スズランには毒性がある!?毒性による症状から対処法まで

スズランには毒性がある!?毒性による症状から対処法まで
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

花の見た目が鈴のような可愛らしい形をしている人気のある植物、スズラン。その可愛らしい見た目から、結婚式などのおめでたい場面で飾られてたりするなど、たくさんの人達に愛されている植物と言えるでしょう。 ですが、見た目とは裏腹に、スズランにはとても強い毒を持っている植物であり、少しでも食べてしまえば中毒症状を起こし、特に小さいお子さんが間違って口にしてしまうと最悪の場合亡くなる可能性もあります。 そこで今回は、スズランの毒性の強さや、食べてしまうとどのような症状が出てしまうのかなどについて解説していきたいと思います!記事を読んでもらえれば、スズランの毒性の強さや中毒症状について分かっていただけると思いますので、ぜひ参考にしてみてください!

スズランはどんな植物なの?

ではまずは、スズランはどのような植物なのかについて解説していきたいと思います。基本情報を知っておけば、スズランを育てたりするときにとても便利だと思いますので、参考にしてみてくださいね。

5月~6月にかけて白やピンクの小さな花を咲かせる

スズランはユリ科の植物で、開花時期は5月~6月ごろとなっています。花の色も可愛らしい見た目にぴったりな白色やピンク色があります。原産地はヨーロッパや東アジア、北アジアとなっています。

スズランの花言葉は「純粋」「純潔」「謙虚」

スズランに込められている花言葉は「純粋」「純潔」「謙虚」という意味があります。どれも幸福感が感じられる意味が込められていますね。 純粋・純潔という意味が込められているのは、花の形が聖母マリアのベールに似ているため、ヨーロッパでは聖母マリアの花とされています。謙虚には、スズランの花は大きな葉っぱに隠れて咲いている様子からつけられたとされています。 また、他に「再び幸せが訪れる」という花言葉もあります。

スズランには浄化作用が宿るという風水効果がある

実はスズランを飾っておくと、風水の効果があるといわれています。スズランに限らず、白い花をつける植物には浄化作用が宿るといわれています。ですから、白いスズランにも浄化作用があるといわれているほか、感情もリセットしてくれる効果もあるとも。もし、風水効果を取り入れたいと思ったら、「北」か「北東」に飾るのがおすすめと言われています。

スズランに毒性はあるのか?その危険性とは?

そんなスズラン、よく耳にするのは毒性があるということです。では、そんなスズランの毒性はどれだけの危険性があるのか、解説していきましょう。

スズランには非常に強い毒性がある

スズランの中毒事件がよくニュースになっているのを耳にすると思いますが、ニュースになるくらい、スズランにはとても強い毒性があることがわかっています。スズランの強い毒性の成分は、コンバラトキシンやコンバロシドといった強い有毒成分が含まれています。

特に花や根に多くの毒が含まれている

このコンバラトキシンやコンバロシドという毒性成分は、スズランの花や根っこに特に多く含まれていることがわかっています。この強い毒性を持っているスズランをもし食べてしまうと、早ければ1時間以内に発症するといわれていて、最悪の場合は死んでしまう可能性もあります。小さいお子さんや猫や犬などのペットを飼われている方は、誤飲しないよう注意しておきましょう。

非常に強い毒性を持っているが、食べなければ大丈夫

そんなスズランはとても強い毒性を持っているわけですが、その中毒症状を出さないようにするには、もちろん食べないことです。たとえ強い毒性を持っているとしても、口の中に入れなければそのような症状がでることはありませんので、安心してください。

スズランを食べてしまうとどうなるのか

では、もし強い毒性を持っているスズランを間違えて食べてしまうとどのような症状を引き起こしてしまうのでしょうか?解説していきましょう。

嘔吐や頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺などの症状を引き起こす

スズランを食べてしまうと、嘔吐や頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺などの症状が引き起ってしまいます。これらの症状は食べてからおよそ1時間ほどで現れるといわれています。致死量は、体重1kgに対して0.3mgとなっていて、一般的によく聞く青酸カリの約15倍の強さがあるとされています。スズランの毒性は、花や葉っぱ、茎にとても多く含まれています。また、食べなくても花粉にも毒性が含まれているため、匂う際にも注意が必要となります。また、花瓶などでスズランを置いている場合、花瓶の水にスズランの毒性が溶け込んでいますので、絶対に飲まないようにしましょう。

最悪の場合は死んでしまうこともある

青酸カリよりも強い毒性を持っているスズランを食べてしまうと、中毒症状だけで済めばいいほうで、大量に食べてしまえば最悪の場合は心不全を起こし死んでしまうことだってあります。また、小さいお子さんやペットとして猫や犬を飼っている場合、一口で致死量のスズランを食べてしまうこともありますので、誤飲には注意しておきましょう。

スズランを食べてしまったらどうしたらいい?

もし、間違えてスズランを食べてしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか?その辺りについて解説していきましょう。

直ちに吐き出す

まず、間違えて食べた場合は、すぐさま吐き出すようにしましょう。少量でもスズランの毒性の強さで上記の症状が出てきますので、毒が回る前に吐き出すようにします。その後はしっかりと水で洗うようにしましょう。

直ちに病院を受診する

食べてしまったり、たとえ食べてなくても、スズランの花粉などは手に付着していたりするので、そのまま目や鼻をかいてしまうことがないようにする必要もあります。すぐに吐き出した、目や鼻をかいてしまった後はすぐに洗い流して、病院を受診するようにしましょう。

スズランとの安全な共存の仕方

このように、とても強い毒性を持っているスズランですが、しっかりと管理することさえすれば、安全に楽しむことは可能です。ここからは、スズランを楽しむための共存の仕方について解説していきましょう。

食卓の周りや、子供の手の届く場所で育てない

まず、スズランを食卓テーブルの上やその周り、子どもの手が届く場所に置いておかない、育てないということを心がけましょう。上記で簡単に触れていますが、スズランの毒性は花や葉っぱだけでなく、花粉にも含まれています。食卓テーブル周りに置いておくと、その花粉が食べ物などの中に飛んで落ちたりして、気づかないまま食べてしまって、症状を引き起こすこともあります。花はキレイなので見える場所に置きたくなる気持ちはわかりますが、食卓には置かないように注意しましょう。

犬や猫などのペットの手の届く場所で育てない

また、犬や猫を飼っている家庭の場合は、ペットが誤食しないように手の届く場所に置いておかない、育てないようにしましょう。特に、犬は一口で大きく食べてしまうこともあるため、致死量に一気に届いてしまうこともあります。また、猫ちゃんは毛づくろいを自分でしますが、身体に花粉がついてしまってそれを舐めたりして、症状が出てしまうこともありますので、置き場所には注意が必要です。

触るときはゴム手袋などをして直接触らないようにする

また、スズランの毒性は葉っぱ全体にあるため、スズランは素手で触らず、ゴム手袋などをして触るようにしましょう。もし、スズランを植え替えしようとしたり、植え付けで長時間作業をする場合は、絶対にゴム手袋をつけて作業することをおすすめします。また、作業する際は、ペットやお子さんがいない場所でするようにしましょう。 もし、直接触れてしまったら、しっかりと手洗いをするようにしましょう。

スズランによる死亡例を紹介

そんなスズランですが、実際に食べてしまい死亡してしまった事件もたくさん存在しています。ここからは、そのスズランの誤飲で死亡した例を紹介していきたいと思います。

スズランには複数の死亡例がある

スズランを誤食し、死亡してしまったというニュースをよく聞くかと思いますが、それだけ複数の人が誤食して亡くなってしまうということになります。日本でもよくニュースを見ることがありますが、ではどうしてそこまで間違えて食べてしまうのか。 実は、スズランによく似た植物に「ギョウジャニンニク」があります。このギョウジャニンニクですが、スズランの葉っぱによく似た形をしていて、山で山菜取りをしたりするときに見間違えて収穫してしまって誤食して亡くなるということが日本では多いのです。間違えて採取しないように判断するには、ギョウジャニンニクは採取するときにネギのような香りがしますが、スズランは無臭のため、そこで判断することはできるでしょう。 しかし、山菜取りをするときに素人判断で間違えて採取してしまうことは多々あるため、山菜取りをする際は、しっかりと知識を持っている方と一緒に行動するほうがよいでしょう。

子供が誤飲してしまうことが多い

また、白やピンクの花の色に目が行きがちですが、スズランの実は秋になるととてもきれいな赤い果実をつけるようになります。欧米では、その実を子供たちが間違えて食べてしまって亡くなるという事件が毎年報告されているようです。きれいな赤い果実は子供たちにとってとても好奇心がわくほどのきれいな形をしているため、誤飲しないよう注意する必要があります。

旧西ドイツにあるオスターマーケンという町で3歳の少女が死亡した

また、スズランの毒性で旧西ドイツのオスターマーケンという町で、わずか3歳の少女が死亡した報告もあります。 20世紀の終わりころの旧西ドイツで暮らしていた3歳の少女ですが、花瓶替わりに花を挿していたコップの水を飲んでしまい、中毒症状が発生して亡くなってしまったという報告があります。その中毒症状を引き起こす原因となったのがスズランの花でした。 スズラン自体はヨーロッパではお祭りでお祝いで使用されるくらい一般的に愛されている植物ですが、スズランの毒性は水溶性で水に溶け出ます。そのため、このような痛ましい事件が発生してしまいました。大人は大量に食べない限り大丈夫かもしれませんが、子供は少量でも致死量に達しますから、そうならないためにも置き場所にはしっかりと注意する必要があります。

スズランの適切な育て方

そんなスズランですが、たとえ強い毒性を持っていても、管理さえ気を付けていれば共存することは可能です。では、スズランの育て方について解説していきましょう。

直射日光の当たらない明るい場所で育てる

スズランは屋外でも屋内でも育てられる植物です。日光が好きな植物ですが、どちらかと言えば直射日光が当たらない明るい場所で育てるのがベストです。日陰ばかりに置いておくと日光量が足りず、花が咲かないこともあります。ですが、直射日光は苦手で、特に真夏の暑さはスズランにとっては天敵となります。プランターなどの鉢で育てる場合は遮光ネットなどを使ったり、日陰に移動させるなどをし、庭の場合は、日差しなどを考慮して、最初に植える場所をしっかりと考えるようにしましょう。

土の表面が乾いたらたっぷりと水をやる

プランターで育てている場合、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしてあげましょう。葉っぱや茎が下向きになっている場合は水切れを起こしているサインとなります。毎日しっかりと観察して栽培することが大事ですよ。真夏は朝晩2回、冬は休眠期ですが、乾燥は嫌いなので、毎日控えめに水やりをしてあげましょう。 庭植えの場合は特に気にする必要はなく、真夏に晴天が続き、土が乾ききっている場合以外は水やりの必要はありませんよ。真夏は昼に水やりをするのではなく、朝晩の涼しい時間帯にあげるようにします。

肥料は緩効性肥料を与えるようにする

肥料は、鉢植えの場合は緩効性肥料を与えるようにしましょう。鉢植えは水やりが必要な分、水が流れ出るときに肥料の成分も一緒に流れ出ていきます。植え替えの際、花が咲いた後に、花が咲き終わったときにも緩効性肥料を与えると、翌年も元気な株で育てることができますよ。 庭植えの場合は、新芽が動き出す前の3~4月、花が終わる6月ごろに1回肥料を与えます。緩効性肥料を与えるのは一緒ですが、少し控えめに与えるようにします。ただ、栄養たっぷりの土で育てた場合は無理に肥料を与える必要はありませんよ。

植え替えは休眠期にあたる4~5月か10~12月におこなう

スズランを植え替えするとき、適期は休眠期となる4月~5月もしくは10月~12月に行うのがベストです。休眠期であれば、株に少ないダメージで抑えられるからですね。株分けしないのであれば、一回り大きめの鉢植えに植え替えしてあげましょう。 鉢植えの場合、植え替えは1~2年に1回行います。スズランは地下茎を伸ばす性質を持っているため、根詰まりしやすい植物と言えます。植え替えるときは一回り大きめの鉢植えを用意しておきましょう。 地植えの場合、3~5年に1回の頻度で十分です。鉢植えと違い、地中で根っこを伸ばすため、頻繁にする必要がないのですが、株が大きく育ってくると地下茎が混雑してしまい、生育に障害がでてきてしまうことも。スズラン自体とても丈夫な植物ですので、増えやすいことも一因でしょう。その時は株分けを行ってあげましょう。

スズラン以外にも毒があるユリ科の植物

ここまでスズランの毒性について解説してきましたが、実は他のユリ科の植物にも毒性を持っている種類は多く存在しています。スズラン以外のユリ科の毒をもつ植物を紹介していきましょう。

オモト

オモトは観葉植物として人気のある植物で、品種もたくさん存在します。古くから縁起の良い植物として有名でありますが、その葉っぱや茎に強い毒性を持っています。ロデインという毒性を持っていて、摂取してしまうと嘔吐や頭痛、不整脈や血圧低下などを引き起こします。最悪の場合、心不全を起こして死に至りますので、注意しましょう。

オーニソガラム

オーニソガラムは、白く可憐な花をつけるとても可愛らしい植物ではありますが、その球根や花には強い毒性を持っています。間違えて摂取すると、嘔吐や吐き気、下痢や息切れ、舌やのどに強い痛み、灼熱感なども引き起こします。

コルチカム(イヌサフラン)

コルチカム(イヌサフラン)は、淡い紫色の花をつける植物ですが、鱗茎に毒性の強いアルカロイドを含んでいます。鱗茎だけでなく、コルチカム全体に強い毒性を持っていますので、決して口に入れないよう注意しましょう。

バイモ(アミガサユリ)

バイモ(アミガサユリ)は中国原産の多年草で、元々は薬用植物として漢方などに使用され、観賞用に栽培されることも多くなっています。漢方に使用されているとはいえ、バイモ全体には強い毒性であるアルカロイドが含まれています。摂取してしまうと血液低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす可能性があります。場合によっては死の危険もあります。

ヒヤシンス

ヒヤシンスは春の時期になれば花壇をきれいに彩ってくれる植物です。そんなヒヤシンスも花全体に強い毒性を持つ植物です。シュウ酸カルシウムという毒性を持っており、触るとかゆくなるなどのアレルギーを起こすこともあります。特にペットやお子さんがいる場合は口に入れたり触ったりしないように注意する必要があります。

スズランには毒性がある!?毒性による症状から対処法までのまとめ

ここまで、スズランの毒性や危険性について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。強い毒性を持っているスズランですが、口に入れることや素手で触れることをしなければ決して中毒症状がでることはありません。 しっかりと管理することをしておけば、誤飲することもないでしょうし、花粉も付いたりすることはないでしょうから、ペットやお子さんと共存することだって可能です。 ぜひ、この記事を参考に、スズランの毒性に注意しながら、スズランを飾ってみてはいかがでしょうか? 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。