沈丁花が大きくなりすぎたときはどうすればいいの?対処法を解説!

沈丁花が大きくなりすぎたときはどうすればいいの?対処法を解説!
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目次

春先に香り高く上品なお花を咲かせる沈丁花。それほど手入れが必要なく簡単に育てられる常緑の花木で、庭木や鉢植えとして古くから親しまれさまざまな場所で栽培されています。そんな沈丁花ですが、時に株が大きくなりすぎてしまうことがあります。ご自身でお庭の沈丁花を小さく整えたいと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、正しい剪定方法や適期が分からないと沈丁花にダメージを与えて枯らしてしまうのではないかと不安ですよね。 大きくなりすぎた沈丁花を剪定するにはいつどのような方法で行い、気を付けるポイントには何があるのでしょうか。 そこでこの記事では、
  • 沈丁花の特徴
  • 沈丁花が大きくなりすぎると起こる弊害
  • 沈丁花の剪定の適期
  • 沈丁花の剪定方法
  • 沈丁花の剪定時に気を付けること
  • 沈丁花の挿し木について
上記について詳しく解説していきます。 この記事を最後まで読んで頂ければ、大きくなりすぎた沈丁花の正しい剪定方法や適期が分かります。また剪定の際の注意点や、挿し木での増やし方についてもご紹介します。お家で育てている沈丁花が大きくなりすぎて困っている人も、剪定について詳しく知りたい人も是非参考にしてくださいね。

そもそも沈丁花はどんな植物?

年間通して葉の色が変化しない常緑樹で、お花だけでなく葉の鑑賞も楽しめる沈丁花ですが、そもそもどのような性質を持つ植物なのでしょうか。最初に沈丁花の基本情報や特徴についてご紹介していきます。

沈丁花の基本情報

沈丁花は中国原産のジンチョウゲ科ジンチョウ属で、一年中緑の葉を付ける常緑低木です。生長がゆっくりで樹形が乱れることが少ないので、こまめなお手入れがいらず庭木として人気でさまざまな場所で栽培されています。春先にはピンクや白色の花を咲かせて人々の目を楽しませてくれます。しかし、花木の中では寿命が短い方で20年~30年ほどと言われています。
科・属 ジンチョウゲ科・ジンチョウゲ属
タイプ 常緑・庭木
原産地 中国
寿命 20~30年
開花時期 2月下旬~4月中旬

沈丁花は早春に花を咲かせ、三大香木として知られる常緑の花木

沈丁花は2月下旬から4月中旬の春先にピンクや白色の花を咲かせます。開花時期には甘い香りを漂わせ、夏のクチナシや秋のキンモクセイとともに香り高い三大香木として古くから親しまれています。また、年中葉の色が変化しない常緑の花木であることから庭木や鉢植えとしてはもちろん、生垣にもよく用いられています。

沈丁花の花言葉は「永遠」「不死」「不滅」「栄光」

植物にはその性質や見た目の印象から、さまざまな花言葉を持っています。沈丁花の花言葉には「永遠」「不死」「不滅」「栄光」などがありますが、これは常緑樹の沈丁花が枯れることなくいつも元気であるイメージから付けられたと考えられています。永久的に続くことを連想させる花言葉が多いので、結婚記念日や開業祝いなどのフラワーギフトとして贈ると喜ばれますよ。

沈丁花は成長が緩慢でとても繊細な植物

沈丁花は成長速度が遅く、移植を嫌う植物なので植える場所をあらかじめよく選ぶ必要があります。夏の強い西日や直射日光が当たると株が弱ってしまう可能性があるため、明るい日陰になるような場所が理想的です。ただし、日照不足は花付きが悪くなるので気をつけましょう。

日本にある沈丁花のほとんどが雄木

沈丁花は雌雄異株なので、雌株と雄株があります。日本の市場で多く出回っているものはほとんどが雄木で実を付けません。そのため、沈丁花を増やしたい場合は一般的に挿し木が行われます。

沈丁花は葉や花、樹液に毒性を持つ

沈丁花は葉や花だけでなく、樹液に至るまで毒性を持っているため栽培には注意が必要です。個人差はありますが、樹皮や樹液に触れると痒みや水ぶくれの症状を引き起こす可能性があります。また、雌株が手に入ることもあるかと思いますが、雌株が付ける実は猛毒なので小さなお子さんやペットが誤って口に入れないように気をつけましょう。

沈丁花が大きくなりすぎるのは大丈夫?

沈丁花の基本情報や特徴がお分かりいただけたと思います。生長が緩やかで育てやすい沈丁花ですが、大きく育ちすぎてしまうことも少なくありません。ここからは株が大きくなりすぎると起こりうる弊害について見ていきましょう。

大きくなりすぎると枝葉が混み合い病害虫のリスクが高くなる

沈丁花が大きくなりすぎるとその分枝が混み合って株が蒸れます。また日当たりや風通しが悪くなることで、病害虫が発生しやすくなってしまいます。沈丁花は細かく枝分かれする特徴があるので、湿気がこもらないように特に気を付ける必要があります。

限界まで大きくなると突然枯れてしまうことも

沈丁花は大きくなればなるほど根付きが悪くなる性質を持っています。必要な手入れをしないで放置していると、株は毎年肥大化していきます。その後限界まで大きくなりすぎると夏に突然枯れてしまうこともあるため注意が必要です。適切に剪定をしたり、挿し木で株を更新したりして管理することが大切です。

沈丁花が大きくなりすぎた時はどうすれば良い?

沈丁花が大きくなりすぎると株にさまざまなな悪影響を及ぼします。では、大きさを調整して今後も健康に美しく保つためにはどのように対処すると良いのでしょうか。ここからは、育ちすぎた沈丁花の正しい対処方法を詳しく説明していきます。

沈丁花が大きくなりすぎた時は【剪定】を行う

大きくなりすぎた沈丁花をコンパクトにしたい時や、枝葉が混み合っている時は剪定をします。剪定の方法は目的によって異なりますが、時期としては花が咲き終わった4月から5月ごろに行うと株に負担が少なくて済みます。夏以降は翌年の開花に向けて準備に入るので、基本的には手を付けないようにしましょう。

沈丁花の剪定は【間引き剪定】がベスト

前述の通り、沈丁花は成長速度が遅く自然に丸い樹形を維持するため、こまめな剪定は必要ありません。しかし、育ちすぎて枝葉が混み合うような場合は、害虫病にかかってしまう原因になるため「間引き剪定」を行います。伸びすぎた枝など不要な部分を見極めて取り除き、風通しや日当たりの改善をしましょう。

剪定をしすぎると枯れてしまうので注意

沈丁花はあまり大胆に剪定をすると、樹勢が弱くなって枯れてしまうことがあります。基本的には間引き剪定で管理し、大きくなりすぎた株を小さくしたい場合や、若返りをさせたい時のみタイミングを見て強い剪定を行いましょう。

小さくしていく場合は時間をかけて徐々に小さくしていく

大きくなりすぎた沈丁花をコンパクトにする場合はどうしても大がかりな剪定が必要です。しかし一度に切りすぎると花付きが悪くなってしまうだけでなく、最悪の場合株が枯れてしまう恐れがあります。できる限り負担を少なくするためにも、3年ほどを目安時間をかけて少しずつ小さくしていく方法をおすすめします。

沈丁花の剪定の時期はいつ?

沈丁花の剪定をいつ行うかは、株のその後の生長に大きく関わります。健康でたくさんの花を咲かせる沈丁花に育てるためにも、正しい方法で適切な時期に剪定を行うことが大切です。

適期は開花後の4月〜5月

沈丁花の開花時期は春先の2月下旬~4月中旬です。剪定は花が終わったあとの4月下旬~5月ごろに行うのが適しています。花後すぐであれは、強めに剪定してもすぐに新梢が伸びてくるので樹形が整いやすいです。またどこを切っても新芽が出てくるので、園芸初心者でも比較的簡単に剪定が行えます。

夏以降に剪定を行うと翌年に花が咲かなくなる

沈丁花は花が終わったら、6月ごろには次の花芽が作られ始めます。秋にかけて生長を続け、その後冬にはしっかりとしたつぼみになって開花の時期を待ちます。そのため、花芽が付いた夏以降に剪定を行うと翌年に花が咲かなくなってしまう可能性があります。生長を阻害しないように、沈丁花の剪定は5月中旬までに済ませておきましょう。

沈丁花の剪定ではどこを切れば良い?

植物を剪定する時は、その目的や特性に合わせた方法で行います。沈丁花は基本的に間引き剪定で管理しますが、枝の切り方にはポイントがあります。どこをどのように切れば良いのか具体的に見ていきましょう。

間引き剪定では不要枝や忌み枝を切っていく

沈丁花は特に手を加えなくても自然に丸くまとまるので、見栄えを整えるための大がかりな剪定は必要ありません。主に他の枝の生長を妨げたり、伸びすぎて樹形から飛び出したりしている不要枝や忌み枝を中心に取り除く間引き剪定をしましょう。

枝の途中で切り詰めるのではなく、付け根から切り取る

沈丁花の剪定では、枝の途中で切り詰めてしまうとすぐに伸びてきてしまいます。せっかく適期に剪定を行っても、花芽が出てくる夏ごろにはまた茂ってきてしまうなんてことも。枝を切り取る時は必ず付け根の部分からカットするようにしてください。

沈丁花の剪定で必要なもの

実際に沈丁花を剪定する際に必要なものをご紹介します。特別なものは必要ありませんので、作業をよりスムーズに進めるために揃えておきましょう。

剪定バサミ

枝を切るためによく切れる剪定バサミが必要です。錆びたハサミは切れ味が悪く、木を傷つけてしまう可能性があるので使用しないでください。また、汚れているハサミは菌が付着していることがあるため、消毒したものを準備しましょう。

作業用手袋

剪定には刃物を使うので危険を伴います。誤って手を傷つけないように作業用の手袋を着用してください。また、沈丁花の葉や樹液には毒性があるので、素手で触ると痒みを引き起こす恐れがあります。怪我や毒から身を守るため手袋を使用することをおすすめします。

癒合剤

沈丁花の剪定後、傷口となった木の切り口に癒合剤を塗って保護します。癒合剤を使用することで、切断面からの雑菌の侵入や水分の蒸発を防ぎ回復を促します。一般的な園芸店などで購入できるので揃えておきましょう。

沈丁花の選定の方法

必要な道具が揃ったら、実際に沈丁花を剪定しましょう。ここからは、これまでの説明をふまえて正しい剪定方法や手順をお話ししていきますので作業の参考にしてくださいね。

① 剪定バサミを消毒し清潔にする

最初に剪定に使うハサミを綺麗にします。他の植物に使った剪定バサミには、菌が付着していてそのまま使用すると沈丁花に病気が移る場合があります。少し手間ではありますが、剪定前だけではなく使用後も消毒をして清潔な状態にしておきましょう。

② 樹形から飛び出している枝の分かれ目の根本から切っていく

沈丁花をよく観察して、まずは伸びすぎて樹形から飛び出している枝をカットしていきます。この時、樹形の輪郭に合わせて切る必要はありません。すぐに伸びてきてしまうことが無いように、枝分かれしている根元ぎりぎりで切り落とします。

③ 混み合っている場所の枝を根本から切っていく

飛び出している枝を切り終わったら、次は枝葉が混み合っている部分をカットしていきます。葉数が多くて茂りすぎている所や、交差して他の枝の生長を阻害している枝を根元から取り除きます。株の内側に空間を作るようなイメージで作業するとうまくいきます。

④ 切り口が大きい場合は癒合剤を塗る

ひと通り剪定が終わったら、切り残しがないか株全体を確認します。問題なければ太い枝などの切り口の面積が大きくなっている所に、菌が侵入しないように癒合剤を塗って保護しましょう。

沈丁花の選定の際に注意すること

沈丁花の剪定をする際には注意点がいくつかあります。剪定を行うタイミングや使用する道具など、以下に4つの重要なポイントをご紹介します。

必ず適期に剪定するようにする

最も気を付けたい注意点は、剪定を行う時期です。沈丁花を弱らせてしまったり、翌年の花芽を切り落としたりすることのないように花後すぐに剪定するのがベストです。適期以外の時期にどうしても切りたい時は、不要な枝のみに限定して最低限の剪定に留めましょう。

切れ味が良く、清潔な剪定ハサミを使用する

剪定に使用するハサミは状態の良いものを用意してください。錆などで切れ味が良くないと、うまく切れず枝の切り口を潰したり傷つけたりする可能性があります。また、ハサミが汚れて菌が付着していると、沈丁花が病気にかかってしまうこともあるため注意が必要です。剪定時にはよく切れる消毒済みの清潔なハサミを使いましょう。

太い枝を切る場合は癒合剤を使用する

癒合剤は枝の切り口に塗ることで、雑菌の侵入や水分の蒸発を防いでくれる薬剤です。沈丁花の太い枝を切る時や、大がかりな剪定をした場合は枝の切り口に塗っておくと安心です。癒合剤は市販されているので、お家で剪定をする機会がある人は持っておくと良いですね。

”剪定しすぎない”ように注意する

沈丁花の剪定は切りすぎないことが大切です。強剪定や刈り込みをすると、株が衰弱して枯れてしまうことがあるため基本的には行いません。株が大きくなりすぎてサイズを小さく整えたい場合は、3年ほどの期間をかけて少しずつ適期に剪定して調整しましょう。

沈丁花の選定した枝で挿し木に挑戦

ここまで沈丁花が大きくなりすぎた時などの剪定について説明してきましたが、実は剪定した枝を使って挿し木で株を増やすことができます。最後に沈丁花の栽培をより長く楽しむための挿し木についてご紹介します。

沈丁花は突然枯れるリスクがあるため挿し木で増やしておくと安心

寿命が短い沈丁花ですが、大きくなりすぎた場合や強剪定が原因で突然枯れてしまうことがあります。また、水切れがしやすく植え替えを嫌うため管理方法によって枯れてしまうケースも少なくありません。大切に育てていた沈丁花がダメになってしまう前にあらかじめ挿し木で増やしておくと良いでしょう。

適期:沈丁花の挿し木は4月か7月〜8月

沈丁花の挿し木の適期は4月もしくは、7~8月です。4月に行う春挿しは前年に伸びた枝を使い、7~8月の夏挿しではその年の枝を使うことができます。葉が数枚付いた状態で挿し木を行いましょう。

沈丁花の挿し木で準備するもの

沈丁花の挿し木の際に準備するものは以下の通りです。
  • 挿し木用の沈丁花の枝
  • 挿し木用土 (鹿沼土や赤玉土の小粒・肥料分のない新しい土)
  • 切れ味の良い清潔な剪定バサミ
  • 穴あけ用の細い棒 (割りばしなど)
  • ピンセット
  • 発根促進剤

沈丁花の挿し木の方法

沈丁花の挿し木の手順は以下の通りです。
  1. 沈丁花の伸びすぎた枝の中から状態の良いものを選び、先端から10~15cmの長さで切り取ります。
  2. 葉を2~3枚ほど残し、それ以外の葉を取り除きます。
  3. 切り取った挿し木の切り口をよく切れるハサミで斜めに切り、吸水しやすくしてから60分ほど水に浸します
  4. 挿し木用土に細い棒で穴を開け、切り口に発根促進剤を薄く付けた挿し木を1/2ほどの長さまで挿して周りの土をピンセットで押さえます。
  5. 挿し木の切り口から発根するまで土が乾燥しないように水やりを続けます。
  6. 2~3か月管理を続けて根が10cmほどに伸びたら2号ポットに鉢上げし、後に鉢に植え替えて育てます。地植えにするのであれば次の年に植え付けをします。

沈丁花の挿し木後の管理方法

沈丁花の挿し木を成功させるには、水分不足にならないように管理することが大切です。挿し木をした後すぐに日なたに置くのは、葉から水分が蒸発しやすいので避けます。半日ほどは半日陰の場所に置いて、水をしっかり吸収させるようにします。切り口から根っこが出るまでは肥料分のない土で乾燥しないように管理しましょう。根っこが10cmほどになったら鉢に植え替え、地植えの場合は一年待って植え付けます。

【まとめ】沈丁花が大きくなりすぎたときはどうすればいいの?対処法を解説!

沈丁花が大きくなりすぎた時の対処の仕方について解説してきました。 本記事の内容は、
  • 中国原産のジンチョウゲ科ジンチョウゲ属で、三大香木として知られる常緑低木である
  • 株が大きくなりすぎると害虫病にかかったり、突然枯れてしまうこともある
  • 剪定は花後すぐの4月下旬~5月が適期で、花芽の付き始める夏以降は控える
  • 基本的には間引き剪定で管理し、大きくなりすぎた場合は3年ほどかけて少しずつ小さく整える
  • 剪定は必ず適期に行い、株を衰弱させないよう切りすぎに気を付ける
  • 剪定で切り取った枝は挿し木で新しい株として育てることができる
大きくなりすぎた沈丁花は、剪定でコンパクトにすることができます。ただし、一度に切りすぎると株に負担がかかって枯れてしまうことがあるため、3年ほどかけて徐々に小さくしていくのが理想です。その場合も必ず適期に剪定するようにしましょう。また、限界まで大きくなりすぎて突然枯れてしまう症例もあるので、剪定した枝を使って挿し木で増やしておくと安心ですね。是非今回解説した剪定方法や挿し木での増やし方を実践して、長く沈丁花の栽培を楽しんでくださいね。 東京寿園では、他にも植物に関するたくさんの記事をご用意しております。植物の育て方やその他気になることがあれば是非参考にしてください。最後までお読みいただきありがとうございました。