ハナミズキの剪定方法を解説!適した時期から剪定のコツまで

ハナミズキの剪定方法を解説!適した時期から剪定のコツまで
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目次

歌のモデルになることもあるハナミズキは、日本で広く庭木としての人気を集めています。そんなハナミズキを自分で育てたいと思った時、「でも剪定が難しそう」「どこを切るといいの?」といった疑問が湧く人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、
  • ハナミズキの基本情報
  • ハナミズキの正しい剪定方法・時期
  • ハナミズキに関わる病害虫や剪定時の注意点
  • 剪定時にどこを切るべきかのポイント
上記について解説します。この記事をお読みいただければ、ハナミズキの正しい剪定方法や問題への対処法を知ることができます。ぜひ最後までご覧ください。

ハナミズキはどのような樹木?

ハナミズキの剪定方法をご紹介する前に、まずはハナミズキの基本情報について確認しておきましょう。歌の歌詞にもなるハナミズキは、いったいどのような樹木なのでしょうか?

ハナミズキは4月中旬から5月に白やピンクの花をつける花木

ハナミズキは4月中旬から5月にかけて、白やピンクのお花をつける花木です。ソメイヨシノなどの桜の後に見頃を迎えます。高さは5〜10m程度に育ち、庭木としても人気です。

ヤマボウシによく似ている

ハナミズキの樹木はヤマボウシによく似ています。ハナミズキには「アメリカヤマボウシ」という別名があり、アメリカや南米エリアに分布するヤマボウシ亜属の植物です。ちなみにヤマボウシは日本中の多くのエリアで愛されている在来種です。

ヤマボウシとハナミズキは、花か花芽の違いで見分けられる

ヤマボウシとハナミズキを見分けたい場合は、花と花芽に着目しましょう。ヤマボウシは葉が出てから花が咲き、ハナミズキは葉が出る前に花が咲きます。また開花時期も少しずれています。ハナミズキは4月から5月にかけて咲き、ヤマボウシは5月下旬から6月下旬に花が咲きます

落葉性で、四季の変化を楽しめる為庭木に人気

ハナミズキは花を楽しめるだけでなく、秋には紅葉して実がなります。落葉性の樹木のため、四季の変化を色濃く楽しめます。そのため街中の側道や庭木としても人気です。

ハナミズキの生育には剪定が必要

ハナミズキは比較的生育が緩やかな植物ですが、育てる場合は剪定が必要です。ハナミズキに剪定が必要な理由をご紹介します。

見た目をよくするため

ハナミズキは生育が緩やかとはいえ、放っておくと高さが10mを超えてしまったり、葉が生い茂って見た目が良くなくなります。また背が高くなりすぎてしまうと、剪定などの手入れ作業も難しくなります。見た目を良くするため、手入れのしやすさを保つためにも、剪定が必要です

栄養をいきわたらせるため

先述しましたが、ハナミズキは放っておくと背が高くなりすぎたり、枝葉が増えすぎてしまいます。高くなりすぎることを防ぎ、枝葉を取り除かなければ、花や葉に回す栄養が足りなくなることもあります。無駄な枝葉を除き、栄養をいきわたらせるためにも剪定が必要です。

病気や害虫を予防するため

ハナミズキを剪定せずに育てると、風通しの悪さから病気や害虫に見舞われることがあります。ハナミズキを健康に育てるためにも、剪定が必要です。ハナミズキの主な病害虫は下記です。

うどんこ病

ハナミズキがかかる病気として有名なのがうどんこ病です。葉や茎がうどん粉をかけたように白くなる病気で、最初は1箇所から始まり、その後どんどん広範囲に広がります。風通しの悪い場所では特に発生しやすいです

アメリカシロヒトリ

アメリカシロヒトリは、ハナミズキの伐採の原因になることの多い害虫です。6月上旬から7月中旬と8月上旬から9月中旬の2回発生する毛虫です。サクラやハナミズキといった落葉樹を好んで繁殖します。こまめに葉に卵がないか確認して剪定を行わないと、大発生を招く可能性があります

コウモリガ

コウモリガの幼虫はハナミズキの幹や茎の中を食い荒らします。現場の状況を見つつ殺虫剤で対処しましょう。スミチオン乳剤などの殺虫剤が効果的です。周辺の雑草を取り除くことも予防につながります

ハナミズキの剪定方法や正しい育て方を解説

ハナミズキに剪定が必要な理由を確認したところで、次にハナミズキの剪定方法や正しい育て方を解説します。正しい時期に正しい育て方でハナミズキの剪定を行い、病害虫を防止して元気に育ててあげましょう。

ハナミズキの剪定をする時期

剪定は正しい時期に行わなければ、元の状態に戻るのに時間がかかりすぎたり、元気がなくなってしまう危険性があります。そこでハナミズキの剪定に適した時期をご紹介します。

11月から3月の冬の時期に作業しよう

ハナミズキの剪定作業は、11月から3月の冬の時期に行いましょう。ハナミズキは冬の間休眠期に入るため、剪定で枯れたりするリスクを下げることができます。肥料を与える場合は2月までに元肥として与えます。

幹に栄養を集中させているため先端の枝を切ってもダメージが少ない

紅葉や実の時期が終わった後、ハナミズキは休眠期に入ります。休眠期のハナミズキは幹に栄養を集中させており、先端の枝を切ってもダメージが少なく済みます。その性質を生かして冬に剪定を行うことで、剪定後も元気に育てることが可能です。

翌春の花芽が大きくなっているため、誤った剪定を防ぐことができる

春にハナミズキが花をつけない原因として、花芽がついた枝を切り落としてしまったという可能性があげられます。11月〜3月に剪定を行うと、その時期には翌春の花芽が大きくなっており、誤った剪定を防ぐことができます。翌春も元気に花を咲かせてくれる確率を上げることが可能です。

花後の5・6月ごろにも剪定する場合

開花後の5月や6月ごろに、剪定がしたくなることがあるかもしれません。しかし基本的に夏場の剪定は難易度が高くおすすめできません。どうしても剪定したい場合は、下記を心に留めておきましょう。

邪魔な枝を取り除き、樹形を整える程度にする

5月や6月などの夏場にハナミズキの剪定を行う場合は、どうしても邪魔な枝を取り除き、樹形を整える程度にしましょう。夏場に枝葉を切りすぎてしまうと、光合成が十分にできなくなり、ハナミズキの元気がなくなってしまう可能性があります。

夏はハナミズキの成長時期である為難易度が高い

先述してきたように、夏はハナミズキにとって成長時期であるため、剪定の難易度が高いです。可能な限り冬の間に剪定を行い、夏は剪定を避けましょう。元気に育てたい方は、夏の剪定はどうしてもの場合のみ、軽い剪定のみを行うと覚えておいてください。花後の肥料は8月下旬〜9月に与えます。

ハナミズキの剪定の方法2種類

ハナミズキの剪定方法は2種類あります。用途を理解して正しく剪定しましょう。

①間引き剪定

一つ目の選定方法が「間引き剪定」です。間引き剪定は、年に1回は行いたい作業で、不要な枝を切り落とす剪定方法です。

邪魔な枝を取り除く選定方法

間引き剪定では、邪魔な枝を根本から取り除きます。綺麗に剪定するためには、必ず根本から切り落とすようにしましょう。中途半端な位置で切ってしまうと、見栄えが悪く樹形が乱れる原因になります。

樹形を乱す枝、日当たりや風通しを悪くする枝、他の枝の成長を妨げる枝等を剪定

間引き剪定で切り取る邪魔な枝とは、
  • 樹形を乱す枝
  • 日当たりや風通しを悪くする枝
  • 他の枝の成長を妨げる枝
などが挙げられます。自分の理想とする樹形をイメージしながら、切り取る枝を選びましょう。花芽がついている枝を切りすぎると、翌年の花付きが悪くなるため注意が必要です

②切り戻し剪定

二つ目の剪定方法が、「切り戻し剪定」です。切り戻し剪定で剪定すると、自然な樹形に仕上がります。

短く新しい枝を残して、長くて古い枝を切る選定方法

切り戻し剪定は、短く新しい枝を残して、長くて古い枝を切るという剪定方法です。伸びすぎた古い枝を切り、新しく短い枝を育てることによって、自然で理想的な樹形に近づけます。

大きくなりすぎた枝を短くしたい際に最適

切り戻し剪定は、大きくなりすぎた枝を短くしたい際に最適の剪定方法です。ハナミズキは性質上、放っておくと太い枝がどんどん横向きに広がります。理想の樹形と切った枝の代わりとなる新しい枝を見つけつつ、剪定を行うことが大切です。

ハナミズキの剪定はどこを切る?

ハナミズキの剪定の際にどこを切るのかわからない、という方もいますよね。この項目では、剪定するべき場所を細かく解説します。

枝が込み合った部分を整理したい場合

ハナミズキの剪定時には、やはり枝が混み合った部分を整理したいと思うのではないでしょうか。病害虫対策のためにも、混み合った部分を解消して風通しを良くすることは大切です。

先端に花芽がついていない枝を優先的に選定する

ハナミズキの剪定では、花芽をしっかり確認することが重要です。先端に花芽がついている枝は、春になると花を咲かせます。花芽のついた枝を切り過ぎると花付きが悪くなるため、花芽のついていない枝を優先的に剪定するようにしましょう

枝分かれの付け根から切り落とし、枝先をY字にするイメージで切る

枝分かれしている部分を剪定したい場合は、付け根から切り落とし、枝先をY字にするイメージで切ります。枝分かれして3本の枝がある場合は、真ん中を付け根から切るイメージです。花芽の確認も怠らないようにしましょう。

枝を切る場合

長く伸びたり古くなっている枝で、樹形を乱しているような枝は剪定の対象です。枝の剪定を行う際のポイントをご紹介します。

必ず付け根から切る

古く長い枝を切り、新しく短い枝を育てることで、樹形を自然に美しくできます。そのため枝の剪定を行う際は、必ず付け根から切るようにしましょう。ハナミズキを美しい状態に保つための剪定の基本です。

中途半端な部分で切ると見栄えが悪い

中途半端な部分で切ってしまい、枝が残っていたりすると、見栄えが悪くなってしまいます。自然な樹形にするためにも、根本からの剪定が望ましいです。また切り立ても見栄えが悪いですが、成長後にも問題が起こります。

残した部分が枯れたり、樹形が乱れる原因になる

中途半端な位置で切った枝は、残した部分が枯れたり、残した部分から新しく枝が生えて樹形が乱れる原因にもなります。付け根から切る強い剪定に抵抗がある方もいるかもしれませんが、枯れや剪定頻度が多くなることを加味して、根本から切るようにしましょう。

ハナミズキ剪定の際のコツ

植物の剪定を今までしたことがない方や、枝を切ることに抵抗がある方もいるかもしれません。そこでこの項目では、ハナミズキ剪定の際のコツをご紹介します。

高さを決める

ハナミズキの剪定を行う際は、まずはじめに理想の高さを決めます。ハナミズキは放っておくと10m以上の大木になる可能性があり、庭木として育てたい場合は、自身で手入れできる高さに保つ必要があります。

ハナミズキは、樹高が高いため、理想より小さく低く剪定することが望ましい

ハナミズキ剪定のコツは、樹高が高い樹木のため、理想より小さく低く剪定することです。理想より小さく低く剪定することで、その後の枝葉の伸びにも対応しやすくなります。

ハナミズキの太い主幹を切ることで、それ以上高くなくなる

ハナミズキは太い主幹を切ることで、それ以上高く成長しなくなります。高さを決めた後は、希望の高さに近い部分で枝分かれしている箇所を探し、主幹を切り落としましょう。

剪定後の切り口の手入れ

ハナミズキの剪定を行った後は、ある箇所が弱くなっています。それは切り口です。剪定後は切り口の手入れを行い、ハナミズキを健康に育ててあげましょう。

剪定後の切り口から菌が入り、枯れる原因となる

ハナミズキ剪定後の切り口は繊細になっており、菌の侵入が容易になっています。切り口から菌が入り病気に感染して、最悪の場合ハナミズキが枯れ、伐採が必要になる可能性もあります。そのためハナミズキの剪定後は以下の対応が必要です。

切り口にはホームセンター等で売っている癒合材を塗ろう

ハナミズキを剪定後、切り口にはホームセンター等で売っている癒合材を塗りましょう。そうして切り口を塞いであげることで、菌の侵入を防ぎ、病気からハナミズキを守ることができます。

ハナミズキの剪定を自分で行うのは難しい?

「ハナミズキは樹木のため、自分で剪定することは難しいのではないか」、「すでに大きくなりすぎていて自分ではできなさそう」そう思う方もいることでしょう。ハナミズキの剪定が難しい理由や解決策を解説します。

大きくなりすぎたり花が咲かなかったりと自分で剪定するのが難しい場合や失敗することも多い

ハナミズキは樹木であるため、ある程度年数が経つと大きく育ちます。大きくなりすぎたハナミズキを自分で剪定することは難しく、よく見えないため失敗する可能性も高いです。また剪定に失敗することで、花が咲かなくなってしまう可能性があります

プロに相談して最適な剪定をしてもらおう

大きくなりすぎたハナミズキの剪定は、難しく失敗のリスクがあります。そんな時は無理に自分で剪定しようとはせずに、プロの業者に依頼して、見積もりを出してもらい最適な剪定をしてもらいましょう。プロに相談することで費用はかかりますが、現場の状況を見て最善策を提示してくれます。また再び自分で手入れできる段階まで、調整してもらうことも可能です。

ハナミズキの剪定方法を解説!適した時期から剪定のコツまでのまとめ

ここまでハナミズキの基本情報や剪定方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?この記事のポイントは、
  • ハナミズキとヤマボウシの見分けは花や花芽
  • ハナミズキの剪定は11月〜3月の間に行う
  • 夏の剪定は難しいため避ける
  • 枝の剪定時は根本から切る
  • 自分で対処できない場合はプロに依頼する
です。ハナミズキの剪定は正しい時期に正しく行うことで、うどんこ病などの病気や害虫予防になります。プロの業者に頼む場合は費用がかかりますが、見積もりを出してもらい納得できる剪定をお願いしましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。