゲ、フクリンジンチョウゲ、ウスイロジンチョウゲなどです。

沈丁花の寿命は20年〜30年

沈丁花の寿命は20年から30年と花木の寿命としては短い植物です。沈丁花は雌雄異株のため雄株と雌株があり、日本での流通は雄株がほとんどのため実がなりません。そのため沈丁花を増やしたいのならば種や苗を購入してもいいですが、挿し木で簡単に増やすことができるため挿し木で増やしてみましょう。興味がある方は挿し木に挑戦してみてください。

沈丁花は成長が遅くとても繊細な植物

沈丁花は成長が遅く環境の変化に弱い植物です。そのため一度植えた場所から管理する場所を移植することはあまりおすすめしません。地植えで栽培する場合は西日が当たらない半日陰のような場所で栽培していきましょう。完全に日の光が当たらない場所は花がつかなくなるため避けてください。耐寒性はあまりない植物ではありますが、東北南部まで地植えが可能な植物です。

沈丁花は全ての部位に毒性を持つため注意

沈丁花は全ての部位に毒性を持つ植物です。香りが高く香水や化粧品にも利用されています。しかし花びらや根っこに毒性があることで安定した抽出ができないアロマオイルはほとんど販売されていません。種を沈丁花の果実から採取したいときも果実に毒性を持っているため、外側の果肉の部分を水で丁寧に洗い流しながら気を付けて採取してください。

沈丁花の花言葉は「永遠」「不死」「不滅」「栄光」

沈丁花の花言葉は「永遠」「不死」「不滅」「栄光」です。このような花言葉は沈丁花が1年を通して緑の葉っぱをつける常緑植物であることから連想されています。ネガティブなイメージの花言葉はないため、花言葉を沿えてプレゼントをしてもいいかもしれません。

沈丁花に剪定は必要?

沈丁花はとても成長が遅い植物です。成長が遅いため沈丁花には剪定は必要がないようにも思えますが、剪定は沈丁花が元気に育つために必要なお手入れになります。沈丁花に剪定が必要な理由について解説していきますのでご覧ください。

沈丁花は間引き剪定が必要になる

沈丁花は枝が分岐して大きくなってくるため、何もしなくても丸くこんもりとした樹形になります。丸くこんもりとした樹形はとても可愛らしいですが、放置していると植物の風通しが悪くなり花が咲きにくくなって見た目も悪くなっていくでしょう。花が咲き終わった後に混み合った部分の枝を剪定する間引き剪定」を行ってください。

沈丁花の剪定の目的は病害虫の予防

沈丁花を剪定しないまま放置していると枝が混み合い植物の風通しが悪くなり蒸れて病害虫が発生しやすくなります。必ず間引き剪定を行い植物の風通しをよくし、病害虫の発生を予防しましょう。 剪定を行う際に太い枝を切り込むと枯れてしまう可能性があるため強剪定は避けてください。どうしても切らなければならない場合は癒合材を塗って沈丁花を保護して栽培しましょう。

鉢植えや地植えでも剪定方法は同じ

沈丁花を鉢植えで育てている場合も地植えで育てている場合も剪定は行ってください。鉢植えも地植えも剪定方法は同じです。混み合っている枝、不要な枝を間引きながら剪定を行いましょう。全体の枝数を減らすことで風通しが良くなり、生育不良が防げたり病害虫が発生する予防ができます。

沈丁花を小さくしたい場合は時間をかけて徐々に小さくしていく

沈丁花を小さく選定したい場合は、一度に枝などを切りすぎてしまうと花数が減ってしまう場合があります。そのため3年くらいを目安に徐々に小さく剪定してください。 剪定は沈丁花のお手入れには必要な作業ですが、難しいというならば業者に任せてみるのも1つの方法です。業者の方は専門の方のため剪定に必要な道具できちんとした剪定を行ってくれます。難しいと思ったら業者の方に頼んでみましょう。

沈丁花の剪定の時期はいつ?

沈丁花の剪定に適した時期はいつなのでしょうか。沈丁花の剪定に適した時期について解説いたします。

間引き剪定の適期は開花後の4月〜5月

沈丁花は3月から4月にかけて花が咲くため、剪定は花が咲き終わった4月から5月の間に行ってください。6月頃に翌年の花芽ができるため、その前に剪定は行っておきましょう。またこの時期に剪定を行うことで枝を大胆に取り除いても、枝や幹が伸びやすく樹形も整いやすいです。

夏以降に剪定を行うと翌年に花が咲かなくなるため新芽がつく前に剪定する

翌年の花芽や新芽ができる6月以降に剪定を行うと花芽や新芽も一緒に切ってしまうことになるため、翌年の花が咲かなくなってしまいます。必ず花が咲き終わって花芽や新芽ができる夏前に剪定は行ってください。

沈丁花の剪定はどんな枝を切れば良い?

沈丁花の剪定ではどのような枝を間引いて剪定していけばいいのでしょうか。詳しく解説していきます。

間引き剪定では不要枝や忌み枝を切っていく

沈丁花を剪定する間引き剪定とは不要な枝や忌み枝を切り取って枝の数を減らす剪定方法です。日頃から沈丁花をよく観察して最適な数だけ剪定しましょう。長く飛び出していたり混み合った枝、交差している枝などを中心に剪定していってください。

剪定する枝の例

剪定をする枝は主に次のような枝を剪定しましょう。
  • 幹や主枝から伸びていて勢いのある枝
  • 幹から伸びている枝に対して交差している枝
  • 下を向いている枝
  • 木の根元から生えている枝
  • 他の枝に対して逆の方向に向かって生えている枝
これらの枝を切り落とすことで風通しもよくなり、病害虫の発生も防げるでしょう。しかし切りすぎには注意してください。

沈丁花の剪定で準備するもの

沈丁花を剪定する際に準備するものを紹介いたします。どれもホームセンターや園芸用品店で販売されているため、剪定を行う際には揃えてみてください。

剪定バサミ

沈丁花の剪定は剪定用のハサミで行ってください。ホームセンターや園芸用品店などで簡単に購入できます。使用したあとそのまま放置しておくと菌が付着している可能性もあるため、剪定バサミを使用したあとは必ず水で洗い流し消毒を行ってください。

手袋

沈丁花は毒性の強い植物のため、手袋をして剪定などの作業は行わないと手が荒れてしまいます。手袋をしていない手で顔や目などに触れるととても危険です。必ず沈丁花を使った作業を行う際には手袋が必要になるため、用意してください。

癒合剤

癒合材は切り口の保護のために必要です。枝を切った後の切り口はそのままにしておくと雑菌が入り込むことがあります。切り口に癒合材を塗っておくことで雑菌が入り込むのを防ぐため必ず用意してください。

沈丁花の剪定の仕方

沈丁花の剪定の仕方について解説いたします。沈丁花の剪定を行う際の参考にしてください。

① 剪定バサミを消毒し清潔にする

沈丁花は繊細な植物のため、汚れがついたハサミや錆びた切りにくいハサミを使用すると、病気にかかったり弱って枯れてしまう原因になります。沈丁花を剪定するときには、新しい剪定バサミを用意するか切れやすい剪定バサミをきれいに消毒してから使用しましょう。

② 樹形から飛び出した長いえだの分かれ目の根本から切っていく

明らかに樹形を飛び出している長い枝があれば、分かれ目の根元から切っていきましょう。わかりやすくきれいな樹形の邪魔になっている部分があれば目についたところから剪定していってください。

③ 混み合っている場所の枝の分かれ目の根本から切って風通しをよくする

ある程度樹形を飛び出している枝を切り終えたら、混み合っている枝を切り取りましょう。混み合っている枝の根元から切り、植物自体の風通しを良くしてください。このときに混み合っている枝通しの切りすぎには注意しましょう。

④ 切り口が大きい場合は癒合剤を塗る

沈丁花を剪定しているときに切り口が大きくなった場合は、癒合材を必ず塗ってください。癒合材を塗ることで雑菌が入り込むのを防ぐことができ、病気を防ぐことにつながります。必ず大きな切り口ができてしまったら癒合材を塗りましょう。

沈丁花は繊細なため事前に動画や図解なども見て予習しておくと安心

沈丁花は繊細な植物のため事前に動画や図解などを見て剪定の仕方を予習して理解しておくと、スムーズにいきやすくなり沈丁花を傷つけることなく安心して剪定作業ができます。事前に動画や図解などを見て沈丁花の剪定の仕方を理解し、沈丁花が傷つかないように最大限に配慮しながら剪定を行ってください。最大限に沈丁花に配慮しながら剪定を行うことで繊細な沈丁花も枯れることなくのびのびと成長できるでしょう。

沈丁花を剪定する際の注意点

沈丁花は他の植物と比べると成長が遅いため、必ず剪定が必要というわけではありませんが長く剪定をしないことは沈丁花にとってよくありません。沈丁花を剪定する際の注意点を解説いたします。久しぶりの剪定でも失敗しないために読んでみてください。

清潔で切れ味の良い剪定バサミを使用する

剪定バサミは清潔で切れ味のいいものを用意してください。不潔な剪定バサミを使用すると沈丁花に不潔な部分が移り病気になったり、錆びた切りにくい剪定バサミを使用すると枝や木を傷つけてしまう可能性があります。必ず清潔で切りやすい剪定バサミを使用しましょう。

必ず適期に剪定するようにする

剪定する時期は花が咲き終わった4月から5月の間に必ず行ってください。4月から5月以降になると花芽がつきはじめたりするため、花芽ごと切ってしまいます。花芽がついている枝を切ってしまうと翌年の花が咲きません。花芽がついていない4月から5月の間に必ず行いましょう。

剪定しすぎないようにする

沈丁花は繊細な植物です。1度に沈丁花の枝などを剪定しすぎると株が弱り育ちにくくなる場合があります。切りすぎないように特に邪魔な枝や伸びすぎている枝などを選び剪定しましょう。

枝の途中からではなく根本からカットする

剪定する枝は必ず根元からカットしてください根元から切らないと枝の途中で剪定した部分から新しい枝が生えてきたり、残った先端部分が枯れてしまう可能性があるからです。見た目も悪くなり、生育不良を起こしやすくなります。必ず剪定は切る枝の根元から切り落としてください。

太い枝を切った場合は癒合剤を塗る

沈丁花の枝の太いものを切った場合は必ず癒合材を塗ってください。癒合材を塗ることによって菌などの侵入を防ぐことができます。特に太い枝を切った場合は沈丁花が弱りやすくなるため必ず癒合材を塗って保護しましょう。

剪定した沈丁花の枝で挿し木に挑戦!

沈丁花は日本で赤い実がなる雌株はあまり流通していないため、実が実らないことが多く種を採取することはなかなかできません。沈丁花を増やしたいときには挿し木で簡単に増やすことができます。沈丁花の挿し木の仕方について解説していきますのでご覧ください。

沈丁花は繊細で突然枯れてしまうこともあるため挿し木で増やしておくと安心

沈丁花はどんなに気を付けて育てていても突然枯れてしまうこともあるため、挿し木をしておくと安心です。庭に植え付けた沈丁花を別の場所に移植したいというときでも、植え替えを行うより挿し木で行う方が失敗しにくくなります。沈丁花を増やしたいときや植え替えを行いたいときには挿し木を行いましょう。

沈丁花の挿し木の方法

沈丁花の挿し木の方法について説明いたします。
  1. 挿し木を行う前日に沈丁花にたっぷりと水やりを行い、約10cmから15cmの枝を切り取る
  2. 葉を先端から2、3枚残し剪定バサミで挿し木の切り口を切った後、もう1度斜めに切る。切り口を約30分から60分水に浸ける
  3. 用土の入った鉢に細い棒で中心に穴をあけ挿し木を3分の1から2分の1程度まで挿して、周りの用土はピンセットで抑える。
  4. 用土が乾燥しないようにたっぷりと水を与えて完成

沈丁花の挿し木後の管理方法

沈丁花を挿し木したら水をたっぷりと与えて用土が乾燥しないようにします。また管理する場所は水を切らさないように日陰でよく観察しながら管理してください。

沈丁花の挿し木で発根したら鉢上げをする

約2か月で根っこが10cm程度伸びてきます。伸びてきたら鉢上げを行い植え替えていきましょう。地植えで育てていきたい場合は1年たったころに地植えに植え替えてください。地植えに植え替える際には、新芽が伸び始める前の3月下旬から4月下旬までの間に行いましょう。沈丁花を育てる環境に適している場所であればどこでも定植できるため、適した環境で栽培してください。

適切な水やりや肥料、定期的なお手入れで沈丁花を長く楽しもう

沈丁花はあまり水や肥料を与えなくても育っていく花木ですが、沈丁花の細根はあまり発達しておらず乾燥に弱い特徴があります。そのため雨が降らない時期や植え付けたばかりの時期は土が乾燥していたらたっぷりと水を与えましょう。肥料も花が咲いた後の4月から5月、株が成長する9月に緩効性の肥料を与えます。また2月にも緩効性肥料を与えることで花の開花時期に株が弱っていくのを防げるでしょう。 沈丁花の花が開花後は花を咲かせるためにエネルギーをたくさん消費してしまい栄養不足になりがちです。そのため適切な環境で水や肥料を与え、定期的なお手入れを行うことで新芽や花芽も育ち、翌年にもきれいな花を咲かせることができるでしょう。繊細な植物沈丁花を元気にのびのびと成長させていくために、定期的なお手入れや適切な水やり・肥料を与えていってください。

【まとめ】沈丁花(ジンチョウゲ)の正しい剪定方法を解説!時期やコツをご紹介

いかがでしたでしょうか。今回は沈丁花の剪定について解説してきました。 今回の記事のポイントは以下の通りです。
  1. 香り高い春の代表的な花木ですが、寿命が短い植物
  2. 沈丁花の剪定を行うことで、生育不良や病害虫を予防できる
  3. 沈丁花の花が咲き終わった4月から5月の間に剪定は行う
  4. 沈丁花の剪定を行う適した時期に清潔なハサミで剪定し、剪定しすぎないように注意
沈丁花の花は可愛らしく香りがいいため人気の花木です。気になっているのならば栽培してみてください。沈丁花を栽培してみたら剪定にもチャレンジしてみましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。