ツバキが見ごろの季節はいつ?開花時期やおすすめスポット3選紹介!

ツバキが見ごろの季節はいつ?開花時期やおすすめスポット3選紹介!
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雪の降り積もった庭に一輪の赤い椿の花。冬になり急に寒くなった通学、通勤の時に自然と目に入るのが白やピンクの椿の花ではないでしょうか? つやつやとした深緑の葉っぱにうつむき加減の花が咲いている様子はオリエンタルな雰囲気もあって海外でも人気なんですよ。 俳句の季語になっていたり、椿のおすすめスポットが全国にたくさんあったりと知らないことばかり。そこでこの記事では
  • 椿とはどのような植物?
  • ツバキの花の咲く季節はいつ?
  • 椿の代表品種と開花の季節
  • 全国の椿がみられるおすすめスポットと季節
  • 椿は手紙などの季節のあいさつとしても使われる
  • 椿の花は縁起が悪い?
  • 冬の季節を彩る椿を楽しもう
についてくわしく解説します。 最後まで読み進めれば、日本らしい椿の基本について理解が深まり、さらに季節感を取り入れた手紙を書いたり、着物の柄で冬の季節を楽しんだりすることができますよ。さらに花言葉についてもまとめましたので、大切な人へ椿をプレゼントする際の参考になさってくださいね。

椿とはどのような植物?

まずは椿ってどんな植物? といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるはずです。そこで椿の見た目や開花時期、よく見間違う椿と山茶花の違いについてご紹介します。

バラのような花と光沢のあるグリーンの葉が特徴の花木

椿の特徴といえば、バラのように咲く花光沢のあるグリーンの葉でしょう。歌にもよく出るように冬、雪の次に椿の花を連想する方も多いはず。原種だけをみても、直径が3cmに満たない極小輪から10cmを越える大輪まで、花色も白、桃色、紅色、黄色、さらに絞りや斑入りのものまでバラエティに富んでいます。 黄色く長いしべと赤い花弁が印象的なので、冬の季節感を出すために絵葉書や一筆箋などへ描かれることもありますね。つやつやとした葉は厚みがあって、小さなお子さんが落ちた葉っぱを拾い集めて遊ぶ光景もよくみかけます。

椿の基本情報

椿は日本や中国、東南アジアが原産のツバキ科ツバキ属の常緑性高木です。ふっくらと開いたバラのような花とつやつやとした光沢のある緑の葉が特徴で、庭木や街路樹としてもよく植樹されています。日本で多く見かけるのは、古くから自生していたヤブツバキから作出された園芸品種です。黒い実は椿油、幹は木材としても利用され、日本人にとってとても身近な樹木ですね。
科・属名 ツバキ科ツバキ属
原産地 日本、中国、東南アジア
開花時期 11~12月、2~4月
花の色 赤、ピンク、白、複色
別名 藪椿(ヤブツバキ)、耐冬花(タイトウカ)
 

同じ科に属するサザンカによく似た花

ツバキとサザンカの花はぱっと見て見分けられないくらい、非常によく似ています。でも見分けるコツがあるのをご存じですか? それは花の散り方と葉っぱの形です。 椿の花は花ごとぽとりと落ちるのに対して、サザンカは花びらだけがはらはらと散ります。そして葉っぱにも違いがありますよ。椿の葉っぱは縁のギザギザがあまりなく、葉の裏に毛がないのに対して、サザンカの葉っぱはギザギザがあり、葉の裏に毛があります。

ツバキの花の咲く季節はいつ?

ツバキの花を最近見かけるけれど、具体的に花の咲く季節っていつなんだろうと興味がわきますね。実はツバキの品種はたくさんあって、それぞれに開花時期が少しずつ違うんですよ。

主な椿の花が咲く時期は、11月から4月

主な椿の花が咲く時期は、11月~4月です。11月から咲き始めて、一番気温の下がる極寒期に少し中休みを挟みながら、2月~4月にかけて咲きます。品種によって違いがありますが花粉がないものもあり、全体的にとても花期の長い花木で、ビオラやパンジー、葉ボタンなどと合わせて寂しくなりがちなお庭に彩りを添えてくれる樹木です。

また、早秋咲きと言われる品種は、9から10月に咲き始める

ツバキの中には早秋咲きといわれる品種があります。ヒマワリやルドベキア、ガーデンマムがまだ咲いている9月や10月にはもう咲いているので、びっくりしますよね。 淡いピンク色に白い縁の花弁が見事な石川県の名花、西王母という品種や、白い一重咲きで筒やラッパのように咲く初嵐という品種もまたおすすめです。江戸時代からの古典品種である初嵐は秋から春先まで長く咲き続け葉や花付きも良いため、茶道の茶花や切り花としても人気が高く、愛され続けています。

椿の種類は世界に5000種あると言われており、季節を問わず楽しめる

ツバキは海外ではオリエンタルな花木としてもよく知られていて、オペラにも出ているほどなんです。18世紀頃ヨーロッパに渡ると、品種改良が盛んに行われて現在椿の種類は世界に5000種あるといわれています。季節を問わず楽しめる椿がこんなに増えたのは、花期が長いからだけではなく、それだけ花や姿が愛されているからでもあるんですね。

椿の代表品種と開花の季節

いろいろ品種がある中で、特に代表的な品種を3種ご紹介します。ヤブツバキ、ワビスケツバキ、寒椿の3種類です。それぞれの開花時期も合わせて確認して、植え付ける参考になさて下さい。

ヤブツバキ

椿といえばこれ! というような赤い一重咲きが見事なヤブツバキは、古くからある品種です。九州から青森まで広く分布しています。日陰でも育てられ、耐寒性も高いので、生け垣に向いていますよ。

開花時期は2月から4月

ヤブツバキの開花時期は、遅めの2月から4月にかけてです。寒くなるのが早いと9月から咲き始めることもありますよ。雪が深い時期に花が咲くので、雪景色と花が落ちる赤いコントラストが美しいですね。ツヤのある緑色の葉が茂った枝先に紅色の直径5㎝~7㎝の花をつけるほか、まれに淡紅色や白色のものもあります。

日本最古の観賞用の植物ヤブツバキ

ヤブツバキは万葉集に歌が詠まれた日本最古の鑑賞用の植物といわれています。江戸時代に品種改良が進んで、100種類以上もの園芸品種が生まれたようです。東京の神代植物公園「つばき・さざんか園」に今も保存管理されています。現在はカタログ販売などで多様な原種苗が入手できるようになりました。

ワビスケツバキ

ワビスケツバキ(侘助椿)は、唐ツバキの原種とヤブツバキが交雑した品種で、おしべが退化して花粉がなく、実がならないこと、交雑した品種名ウラクツバキかその子孫であることが、ワビスケツバキと呼ばれる条件です

開花時期は12月から4月

ワビスケツバキは12月~4月にかけて開花します。寒風や雪の中咲く姿はとても美しいものがありますよ。耐寒性が高く、ツバキと同じ育て方でOK。樹高は3m~8mと比較的小ぶりなのでコンパクトにまとまるでしょう。雪の降る中にぽつり、ぽつりと咲いていくワビスケツバキは千利休が好んだ花としても有名です。

花びらを広げてラッパ状に咲くのが特徴

ワビスケツバキはツバキよりも小ぶりな一重咲きが特徴の花で、花びらが半分までしか開かない筒咲きといわれる咲き方をします。花色は白のほかに、赤、赤地に白絞りなどさまざまです。筒咲きはラッパのように見えるので、質素で静かな印象に見えます。そこが茶道の価値観ともマッチしたのでしょうね、江戸時代から現代にかけて茶花として愛好されているんです。

寒椿

寒椿は、ツバキとサザンカの交配種とされる常緑性低木です。昔からある品種でツバキやサザンカとよく似ていて、庭木や公園の垣根などで美しい花を咲かせます。

開花時期は、11月から2月

寒椿の開花時期は、11月~2月の寒い時期に美しい花を咲かせます。花のサイズは5㎝~7㎝前後で、赤やピンク、白、それらの色が混ざった絞りが美しいものもあります。咲き方も品種によってさまざまで、一重咲きから八重咲きまで見ごたえがあるのが特徴です。サザンカとの交配種のため、花びらは一枚一枚散っていきます。

ガーデニングではサザンカの園芸品種のことを指す

寒椿系から作出された品種は非常に多いのも特徴です。病気にも強いので育てやすく、花の色や咲き方が豊富。ただサザンカと見分けがつきにくいため、流通している苗で寒椿と呼ばれるものはサザンカの園芸品種のことを指します。つぼみがピンクで咲くと真っ白になる朝倉や、淡いピンクの乙女サザンカなど人気の品種が多く、寒椿系の品種で垣根を揃えるのもまた楽しみです。

全国の椿がみられるおすすめスポットと季節

代表的なツバキの品種以外にも、たくさんの園芸品種がありますよ。でも何種類も育てるわけにはいかないし、見て楽しみたいという方もいらっしゃるはず。そこで全国にある椿が見られるおすすめスポットと開催される季節についてご紹介します。ご旅行や宿泊先の参考にぜひどうぞお読みくださいね。

東京:神代植物園の椿祭り

東京都調布市深大寺にほど近い神代植物園のつばき・さざんか園では、3月の中旬から約1週間椿祭りが開催されます。展示やガイドツアーもあって、見ごたえがありますよ。

神代つばき展

会期中、植物会館の1階展示室では神代つばき展が催されます。江戸ツバキや肥後ツバキなどの古典品種をはじめ、100種を超える新品種のツバキの鉢花や切り花が並び、ひとつひとつの花の咲き方、色合いをじっくりと見て楽しめるでしょう。ツバキは切り花のように気分や季節で品種を変えるわけにはいきませんから、ここでじっくり好きな品種を見極めてから苗を購入するというのもよさそうです。

3月開催の椿祭り

3月開催される椿祭りでは、園内に植えられた250種類、620本の様々な系統のツバキ、サザンカが見頃を迎えます。江戸時代から保存、栽培される古典品種はもちろん、新品種のツバキもあって賑わいますよ。会期中、ガイドボランティアによる「つばき・さざんか園ガイドツアー」は午前と午後1回ずつ、約60分ほどかけてゆっくりと見どころを解説していきますから、ぜひツバキの魅力に触れてみましょう。

約250種、620本のツバキが植えられている

園内に植えられている約250種、620本のツバキの中でも、ちょっとおすすめの品種をいくつかご紹介します。 神代都鳥は、ずっと桃色都鳥の名前で栽培されていたのですが近年の調査で新品種であることが認められた珍しい品種です。淡いピンクの花がふんわりと咲く様子が美しいですよ。また、バックヤードにあった神代桃錦は、白地に紅色の筋もようがある花で、咲きはじめが重量感のある桃太郎のもものようであることから名づけられました。ほかにも真っ白な月見車や、真っ赤な花弁と内側の八重が美しい卜伴錦など、非常に見ごたえある園内になっています。

京都:しだれ梅と椿まつり

京都市伏見区の城南宮で開催されるしだれ梅と椿まつりは、梅と椿が一緒に見ることのできるおまつりです。社殿の西に広がる「春の山」ではしだれ梅が、神苑入口から春の山、平安の庭にかけて椿が広がり、まさに圧巻の景色です。

2月中旬から3月下旬まで

会期は例年2月中旬から3月下旬までと、約1カ月間楽しめます。拝観時間は朝の9時~夕方の4時30分まで、駐車場が混みますので、事前に調べてから訪れると良さそうです。京都へ宿泊したらぜひ足を運んでみたいですね。 ただし、神苑内での飲食、撮影時の三脚や一脚、脚立、自撮り棒の使用、スケッチは禁止です。またペットも手水舎より奥へ進むことができませんから、ルールを守って拝観してください。

150本のしだれ梅と苔の上に落ちた椿を楽しめる

春の山の梅林と椿の景色は息を飲む絶景で、うすべに色や白い色のしだれ梅と緑の苔に落ちた深紅の椿が織りなすハーモニーを生み出していますよ。それもそのはず、150本のしだれ梅、150品種約400本の椿が次々に花開きます。 会期中はもちろんですが、9月に咲く濃紅色の獅子咲きの荒獅子や、10月に咲く中輪白色の初嵐なども忘れてはいけない見どころです。神苑を彩るさまざまな椿の中からぜひお気に入りを探してみてくださいね。

京都:八幡市立松花堂庭園・美術館

京都府八幡市にある八幡市立松花堂庭園・美術館は、寛永文化が息づく関西有数の「わびさび」の美しい日本庭園です。3月初旬から3月中旬にかけて、つばきウィークがあり、さまざまな椿が咲きそろいます。

年中無休で開花時期に応した椿が楽しめる

八幡市立松花堂庭園は年中無休で、朝9時~夕方4時30分までの入園時間であればいつでも訪れることができます。園内の全域ももちろん、椿エリアでは2月頃から開花し始め、3月頃には満開の椿を楽しめるでしょう。八重咲きや、深紅の花、黒椿などHPで見られる品種と場所がマップになってみられるので、散策の参考にしてくださいね。

2.2haの広大な庭園の全域に椿がみられる

八幡市立松花堂庭園は約2.2haの広大な敷地を有していて、全域で椿が見られます。八重咲きの酔羽衣や、京雅、宝珠などたくさんの品種が咲きそろいます。故事や茶道にちなんだものや真っ白な白楽天もまた見ごたえがありますので、ぜひゆっくりと庭園を歩いてみましょう。

椿は手紙などの季節のあいさつとしても使われる

椿は見て楽しめるだけでなく、手紙や俳句など季節のあいさつにもよく使われています。さりげなく季節を感じる言葉があったら素敵ですね。季語の椿を使ってお手紙を書いてみませんか?

手紙には季語を含む、時候の挨拶文を入れる

そもそも手紙やはがきでは書き出しに季節を表す「時候の挨拶」を入れます。なくても用事は伝えられますが、「お元気ですか?」と同じように普段の会話のように天気や季節の移り変わりを伝えることで、相手の健康を気遣う意味もあります。昔から身近な花の椿は、特に3月の季語として使われて、その時々を感じさせてくれます。

椿が季語として使われる季節

3月の季語として使われるといっても、具体的にはいつからいつまで使えて、どう取り入れればいいのだろうと疑問に思いますよね。厳格なルールはありませんから、ポイントをおさえて気軽に手紙を出したいものです。

椿の季語は春で、立春を迎えるころから使用できる

花の季語は開花時期であれば使えます。椿に関してもっと詳しくいうと2月4日頃、立春を迎える頃から使うことができますよ。山椿や乙女椿、玉椿やつらつら椿などを文の冒頭に入れてください。2月から4月にかけては、卒業や入学、就職、転勤とさまざまな人生の節目が重なりますから、新生活を迎える方へエールを送ったり、健康を気遣ったりしましょう。 例文としては、
  • 冒頭:山椿の咲く頃合い、いかがお過ごしでしょうか。
  • 結び:散椿の折り、どうぞお身体には十分お気遣いください。
などぜひお好みにアレンジしてくださいね。

寒椿や冬椿といった椿は、冬の季語である

椿は主に春の季語ですが、寒椿冬椿といった椿は早咲きの椿をさすため冬の季語になります。12月や1月の寒さが厳しい季節に美しく咲く様子が、美しい女性や色鮮やかなものを例える語としても大活躍。 例文として
  • 冒頭:冬椿が咲く季節、底冷えのする毎日ですがお変わりありませんか
  • 結び:我が家の庭に寒椿の花が咲きました、春はもうすぐです
などパッと風景が浮かぶようです。

椿柄の便箋もおすすめ

なかなか挨拶が思い浮かばない、そこまで長文にしない場合は、椿の絵柄がある便箋もおすすめです。紅白のめでたい絵柄が入った便箋や、さりげなく透かし模様で椿があるものもありますから、贈る相手、書く自分が好きな便箋を選んでみましょう。また神社やお寺によっては期間限定で椿柄の御朱印がありますよ。さまざまな季節に感じ方があって素敵ですね。

椿の着物の着用時期はいつ?

成人式や結婚式、フォーマルな装いとしての着物には、椿の柄がとても多いんです。大きく豪華な染付、金銀刺繍の帯などおしゃれですが、季節的な柄っていつ着たらいいんだろうといった質問をおみかけします。そこで、椿柄の着用について解説します。

椿柄の着物や帯は、晩秋の11月ごろから冬が終わる3月ごろまで着用できる

基本的に椿は冬の花なので、冬に着用します。晩秋の11月頃から冬が終わる3月頃までといわれていますよ。万葉集の時代から愛されてきた椿なので、模様のパターンや色合いも非常に豊か。結婚式や成人式などハレの日にもぴったりなので、もし柄に迷ったら椿を選ぶというのもおすすめです。

椿の開花時期12月から4月とは少しずれているのがポイント

ちょっとここでワンポイント。着用期間が開花時期よりも1カ月前に早まっていることです。自由に着て楽しめる着物ではありますが、花や植物など季節に関した柄を本格的なシーズンの少し前に着ると粋とされていました。流行のファッションを取り入れる感覚で、季節を楽しみたいですね。

椿が開花する前の11月に着用し始めると「おしゃれ」

11月だとまだ椿が開花していませんが、椿柄を着るくらい開花を待ち望んでいる、季節の移り変わりを楽しんでいると思うと「おしゃれに感じませんか? 逆に4月は桜や梅が満開になりますから、冬の花である椿よりも桜や梅、初夏を先取りしてアヤメなどを着物や帯に取り入れて季節感を演出してみましょう。

椿柄の着物を通年着られる場合

冬の柄といわれる椿の絵柄ですが、柄によっては通年着られるものもありますよ。親から譲り受けたものや上質な帯だとそう簡単に買い替えたりできないものです。着物をはじめ洋服、ファッションはなによりも自分が楽しむのが一番大切ですから、ちょっと一工夫してお着物ライフを楽しんでくださいね。

椿が抽象的なイラストで描かれている

通年着られる場合は、椿が写実的ではなく抽象的なイラスト総柄で描かれていたり、浴衣に描かれていたりした場合です。総柄というのは小さいモチーフが反物全体に描かれているものを指します。雪が積もっているような文様の雪持ち椿や古典柄として今も愛されている枝椿など、涼しさを出すために描かれていればOK。落ち着いた印象になりますよ。

椿が他の草花と一緒に描かれている

また椿が他の草花と一緒に描かれている場合も、通年着ることが可能です。五鳥と呼ばれるおめでたい組み合わせが描かれていることが多いですよ。五鳥とは、梅に鶯、藤に時鳥、芒に雁という花札の特徴的な3枚を合わせた役のこと。 それらの草花が咲く季節であればいつ着ても構いません。また、着物や帯に椿の柄がなくとも、帯締めや帯揚げ、帯留めで椿柄を選べば、さりげないおしゃれができますよ。

椿の花は縁起が悪い?

おや、椿の花は縁起がわるいって聞いたけれど。そんなお問い合わせをいただいたことがあります。では本当に椿の花が縁起が悪いのか、改めて確認していきましょう。

椿の花が根元から落ちる様子が打ち首に見えることから

椿の花が縁起が悪いといわれ始めたのは、実は江戸時代からと比較的新しいうわさです。なぜかというと、椿の花が咲き終わって根元からぽとりと落ちる様子が、打ち首でさらされた首のように見えたからだとか。桜は「散る」、梅は「こぼれる」、椿は「落ちる」と文学的な表現でも少し物騒な言い回しです。

椿には「厄除け・邪気を払う」という意味もあるため問題ない

しかし実際は縁起が悪いなんてこと全くありません。むしろ、椿には「厄除け・邪気を払う」という意味が込められています。平安時代には穢れを払う象徴の花として愛され、めでたい柄として今に伝わっているからです。袴にも椿の柄が描かれ、おめでたい席にもぜひ着用していきたいですね。

椿の花言葉

邪気払いになるなら、椿を大切な人へ贈ってみようと思う方へ、椿の花言葉をご紹介します。花言葉を踏まえたうえで贈れば、相手へ気持ちを伝えられるでしょう。

椿全体の花言葉は、「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」

椿全体の花言葉は、「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」です。花言葉の由来は、華やかな花色や咲き姿でありつつ香りがないこと。西洋では日本のバラといわれるくらい人気がありますが、見た目と違って香りがないため意外性と奥ゆかしさを感じさせたのかもしれませんね。

赤い花の椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」

椿の花の色でも花言葉がそれぞれつけられていますよ。赤い椿は、椿のシンボルカラーともいえるでしょう。あざやかな赤は冬のさびしい景色によく映えますね。イギリスでは赤い花は「謙虚な美徳」と美徳のシンボル的な意味合いがあるので、「控えめな素晴らしさ」という花言葉もあります

白い花の椿の花言葉は「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」

白い花の椿は、赤い椿よりも少し遅れて花が咲き出す種類が多いですよ。黄色いしべと白い花弁のコントラストは緑の葉とあいまって、完璧な優雅な印象があり、庭木としても人気があります。花言葉は赤い椿より優雅さが際立った「完全なる美しさ」、そして白い花が意味する「至上の愛らしさ」がつけられました。

ピンクの花の椿の花言葉は「控えめな美」「控えめな愛」

近年SNSでも人気が高まっているピンク色の花の椿は、淡い色合いが魅力です。八重咲きや獅子咲きなど多岐にわたりますが、優しい色とふんわりとしたかわいらしさから、「控えめな美」「控えめな愛」という花言葉がつけられました。赤い椿や白い椿よりも、控えめな印象が由来となっています。

冬の季節を彩る椿を楽しもう

古くから愛されてきた椿は、花を愛でるだけでなく、着物や帯、便箋などにも冬の季節を彩るものとして色々な方法で親しまれています。こちらでは実用品や和菓子としての椿をいくつかご紹介しましょう。

椿は江戸時代から様々な用途で日本人に愛されてきた植物

椿は江戸時代から木材や油など様々な用途で、日本人に愛されてきました。長崎県にあった五島藩は耕作地が少なく、年貢である米の収穫量が少ない地域でしたが、代わりに椿を栽培して木材や油を年貢として納めていたようです。確かに五つの島を合わせるくらいなので、稲作よりも林業や油製造が向いており、実際に質の良い油が納められていました。

椿油を美容に使う

椿の黒い実からは搾り木という道具を使って、椿油が取れます。お相撲さんや舞妓さんの鬢付け油に利用されるくらい美容効果がありますよ。髪結いさんの手がしっとりとして潤っているのも保湿効果によるもの。普段使いする場合にも、洗い流さないトリートメントとして使ったり、爪や肌のオイルパックしたりとぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。

椿の木を木材として利用する

椿の木は上質な木材としても利用されてきました。油分が多く、木割れがあまりないのでツゲと同じくらい強靭で均一な硬い木材なんです。赤みのある褐色で磨くと光沢が出る性質を活かして、印鑑や漆器、彫刻や道具の柄など幅広い材料になっています。最近では備長炭の代わりとして、高級な炭の材料にもなっています。

椿餅という和菓子のモチーフにする

植物の名前が入っているお菓子はいろいろありますが、桜餅、柏餅ときて、椿餅という京菓子をご存じですか。源氏物語にも登場する日本最古の餅菓子とも言われていて、もち米の粉に甘葛あまずらをかけて丸くかため、椿の葉二枚で挟んだものを椿餅と呼んでいます。読み方は、つばきもち、つばいもち、つばいもちひ。実用品として使うだけではなく、和菓子のモチーフにして、目でも舌でも楽しむ素敵な例ですね。

【まとめ】ツバキが見ごろの季節はいつ?開花時期やおすすめスポット3選紹介!

最後まで読み進めてみていかがでしたか。早ければ9月から咲き始める椿の花を冬の間中、見て楽しみ、育てて楽しみ、着物や便箋でも椿を楽しんできました。花の見ごろには東京や京都のおすすめスポットで、さまざまな花の色や柄を見て回ってもいいですね。 この記事のポイントは
  • 椿はバラのような花と光沢のあるグリーンの葉が特徴の花木
  • 日本、中国、東南アジアが原産で耐寒性が高く育てやすい
  • 主な椿の花が咲く時期は、11月から4月
  • 代表的な品種は、ヤブツバキ、ワビスケツバキ、寒椿
  • 東京にある神代植物園の椿祭りには江戸時代から保存維持されている品種がある
  • 京都のしだれ梅と椿まつりでは、しだれ梅と落ち椿の絶景が楽しめる
  • 椿は手紙などの季節のあいさつとしても使われる
  • 椿柄の着物や帯は、晩秋の11月ごろから冬が終わる3月ごろまで着用できる
  • 花言葉は、「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」
  • 椿油や高級木材にもなり、和菓子のモチーフにもなっている
以上のことをご紹介しました。 美容や漆器、和菓子など色んな椿を生活へ取り入れれば、寒く長い冬の季節を明るく過ごすことができるでしょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。