【徹底解説】パキラは生長が早いから植え替えをしたほうがいいの?

【徹底解説】パキラは生長が早いから植え替えをしたほうがいいの?
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目次

パキラという植物は初心者にも育てやすく人気が高い植物です。生育旺盛なパキラは育てていくうちに鉢に根がいっぱいになってしまい、元気がなくなってしまうことがあります。 パキラの根がいっぱいになってしまったときには植え替えが必要です。しかし、植え替えの方法が分からず不安に思っている方も多いのではないでしょうか。 今回は、
  • パキラの特徴や性質。
  • パキラの植え替えの方法。
  • ハイドロカルチャーでの植え替え。
について解説していきます。 この記事を読むことでパキラの植え替えのコツや、植え替え後の管理を知ることができますよ。元気にパキラを育てるために植え替えは大切なお世話です。是非ポイントを確認していきましょう。

まずはパキラについて詳しくなろう

はじめにパキラとはどのような植物なのでしょうか。パキラの性質や原産地を知ることで上手に育てることができるようになりますよ。

パキラの基本データ

パキラは中南米原産の樹木で、日光が入る明るい日陰と暖かな環境を好みます。大きさは最大20mとなる大きな樹木です。観葉植物としては手のひらサイズのものから人間の背丈を超えるものまで幅が広く、様々な場所で飾ることができます。
原産地 中南米(熱帯)
背丈/高さ 10cm~20m
耐陰性 普通
耐寒性/耐暑性 耐寒性:弱い 耐暑性:強い

パキラは成長スピードが早い観葉植物

パキラはとても成長スピードが速く、あっという間に大きく育ちます。ダイソーなどの100均で販売されている手のひらサイズのパキラであっても、植え替えや適切な水やりを行うことですぐに大きくなっていきます。 病気などで葉が落ちてしまっても、治療を行うことですぐに元気な葉を伸ばしてくれることが多い観葉植物です。お花屋さんや園芸店でも簡単に手に入れることができます

パキラの植え替えが必要な理由

観葉植物になぜ植え替えが必要なのかを知っていますか?たしかに、植え替えは大切なお世話です。しかし、なぜ大切なのかを知らないという方も多いのではないでしょうか。まずはパキラにとって植え替えが必要な理由を解説していきます。

根が成長する場所の確保

自然の中の植物には、根を伸ばすスペースに制限がありません。のびのびと根を伸ばすことでより多くの水分や栄養分を吸収しています。しかし、鉢に植えられたパキラにとって根を伸ばすことができるスペースは鉢の中に限られます。よって、何年もパキラを同じ鉢で育てると鉢が根でいっぱいになってしまいます。 根を生やすスペースがなくなってしまうと鉢が根でぎゅうぎゅう詰めの状態となる「根づまり」という状態になります。根づまりになってしまうと、土に水がしみこみにくくなり、根が酸素不足になってしまいます。特に根の酸素不足は根腐れの原因にもなってしまいます。 最悪の場合は根づまりが原因で枯れてしまうこともあるため、元気にパキラを育てるためには植え替えが必要となります。

土壌環境を良くして栄養補給

植え替えには土壌環境をよくするという意味もあります。植物は水分だけでなく様々な肥料分を吸収しています。しかし、育てていくうちに土の中の肥料分は減少してしまいます。そのような、肥料分が減少した土を入れ替えるという意味が植え替えにはあります。 土には小さな空間が存在し、それがあることによってパキラは根を伸ばすことができます。そのほか、より多くの肥料分や水分が土に蓄えられます。しかし何年も栽培していると土の粒がつぶれてしまい、パキラにとって育ちにくい土壌となってしまいます。土の栄養補給の他にも、パキラを長く育てていくと失われる土の団粒構造を取り戻すという意味もあります

植え替える前に適した時期やタイミングを確認

パキラにとって植え替えは大切であることを解説しました。パキラのために、早速植え替えを行いたいと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、植え替えを行う前に確認しておくべき注意点があります。

植え替えは生育期の5月~9月に行う

パキラは熱帯の植物で、冬の寒さには弱く暑さに強いといった性質を持ちます。パキラにとって日本の5月~9月、春と秋は過ごしやすい気候となります。そのような生育期にパキラを植え替えることで失敗を減らすことができます。10月に入ると寒い日が増えるため、できるだけ10月より前に済ませましょう。 8月の猛暑の中での植え替えはパキラにとって少し負担となってしまうことがある他、作業中の熱中症の危険があるため避けた方が良いでしょう。冬、具体的には11月から2月は地域によってはひどく寒くなるため植え替えは避けましょう。

晴れた日の午前中に行うとパキラへの負担が減る

晴れた日の午前中は気温、湿度が安定しています。そのため、パキラの負担を減らすことができます。植え替え後、より元気に育てるためにも晴れた日の午前中に植え替えを行いましょう。

剪定と植え替えは同時に行うと枯れることもある

植え替えはパキラにとってストレスを与えてしまうお手入れです。また、生育期に行う剪定も同じくパキラの負担となってしまうお手入れです。同時に行うことは避け、剪定を行って2週間程度間をあけてから植え替えを行うなどの工夫ををするとよいでしょう。 他の観葉植物においても剪定と植え替えは同時に行わなわず、日を分けて行いましょう。

パキラを土に植え替える際に失敗しない手順や方法

では、パキラを土に植え替える方法を解説していきます。手順を追って説明していくため、一つ一つ確認しながら植え替えを行っていきましょう。やり方を覚えるとスムーズに作業ができます。 不安な場合は動画配信サイトで実際の様子を動画で見るとよいでしょう。

手順①:必要なものを揃えよう

はじめに、植え替えをするときには必要なものがいくつか存在します。道具をきちんとそろえて、植え替えの途中で焦ることがないようにしましょう。

①:大きいサイズの植え替え用の鉢

今パキラが植えられているものよりも一回りほど大きな鉢を用意します。あまりにも鉢の大きさが大きすぎると、鉢の中の水分が過剰となってしまい根腐れの原因になってしまいます。 また、材質は通気性のある素焼き鉢が適しているとされています。しかし、大きなパキラを育てている場合素焼き鉢では重すぎて移動させることができません。そのような場合は比較的軽いプラスチック鉢を使用しても良いでしょう。 大きさをこれ以上大きくしたくない時には同じ鉢を使用しても構いません。その際は根を切り詰めましょう。

②:用土

パキラは水はけのよい土を好む植物です。小粒の赤玉土を7割、ピートモスを2割、軽石を1割混合したものを使うとパキラに適した土を作ることができます。置き場所によって赤玉土の配合を変えても良いでしょう。しかし、分量やそろえるものが多いため初心者の方は市販されている観葉植物用の培養土を使用するとよいでしょう。

③:軽石

鉢底に軽石を敷くことで水はけを調節することができます。多く敷けば敷くほど水はけがよくなりますが、あまりに多く敷くと今度はパキラの根が育つスペースがなくなってしまうため5分の1~4分の1程度の高さまで敷くと良いでしょう。

④:土入れ

土をこぼすことなく鉢に入れるためには小さなスコップや土入れが必要となります。袋から直接鉢に土を入れるとこぼしてしまう他、土の量を調節することが難しいため用意すると良いでしょう。ダイソーなどの100均でも手に入れることができます。

⑤:木づち(鉢を叩いてパキラを出しやすくする)

特に根がぎゅうぎゅうになってしまったパキラを植え替えるときに必要です。パキラを鉢から取り出す際、なかなか出てこないことがあります。そのようなときに鉢の側面を軽く叩くことで取り出しやすくすることができます。

⑥:鉢底ネット

鉢底から土が流れ出るのを防ぐために使います。観葉植物を植える鉢には排水用の穴が開いてあります。鉢底ネットがないと、水やりを行った際に土が外に流れてしまい土がどんどん減ってしまいます。

⑦:割りばし等の長めの棒

パキラを植え替えた直後、土と根をなじませるために使用します。なじませることでパキラがぐらぐらすることもなくなり、水分も吸収しやすくなります。

手順②:準備できたら植え替えよう

道具を準備することができたら早速植え替えを行いましょう。土で汚れることが多いため長靴やエプロンなどを身に着けると安心して作業ができます。作業する場所にはブルーシートなどを敷くと後片付けが楽ですよ。

①:鉢からパキラを引き抜く

鉢の側面を握りこぶしや木づちで軽く叩き、パキラを鉢から引き抜きます。乱暴に引き抜いてしまうと根が切れるため注意が必要です。

②:根から土落として、根をほぐす

根から土を半分程度落とし、優しく根をほぐします。黒ずんでいる根は腐っている根です。ライターなどで炙ったハサミで切り取ってあげましょう。その他虫などの発生がないかを確認しましょう。 大きくしたくないといった理由で同じ鉢に植えなおす場合も根を切り詰めましょう。

③:鉢底ネットを敷いて、パキラを移し替える

新しい鉢に鉢底ネットを敷き、軽石、培養土を目安として3分の1の高さまで入れます。その後、パキラを中心に置きます。この時パキラがぐらぐらするため倒れないように支えてください。

④:用土を入れて、棒で土をならす

パキラがぐらぐらしないように、鉢の縁から2~3cmを目安に土を入れます。その後、割りばしなどの棒で優しく土を数回つつき、土をならします。

⑤:鉢を軽く叩いで、土を行き渡らせる

鉢の側面を軽く叩き、土を行き渡らせます。土の高さが低くなってしまった場合は土を追加しましょう。

パキラの植え替え後の基本的な手入れ

パキラを植え替えた後はどのようなお手入れが必要となるのでしょうか?植え替えた後は特に注意してお手入れを行う必要があります。いつもは枯れることがなくても植え替え後のデリケートな状態では枯れてしまい、植え替えが失敗してしまうこともあるため注意しましょう。

置く場所:【暖かく】【風通しの良い】場所に!

置く場所は暖かく風通しの良い場所にしましょう。直射日光を避けた明るい日陰に飾るとより負担が少ないです。パキラが好む環境に置くことで、より早く根を伸ばし新しい環境に適応していきます。反対にパキラが苦手とする環境に置いてしまうと枯れることが多いため避けるようにしましょう。

水やり:表面が乾いてから鉢底が濡れるくらいまで!

パキラは多湿環境よりも乾燥を好みます。表面の土に触れて乾燥しているのを確認してから水を与えましょう量は鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えます。乾燥させた状態と、水分のある状態のメリハリがポイントです。

肥料:植え替え後1か月間は何も与えないようにする

植え替えたばかりのパキラはまだ根が土に順応しておらず、デリケートな状態です。元気がないように見えても肥料は植え替えてから1か月間与えないようにしましょう。吸収することができないだけでなく、根を傷めてしまうことがあります。

土:ぐらぐらしている場合は土をならす

パキラがぐらぐらとしている場合は割りばしなどの棒を土の表面に数回刺しながら空気を抜きましょう。また、できるだけパキラの木を触るなどして動かさないようにし、風を避けた場所に飾ると良いでしょう。

【めんどくさがり屋さん必見】ハイドロカルチャーだと植え替えはしなくてよい

ハイドロカルチャーと呼ばれる水耕栽培法で育てると土の団粒構造や栄養補給のための植え替えを行う必要がありません。特に、室内で飾るようなサイズのパキラはすぐに大きくなってしまうため頻繁な植え替えが必要となります。しかし、ハイドロカルチャーにすることでその頻度を抑えることができます。

そもそも【ハイドロカルチャー】とは

ハイドロカルチャーとは、ハイドロボールなどの植え込み材を用いた水耕栽培のことです。土を使わないため、カビや虫の発生を防ぐことができます。室内のキッチンやデスクなどでも衛生的に観葉植物を飾ることができます。

ハイドロカルチャーへの植え替えに必要なもの

ハイドロカルチャーへの植え替えに必要なものは以下の通りです。
  • 穴が開いていない器
  • 水位計
  • 根腐れ防止剤
  • ハイドロボールなどの植え込み材
お花屋さんや園芸店にて取り扱いがされているものばかりです。道具をそろえてチャレンジしてみましょう。

ハイドロカルチャーへの植え替えのやり方

ハイドロカルチャーへの植え替えは、土植えの観葉植物とは少し異なります。しかし、コツを抑えることができれば難しくありません。植え替えの時期も通常と同じく5月~9月が適期で、寒くなる11月~2月は避けましょう。

①根腐れ防止剤を入れる

はじめに根腐れ防止剤を容器の底に敷きます。量は容器の底が隠れる程度入れましょう。

②軽く洗ったハイドロボールを1/3入れる

ハイドロボールなどの植え込み材を軽く洗い、目安として容器の3分の1程度まで入れます。容器やパキラの大きさによって量は変更してください。

③パキラの土をよく落として容器に入れる

パキラを取り出し、土をすべて落とします。水で優しく洗い流すと根が切れることなく作業できます。黒くなった根があればハサミなどで切り取りましょう。 容器にパキラを入れ、根が埋まるように植え込み材を入れていきます。

④水を1/5~1/4ほど入れる

水を5分の1~4分の1程度入れ、暖かく日光の入る場所に飾りましょう。その後は普通のハイドロカルチャーと同じ管理方法となります。

Q. パキラの植え替えに関するよくある質問

パキラの植え替えについてよくある質問に答えていきます。疑問点などの解決に役立つかもしれません。是非確認してくださいね。

Q. 冬でも暖かい日は、パキラの植え替えをしても大丈夫ですか?

行ってはいけません。 パキラの成長期は春~秋です。植え替えした日が暖かい場合でも、その後冷え込んでしまうとパキラは根を根を伸ばすことができず失敗してしまいます。

Q. ダイソーなどの100均で買ったパキラを植え替えるように言われますが、植え替えなくても育ちますか?

植え替える必要があります。 この記事で解説したように、植え替えには様々な意味があります。特に100均のパキラは株に対して鉢が小さいことが多いため、植え替えなければすぐに根づまりを起こしてしまいます。

Q. 最近、パキラの葉が枯れてきて、元気がないです。鉢底にパキラの根が見えています。原因と対処法を教えて下さい。

成長期であれば植え替えを行いましょう。 根が鉢底から見えているのは根づまりのサインです。植え替えのタイミングとなるため、成長期に植え替えを行いましょう。土に水がしみこまない、乾燥が早いといった場合も植え替えのタイミングとなります。

Q. 苔玉の植え替えは何年間隔で行うのがいいですか?タイミングはありますか?

2~3年に一度を目安に行いましょう。 苔玉の苔が裂けてきたり、水を与えても植物が元気がない状態が続く時には植え替えを行いましょう。苔玉の植え替えは一般的に3月~4月が適期となりますが、パキラにとって3月~4月は寒すぎるため、植え替えの時期はパキラの場合生育期である5月頃が適期となります。

パキラの植え替え!適した時期や方法を解説のまとめ

今回はパキラの植え替えについて解説しました。やり方を知ると、意外と簡単ですよ。 この記事のポイントは、
  • 植え替えはパキラを元気に育てるために必要なお手入れ。
  • 植え替えには用意する道具といくつかの手順がある。
  • ハイドロカルチャーの植え替えは土植えの観葉植物とは異なる。
です。 植え替えは、よりパキラを大きく元気に成長させるには必要なお手入れです。初心者ですこし不安に思う方は、この記事を何度も読み返しておくと良いでしょう。 最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。東京寿園では観葉植物や胡蝶蘭についての記事を多く掲載しております。困ったことがあるときには参考にしてみてくださいね。