シクラメンは猫が食べても大丈夫?ペットが食べてしまったときの対処法

シクラメンは猫が食べても大丈夫?ペットが食べてしまったときの対処法
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目次

緑の少ない寒いの時期に、可愛らしいピンクや白のお花を咲かせるシクラメン。冬を代表する植物として親しまれ、さまざまな場所で栽培されています。しかしこのシクラメンがペットにとって危険な植物だということをご存じでしょうか。特に猫は行動範囲が広く好奇心が旺盛なので注意が必要です。この記事では、猫と一緒に暮らしているご家庭でシクラメンを育てる際に気を付けるべきポイントをまとめました。
  • シクラメンとは一体どんな植物?
  • シクラメンの毒性とは?
  • 猫がシクラメンを食べた時にみられる症状
  • 猫がシクラメンを食べた時にするべき対処とは?
  • 猫がいる家庭で安全にシクラメンを育てるには?
上記について詳しく解説していきます。この記事を最後まで読んで頂ければ、猫がシクラメンを食べた場合どのような危険があるのかが分かります。また食べてしまった時の正しい対処法や、シクラメンを育てる際の猫対策についてもご紹介していきます。是非猫のいるご家庭で安全にシクラメンの綺麗なお花を楽しむ参考にしてください。

シクラメンとはどのような植物?

最初にシクラメンとはどのような特徴を持った植物なのかをご紹介していきます。

地中海地方が原産の多年草で、球根植物の総称である

シクラメンは地中海地方原産の多年草で、球根植物の総称になります。基本的に日当たりの良い暖かい場所を好みます。近年では品種改良が進んだことで、年間通して屋外で育てられるガーデンシクラメンなども多く出回っています。品種が増えてさまざまなサイズや花姿のシクラメンを楽しむことができるようになりました。

シクラメンの基本情報

シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の植物です。花色は白やピンクなどの主流なものの他に、黄色や紫などの珍しい種類も多く見られます。日本に渡来した際に植物学者が「まるで篝火のような花姿だ」と発言したことから「カガリビバナ」という和名が付いたという説が有名です。一般的に10月~3月に花の時期を迎え、冬を代表する花として親しまれています。
科・属名 サクラソウ科・シクラメン属
原産地 地中海地方
開花時期 10月~3月
花の色 白、赤、ピンク、黄、紫、複色
別名 カガリビバナ
 

綺麗な花を長く咲かせることができるため、観賞用や贈答品として人気

シクラメンは他の植物と比べても開花時期が長く、秋口から春先まで鮮やかな花色でお部屋を彩ってくれます。また、高さがあり豪華な印象の大鉢から可愛らしい小型サイズの品種までバリエーションが豊富で、観賞用や贈答品としても人気の高い植物です。

シクラメンは猫に毒って本当?

シクラメンの特徴が分かったところで、ここからは猫にとってどのような毒性があるのかを解説していきます。窓辺などに鉢を置いている人も多いと思いますが、猫を飼っているお家は危険性を知っておくことが大切です。

シクラメンにはシクラミンという毒が全草に含まれる

シクラメンは全草にシクラミンという毒が含まれています。そのため、猫が誤って食べてしまうと重篤な健康被害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

毒性がかなり強い

シクラミンの主な毒性成分はサポニン配糖体で、かなり強い毒性を持っています。猫が摂食すると消化器系や神経系へ影響を及ぼし、さまざまな症状を引き起こし危険な状態になることがあります。

特に球根部分に多く含まれる

株全体が有毒ですが、特に球根部分には有毒成分が多く含まれています。場合によっては命の危険もあるほどと言われているので、飼い主は猫が誤食しないようにしっかりと管理しましょう。

大量の摂取はペットの死を引き起こすため、注意が必要

毒性の強いシクラメンを大量に摂取した場合は、ペットが命を落としてしまうこともあります。それは猫のみならず犬も同じです。好奇心旺盛な動物は、人間には想像がつかない行動をとることがあります。大切な愛猫や愛犬を危険な目に遭わせることが無いように、日頃から注意が必要です。

猫がシクラメンを食べた時の症状

シクラメンの危険性がお分かりいただけたと思います。ここからは、実際に猫がシクラメンを食べてしまった場合、どのような症状が見られるのかご紹介していきます。

かぶれ

シクラメンの汁液に触れるだけでもかぶれて痒みを引き起こすことがあります。かぶれている所を気にして舐めたりかきむしったりすると悪化してしまうため、症状が軽いうちに動物病院を受診すると良いでしょう。

皮膚炎

汁液に触れることよって接触皮膚炎を引き起こすことがあります。放置していると皮膚炎が広がって重症化してしまうこともあるので、早めに適切な治療を受けましょう。

口内炎

誤って口にすると口内炎になることがあります。口の中の不快感により食欲不振になることもあるため、心配な場合は動物病院を受診することをおすすめします。

嘔吐

誤食により、消化器への影響で嘔吐の症状が出ることが多くあります。嘔吐は代表的な中毒症状で、繰り返す場合はとくに注意が必要です。嘔吐物の状態を確認して、獣医師に伝えられるようにしておくと診察の際に役立ちます。

下痢

誤食により、消化器への影響で嘔吐とともに下痢の症状が出ることが多く見られます。普段から下痢をしやすい猫もいますが、中毒を起こした時の代表的な症状でもあるので誤食の可能性がある場合は獣医師に相談しましょう。

胃腸炎

誤食により、消化器への影響で胃腸炎を起こすこともあります。胃腸炎が疑われる場合は、下痢や嘔吐を伴うケースが多く、食欲が低下してしまうため早めの受診が大切です。

神経症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもある

大量に摂取してしまうと大変危険です。痙攣や全身のしびれなどの神経症状を起こし最悪の場合死に至ることもあります。震えや動きに違和感を感じたら、有毒成分を多く摂取している可能性もあるため速やかに動物病院に連れていきましょう。

猫がシクラメンを食べてしまった時の対処法

気を付けて管理をしていても、運動神経が良く行動範囲が広い猫はシクラメンを口にしてしまうことがあるかもしれません。万が一猫がシクラメンを食べてしまった時の対処法について知っておきましょう。

獣医にかかる前に猫のために飼い主としてできること

先にお話しした通り、シクラメンは毒性が強いので猫が食べてしまったらすぐに動物病院に連れていくことをおすすめします。適切な治療を受けるためにも、獣医師にできるだけ正確な状況を伝えることが大切です。

猫が摂取した時間や量をメモしておく

誤食してからすぐに症状が出るとは限らず、数時間または数日後に現れることも少なくありません。猫がシクラメンを摂取した時間や量を忘れないようにメモしておくと良いでしょう。また、時間の経過と症状の有無なども観察記録しておくと診察の手がかりになります。

又は、口にした植物を獣医師に確認してもらう

動物病院の受診の際に、実際に口にした植物を持っていき獣医師に確認してもらうのも良いでしょう。どの部分をどのくらい食べてしまったのかが分かりやすく、スムーズな診察をするのに役立ちます。

まずは獣医師に相談し、以下の治療を行う

猫がシクラメンを食べてしまうと、最悪の場合手遅れになってしまう可能性があります。まずは獣医師に相談し症状に応じて必要な治療を受けましょう。一般的に以下のような治療方法が行われることが多いです。

胃洗浄

大量に摂取してしまった場合には胃の洗浄がメインで行われることが多いです。

点滴

摂取量が多い時は、胃の洗浄とともに点滴が必要なケースも多く見られます。

投薬

症状に合わせた薬が処方されます。早期回復のためにも獣医師の指示に従いましょう。

シクラメンを猫が食べたら吐き出させても良いか

愛猫がシクラメンを食べてしまったら、咄嗟に吐き出させたいと考える人が多いと思います。しかし、素人の自己判断で行動すると思わぬ危険が伴うことがあります。

シクラメンを吐かせる際に窒息してしまう可能性もあり、おすすめできない

まだ口の中にシクラメンを含んでいる場合は吐き出させると良いのですが、飲み込んでしまっていたら無理に吐かせることは危険です。吐いたもので窒息してしまい、手遅れになる可能性も否定できません。焦らずにまずは動物病院に連絡して状況を伝え、獣医師の支持を仰ぎましょう。

猫に毒な植物はシクラメンだけではないため注意が必要!

実はシクラメン以外にも猫が食べると危険な植物は多くあります。特に毒性が強いユリ科の植物には注意が必要です。ユリ科には、ユリ、スズラン、チューリップ、ヒヤシンスなどがあり、摂取すると死に至る可能性が高いので猫を飼っている環境に飾るのは避けましょう。他にアジサイ科キキョウ科など一般的に親しまれている植物も、消化器系や神経系に症状が出やすいため飼い主さんがしっかりと管理しましょう。

猫がいる過程でシクラメンや植物を育てる際の注意点

猫を飼っている家庭でシクラメンなどの植物を育てる場合は、誤食を避けるために飼い主が徹底的に管理することが必要です。以下に管理方法をまとめましたので、愛猫をシクラメンの毒から守る参考にしてください。

絶対に猫が届かない場所に置くことが重要

猫は好奇心がとても強いので、手に届くものは何でも触れたりかじったりしてしまいます。そのため、シクラメンや植物を育てる際は絶対に猫が触れる事ができない場所に置くことが基本です。

対処法①屋外へ置く

時期や時間帯に配慮しながら屋外で育てることで誤食を防ぎましょう。

シクラメンの適温下ではベランダで生育するのがよい

シクラメンは気温が高い時期は外で育てることができます。雨や直射日光が長く当たらないベランダはシクラメンにとっても環境が良く、猫の誤食対策にもなるのでおすすめです。また、耐寒性が強い品種のガーデンシクラメンであれば、冬でも屋外で生育できるので猫を飼っているご家庭でも栽培しやすいですね。

直射日光や霜には注意する

シクラメンの栽培には暖かく日当たりの良い場所が適しています。夏の強い直射日光や、真冬の霜に当たると株が弱ってしまうことがるため注意が必要です。時間帯によって日陰に移動させ、最低気温が5~10℃になったら室内に取り込むなどして管理してください。

対処法②猫が入らない部屋に置く

室内で育てるのであれば、猫が入らない部屋に置くのが最も簡単で安全な対処法です。しかしその場合も、万が一猫が入ってしまった時のことを想定して触れることができないようにしておくことをおすすめします。届かない場所に置いたり、囲われた所に置いたりして対策しましょう。

対処法③猫が触れられない工夫をする

猫の暮らす環境にシクラメンを置く場合は、興味から遠ざけるためにさまざまな方法で工夫しましょう。

天井からつるす

猫が届かない場所を見つけることが難しい場合は、天井からつるして飾ることもできます。しかし運動神経が良い猫は、高さのある棚や窓辺が近くにあるととそこから飛び乗ってしまうことがあるので配置をよく確認する必要があります。

カバーをつける

高い場所に置けないなどの場合は、シクラメンにカバーをつけて保護します。市販されている園芸用のカバーや、ガラスやアクリル板などを使って囲うと良いでしょう。温室効果も期待できるのでおすすめです。

【まとめ】シクラメンは猫が食べても大丈夫?ペットが食べてしまったときの対処法

猫がシクラメンを食べてしまった時の危険性について詳しく解説してきました。 本記事の内容は、
  • 地中海地方原産のサクラソウ科シクラメン属の球根植物
  • サポニン配糖体のシクラミンという強い毒性を持っており、球根部分には毒性成分が多い
  • 下痢や嘔吐などの消化器系の症状の他に、痙攣やしびれなどの神経症状を引き起こし、最悪の場合死に至る可能性もある
  • 無理に吐き出させようとせず、速やかに動物病院を受診し食べた時間や量を正確に伝える
  • 真冬の寒い時期以外はベランダなどに置き、室内では天井につるしたりカバーで保護したりして猫が触れられないように徹底的に管理する
シクラメンは猫にとってとても危険な植物です。誤って食べると命にかかわることも少なくありません。猫と暮らしているご家庭でシクラメンを育てる場合は、さまざまな工夫をして飼い主がしっかりと管理することが必要不可欠です。万が一愛猫が口に入れてしまったら素人判断ではなく、すぐに獣医師に相談し的確な指示を仰ぎましょう。またシクラメン以外にもペットに有害な植物は身近に多く存在します。知っておくだけで愛猫や愛犬を守ることにつながるので事前に調べておくことをおすすめします。 東京寿園では、他にも植物に関するたくさんの記事をご用意しております。植物の育て方や気になることがあれば是非参考にしてください。最後までお読みいただきありがとうございました。